ダイエットに人気のささみ! 作り置きOKレシピなど食べ方のポイントも紹介
低カロリー食材としてダイエッターに人気の「ささみ」ですが、どんな食べ方でもよいわけではありません。食べ方を間違えるとダイエットに逆効果になってしまう可能性も。ささみをダイエットに役立てるための注意点や、おすすめのレシピを紹介します。
ダイエットにピッタリの鶏ささみ
鶏ささみがダイエットにピッタリな理由を解説します。
鶏肉の中でも低カロリー
そもそもささみは鶏肉のどの部位のことか、ご存じですか? ささみは、胸肉の奥の竜骨という骨に張り付いている部分のお肉。形が笹の葉に似ていることからこの名前がついています。
鶏肉の部位別に100g当たりの脂質とカロリーを比べてみると、以下のとおりです[*1]。
鶏肉の部位 | エネルギー | 脂質 |
---|---|---|
ささみ(生) | 98kcal | 0.8g |
手羽(生) | 189kcal | 14.3g |
むね肉皮つき(生) | 133kcal | 5.9g |
もも肉皮つき(生) | 190kcal | 14.2g |
ささみは他の部位に比べ、脂質がかなり少なく、低カロリーであることがわかります。胸肉も低脂質で知られますが、それよりもさらに脂質が少ないのがささみなんです。
調理法別・ささみのカロリーをチェック
ささみは、鶏肉の中でも低カロリー でダイエット向きであることはわかりました。では、調理方法によってどのくらい カロリーは変わるのでしょうか? 調理法別のカロリーについて紹介します(いずれも100g当たり)。
調理方法 | エネルギー |
---|---|
ゆでささみ | 121kcal |
焼きささみ | 132kcal |
ささみソテー | 186kcal |
ささみフライ | 246kcal |
ささみ天ぷら | 192kcal |
脂質が少なく低カロリーなささみですが、油を使って料理をすると、当然ながら脂質が増えてカロリーがアップ! なんと、フライにするとゆでささみの2倍以上のカロリーになってしまいます[*1]。ダイエットに活用するときは、調理方法に気を付ける必要がありそうです。
カロリー以外にも!ダイエットにささみがよい理由
ささみはがダイエットによい理由はカロリーだけではありません。オススメポイントを解説します。
高たんぱくなので筋肉を落としたくない人にもよい
ダイエットで避けたいのが、食事量を減らすことで筋肉が落ちてしまうこと。筋肉のもととなるたんぱく質を食事からしっかり摂取したいのですが、その点、ささみ(生)100g中のたんぱく質は23.9gと豊富。皮つきのもも肉の約1.4倍も含まれています[*1] 。
また、たんぱく質の摂取には、たんぱく質の量だけはなく「質」も重要となります。体の中でたんぱく質を合成するために必要な必須アミノ酸をバランスよく含んでいる食品を「良質なたんぱく質」を含む食品と呼びます。その指標になるのが「アミノ酸スコア」[*2]。鶏肉のスコアは100ですが、これは良質なたんぱく質が含まれているということです。
それだけでなく、ささみにはたんぱく質や脂質の代謝をサポートするビタミンB6も豊富に含まれています。ささみを200g(約4本) 食べると、成人女性の1日の推奨量を摂ることができます[*1,3]。 ささみはたんぱく質とビタミンB6が一緒に摂れる、効率的な食べ物なのです。
ただし、筋肉が合成されるにはたんぱく質摂取だけではなく、運動も必要です。食事で筋肉量の維持はできても、増やすことはできません。ダイエット中はいつもより多めの運動を心がけましょう。
噛み応えがあり満腹感を得られる
鶏ささみは胸肉と比べて軟らかい肉質ですが、弾力があって適度な噛み応えもあります。
よく噛んで食べることは、食べ物を消化・吸収しやすい形にするだけではありません。速食いを防ぐことにもなります。 速食いが肥満と密接な関連を持っているという研究報告もあり、ゆっくりよく噛んで食べることは、肥満対策のひとつとしてよく知られて います[*4]。
実際、肥満症患者さんの食事療法では、一口30回噛んで食事を摂ることを指導されることがあり、これによって食事時間が長くなり速食いの習慣を改善できるといわれています。また、噛むこと自体で脳の満腹中枢が刺激され、食べすぎを防ぐ効果もあるとされています[*5]。
アレンジしやすく飽きずに食べられる
脂質が少なく、淡泊な味わいのささみはさまざまな料理に合わせやすく、飽きずに毎日の食事に取り入れられ、ダイエット中の強い味方となります。
ダイエット中のささみの食べ方のポイント
ヘルシーな食材のささみですが、摂り方を間違えるとダイエット向きではなくなります。ダイエット中の食べ方について紹介します。
茹でるor蒸す調理法がおすすめ
もともと脂質が少ないささみも、油を使えばカロリーアップしてしまいます。ダイエット中には油を使わない「茹でる」「蒸す」調理法がおすすめです。
