離乳食で泣く7つの理由~アレルギーの可能性も?対処法も解説【管理栄養士監修】
日に日に大きくなる赤ちゃん。泣いたり笑ったり、感情表現も豊かになってきますね。離乳食を食べている時に泣く赤ちゃんは、どんな理由で泣いているのでしょう? 赤ちゃんが泣いてしまう理由や、その対処法についてみていきましょう。
離乳食で泣く7つの理由&対処法
離乳食を食べる前はご機嫌だったのに、食べ始めたら泣いてしまったりする赤ちゃん。どうして泣いてしまうのでしょう。対処法とあわせてみていきましょう。
離乳食に問題があるから?
赤ちゃんに食べさせる離乳食が熱すぎたり冷たすぎると、赤ちゃんがびっくりして泣いてしまうことがあります。また、離乳食が大きすぎる、かたくて食べにくい、食材の酸味や苦みが強く口当たりが悪い……など離乳食そのものに問題がある場合があります。
■対処法
赤ちゃんに食べさせる前に、自分の手首の内側などに少しつけてみて温度を確認したり、赤ちゃんが食べやすい形状になっているかを事前に確認してから食べさせるといいですね。
眠いから?
いつもの生活リズムと違っていたり、お昼寝のタイミングがずれたりすると、赤ちゃんは食事中に眠たくなって泣いてしまうことがあります。
■対処法
全部食べなくてもいいので、赤ちゃんに合わせて食べさせてあげましょう。食事の時間やお昼寝のタイミングを見直したり、ぐっすりお昼寝できるように部屋を暗くするなど、赤ちゃんの睡眠環境を見直すことが必要な場合もあります。
別なことがしたいから?
離乳食を食べることよりも、遊びたい、絵本を読んでほしいなど、食事に飽きて遊びたいといって泣いてしまう赤ちゃんもいます。
■対処法
遊び食べをする赤ちゃんもいるので、赤ちゃんが自分で手づかみで食べられるようなメニューを増やすこともいいですね。遊びたくて泣いてしまうときは、無理に食べさせようとはせず、次の食事やおやつで食べられなかった分が補えるといいですね。
すでにお腹がいっぱいだから?
母乳やミルクを飲んだ後や、前の食事が多かった時、おやつの量が多かった時は、赤ちゃんはお腹が空いておらず、離乳食が食べられず泣いてしまうこともあります。反対に、離乳食を食べた後でもまだ食べたいといって泣き出してしまう赤ちゃんもいます。つまり、赤ちゃんには量が足りなかったということですね。
■対処法
離乳食の目安量はあくまでも「目安」で、運動量や母乳やミルクの量なども影響します。体重が増えているなら、食べる量が赤ちゃんの適量であると考えてもいいでしょう。
食卓の雰囲気が気に入らないから?
ママやパパが急いでいたり、離乳食を食べさせることに必死になっていたり、赤ちゃんが食べないことで怒ったり不機嫌になっていると、泣いてしまって余計に食べないという悪循環に陥ることもあります。とても不思議ですが、赤ちゃんは大人の様子をとてもよく見ています。
■対処法
離乳食は食べることの練習なので、完食できなかったら母乳やミルクを足したり、おやつで栄養を補ったりすれば大丈夫。赤ちゃんに食事の楽しみが教えられるように、パパやママも肩の力を抜いて、楽しい食卓の雰囲気が作れるといいですね。
味やが好みじゃないから?
赤ちゃんにも好きなもの嫌いなものなど好みがあります。食べなれないものだと泣いて拒否するというケースもありますね。
■対処法
苦手な味のものを無理に与えるのではなく、好きな食材と一緒に混ぜてあげたり、食感を変えてみることで、食べてくれることもあります。ベビーフードも試してみると、赤ちゃんの好みを知ることもできるかもしれませんね。
赤ちゃんが体に不調を感じているから?
元気そうにしていても、口内炎ができていたり風邪のひきはじめでのどが痛くて食べられないなど、体調が悪くて泣いてしまうこともあります。
■対処法
赤ちゃんが泣き続けて離乳食をあまり食べないことが続く場合は、赤ちゃんの様子をしっかり観察し、かかりつけの小児科を受診して相談すると安心です。
気をつけたいアレルギー
離乳食で赤ちゃんが泣いてしまう理由の1つには、アレルギーも考えられます。アレルギーについて、対処法も含めてみていきましょう
赤ちゃんの食物アレルギーについて
乳児の食物アレルギーは、鶏卵・牛乳・小麦の順に多いことが分かっています。初めての食材は平日の午前中など、すぐに受診できる時間帯にひとさじからはじめましょう。
また赤ちゃんの口の周りや皮膚に腫れや赤みが出ていないか、体調に異変はないかなど、赤ちゃんの様子をしっかりと見るようにしましょう。
「泣くこと」も症状の1つ
アレルギーの症状として、じんましんや発疹がでたり、咳き込んだりゼイゼイして呼吸しにくかったり、嘔吐することがあります。これらの症状だけでなく、赤ちゃんが泣く(不機嫌になる)こともあるのです。
アレルギーが疑われるケースと対処法
離乳食を食べた赤ちゃんの様子がちょっと変だなと感じた時は、以下のような症状がないかを確認しましょう。食物アレルギーでは皮膚の症状がもっとも現れやすいとされています。
■皮膚の症状:かゆみ・じんましん・皮膚の赤み・湿疹
■呼吸器系の症状:くしゃみ・咳・喉の腫れや締め付け感・呼吸困難・呼吸をするとゼーゼー、ヒューヒューという音がする・声がかすれる・鼻水・鼻詰まり・鼻炎
■消化器系の症状:腹痛・吐き気・嘔吐・下痢・血便
これらのほか、皮膚症状や呼吸器系症状、消化器系症状など、複数のアレルギー症状が同時に起きる重篤な病態はアナフィラキシーといい、至急受診する必要があります。
赤ちゃんは言葉で伝えることができないので、全身の様子も含めて確認し、食物アレルギーの疑いがある場合は、小児科やアレルギー専門医に診てもらうようにしましょう。
赤ちゃんの食物アレルギーについて、詳しくは以下の記事を参考にしてください。
▶︎赤ちゃんが食物アレルギー反応を起こす原因と症状
泣くだけでなくどうしても離乳食を食べないケース
赤ちゃんが泣いてしまって離乳食を食べない理由はいくつかありましたが、離乳食を取り巻く環境だけでなく、赤ちゃんに原因がある場合もあります。
あまり事例としては多くありませんが、どうしても食べないという場合には摂食障害も考えられます。
乳幼児の摂食障害とは
口から食物を摂って、口の中で処理して、飲み込んで、食道から胃まで運ぶ体の機能を摂食嚥下機能と呼びますが、この機能や、消化器官の連携が正しく機能しない状態を摂食嚥下障害と言います。飲み込みがしにくい体の疾患や病気があり、食べ物がうまく咀嚼・嚥下(飲み込み)ができない赤ちゃんがいます。
まず、病気を疑うというよりも、どんな形状なら食べられるかなどをチェックできるといいですね。例えば、ペーストだったら大丈夫。ポタージュなら飲めるというように、食べられる形状があるか探ってみましょう。
無理やり食べさせようとせず専門家へ
赤ちゃんが泣いてしまって離乳食を食べないなど、それが食事の形態などによらず、どうしても食べられないといった場合には、無理に食べさせようとせず、小児科や専門医に相談してみましょう。また病気ではなさそうだけれども、なんとなく不安といったような場合には、地域の保健センターなどでも離乳食相談や育児相談があると思いますので、相談してもいいですね。
まとめ
離乳食を食べさせているときに赤ちゃんが泣くと、どうしてしまったんだろうと心配になりますよね。いくつか原因と対策がありましたが、なかなかわからないこともあります。できることから工夫していけるといいですね。
赤ちゃんもママも家族みんなが笑顔の食卓を囲めるように、ベビーフードも活用しながら、肩の力を抜いて接してみてください。普段の様子とちょっと違うなというときは、赤ちゃんの様子を確認してかかりつけの小児科に受診すると安心ですね。
(文:三浦真由美 先生、監修:川口由美子 先生)
※画像はイメージです