ワーママがやりがちな「遠慮」は絶対NG #岩橋ひかりのキャリアの引き算
ワーママの頭の中は、育児や家事や仕事……すべてが同時のマルチタスク。日々そんな状態で、みなさん疲れてしまっていませんか? キャリアコンサルタントの岩橋ひかりさんが、忙しいワーママたちに「引き算」の考え方や岩橋さんが実践している方法をお伝えしていく連載です。
今日の引き算は「遠慮の引き算」
こんにちは。キャリアコンサルタントの岩橋ひかりです。
新しい年度が本格スタートしましたが、ワーママの皆さん、いかがお過ごしでしょうか?
前回のコラムでは、「やりたくないことの引き算」をテーマに、新しいことを始める前に、まずは余白の時間をつくることから着手。今の時間の使い方を書き出して、やらないことを決めようと書きました。
とはいえ、保育園の準備や送り迎え、食事作りに掃除に洗濯、子供のお風呂に寝かしつけなど、やらなければならないことは無数にあるのがワーキングマザー。
1日24時間の限られた時間で、家事も育児も仕事も、すべて自分1人で頑張るのは到底無理な話。
パートナーはもちろん、実家や義実家の両親、ママ友、そして家事代行やベビーシッターなどのアウトソースサービスなど、自分以外の誰かを頼るのは避けられません。
美容室に行くあいだ、子どもをみておいてほしい
朝保育園に連れて行くだけじゃなくて、夜のうちに保育園グッズの支度もしておいてほしい
子どもの習い事の送り迎えお願いしたい
子どもたちの公園遊びに付き合ってほしい
こうした切実な願いを、誰かにお願いするにはどうしたらいいのでしょうか?
働くママへの処方箋「お願いする前に勝手に遠慮しないこと」
頼みたいことを誰かにお願いするときに、大事なことは2つ。
まず1つ目は、お願いしたい内容を具体的に伝えること。
例えば、ゴミ出しをお願いしたいとき、キッチンとリビングと洗面所にあるゴミ箱のゴミを袋にまとめて、収集日に出して欲しいことと具体的にお願いすること。相手は、ゴミ出し=ゴミ袋をゴミ置き場に運ぶこと、と認識しているかもしれません。ゴミ袋にまとめることも含めてゴミ出しだと察してほしい気持ちも分かるのですが、相手の察する力に期待するよりも、具体的な内容をお願いするのが吉。お互いの認識にズレがでないくらいに具体的な内容を伝えてお願いしましょう。
そして2つ目。相手にお願いする前に、勝手に遠慮しないこと。
こんなことお願いしたら悪いかな。最近忙しそうだし、嫌がられるかもしれない。お願いするより自分でやった方が早いし、やっぱり今回は自分でやってしまおう。そんな風に自分ひとりでぐるぐると考えて自己完結。本当は誰かにお願いしたいのに、頼むことを遠慮してしまう。そういった経験ないでしょうか?
もちろん、お願いしても相手に断れてしまうことはあります。でも、これは相手が決めることであって、自分ではコントロール不可能な領域。
手伝ってほしいとお願いするのは、自分がコントロールできる領域なので、まずはここから。
大変そうな素振りを見せたり、疲れてため息をついたりして、相手が気づいてくれるのを待つよりも、遠慮せずに自分は今こういう状態なので、ここを手伝ってほしい、と伝えるのが先決です。
私個人の経験、そして多くのワーママのキャリア支援に関わってきた経験上、お願いしたいことを具体的に伝えると、驚くほどすんなりと相手が力を貸してくれるようになるというのはよくある話。むしろ、頼られて喜ぶ旦那さんもいるほど。
基本的に、家族は相手の幸せを願っていて、困っていることは助けたい、自分にできることは力になりたいと思っているものです。
相手を思っての遠慮が、手を差し伸べるのを遠慮させてしまっていることも。
お互い良かれと思っての行動が、逆効果の場合も意外と多いのです。
余計な遠慮は思い切って引き算し、お願いしたい内容を具体的に軽やかに相手に伝えてみてくださいね!
(文:岩橋ひかり)