焼くときは油を控えめに
油を使うときは使い過ぎないように気をつけましょう。サラダ油は大さじ1(15ml、約14g)で約124kcalもあり、高カロリー[*1]。
ボトルから直接鍋やフライパンに注ぐのはやめて、スプーンではかってから使いましょう。
野菜や炭水化物も食べる
高たんぱく質で低脂質なヘルシー食材といっても、鶏ささみだけを食べるダイエットは栄養が偏ってしまうのでNG。ビタミン、ミネラル、食物繊維の供給源となる野菜、エネルギー源となる炭水化物もしっかりとりましょう[*6]。特に炭水化物が不足するとエネルギー不足で疲れやすくなります[*7]。
また、筋肉を維持するためにも炭水化物は大切。極端な炭水化物の摂取制限でエネルギー不足となった状態で筋トレをすると筋肉の分解が促進されるために筋肉量が減り、代謝が落ちてダイエットの効果が得られないことがあります[*8]。あくまでもバランスのよい食事を心がけましょう。
なお、腎臓などの病気で食事のたんぱく質制限が必要な人は、医師に相談してから食べるようにしましょう。
ダイエット中におすすめのささみ料理レシピ
作り置きもできるささみのダイエットレシピを紹介します。
レンチン塩麹サラダささみ
エネルギー175kcal、糖質15.6g(ともに1人分)
材料(2人分):
ささみ4本、塩麹大さじ2
作り方:
【1】ささみはキッチンペーパーで水分をふき取り、塩麹をまぶして冷蔵庫で半日以上おき、下味をつける。
【2】レンジ加熱可能な容器にささみを重ならないように並べ、ふんわりとラップをかけ、600Wのレンジで4分加熱し、完全に冷めるまでレンジ内に入れたままにする。
【3】完全に冷めたら、食べやすい大きさに切りそろえ、盛りつける。
ポイント:
手で細かく裂いてパンに挟んだり、サラダやパスタにトッピングしてもOK! アレンジしやすいレシピです。ちょっとたんぱく質が足りないなと思うときに、そのまま食べるのもおすすめです。
水晶鶏
エネルギー175kcal、糖質10.5g(ともに1人分)
材料(2人分):
ささみ4本、水菜3株、大葉5枚、酒大さじ1、塩少々、片栗粉大さじ1、ぽん酢大さじ2
作り方:
【1】ささみは、ななめにそぎ切りにして、酒と塩をもみ込んでしばらくおき、水菜は根元を切り落として4cm幅に切り、大葉はせん切りにする。
【2】キッチンペーパーでささみの水分をふき取り、片栗粉をまぶす。
【3】鍋に湯を沸かし、ささみを入れ、浮いてきたら、氷水にさらし粗熱をとり、ザルにあげて水分をとり、水菜の上に盛り付けてせん切りにした大葉を散らし、ぽん酢をかける。
ポイント:
ぷるぷる&つるつるの食感がクセになります。たっぷりの水菜と食べることで、ビタミンCやカリウム、カルシウム、食物繊維もしっかりと摂れます。
ささみ肉じゃが
エネルギー233kcal、糖質31.4g(ともに1人分)
材料(2人分):
ささみ2本、じゃがいも大1個、玉ねぎ1/2個、にんじん1/2本、ごま油小さじ1/2、水200ml、顆粒和風だし小さじ1/2、しょう油大さじ1、みりん大さじ2
作り方:
【1】ささみは一口大、じゃがいもは8等分、玉ねぎはくし形、にんじんは乱切りに切る。
【2】鍋にごま油を熱し、玉ねぎを中火でしんなりするまで炒めたら、ささみを加える。
【3】ささみの色が変わったら、じゃがいもとにんじんを加え、軽く炒める。
【4】鍋に水と和風顆粒だし、しょう油、みりんを加え、煮立ったら、アクをとる。
【5】落し蓋をして、中火で20分間加熱をする。
ポイント:
淡泊なささみを使ったあっさり味の肉じゃがです。冷蔵庫で3~4日保存が可能なので作り置きにもピッタリなレシピ。
まとめ
ささみがダイエットに向く理由や、取り入れるときの注意点を解説しました。小ぶりで皮のないささみは調理するときも扱いやすく、普段、料理をあまりしない人や忙しい人でも取り入れやすい食材です。ささみを上手に活用して健康的なダイエットをしてくださいね。
(文:木下ともえ)
※画像はイメージです
[*1]文部科学省:日本食品標準成分表2020年版(八訂)第2章(データ)
[*2]長寿科学振興財団:健康長寿ネット「三大栄養素のたんぱく質の働きと1日の摂取量」
[*3]長寿科学振興財団:健康長寿ネット「ビタミンB6/B12の働きと1日の摂取量」
[*4]厚生労働省:eヘルスネット「速食いと肥満の関係」
[*5]吉松博信:1.肥満症の行動療法 日本内科学会雑誌第100巻 第4号
[*6]農林水産省:食事バランスガイド早わかり
[*7]長寿科学振興財団:健康長寿ネット「三大栄養素の炭水化物の働きと1日の摂取量」
[*8]大塚製薬:栄養素カレッジ 炭水化物
※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます