【医師監修】妊娠検査薬は生理予定日当日に使える? フライング検査と陽性/陰性
妊娠の可能性がある人は、1日でも早く妊娠の有無が知りたくて検査をすることがあるでしょう。妊娠検査薬は「生理予定日当日」にも使えるのでしょうか。通常の妊娠検査薬でフライング検査をした場合や、早期妊娠検査薬を使った場合の結果と対応について、人気の妊娠検査薬の紹介とともにまとめました。
- 生理予定日当日から使える妊娠検査薬もあるの?
- 「早期妊娠検査薬」なら生理予定日当日からOK!
- <おすすめ>チェックワンファスト/アラクス
- 通常タイプはいつから使えるの?
- 生理予定日の1週間後から
- <おすすめ(1)>チェックワン/アラクス
- <おすすめ(2)>クリアブルー/オムロンヘルスケア
- <おすすめ(3)>ドゥーテスト/ロート製薬
- <おすすめ(4)>ウー・マンチェック/不二ラテックス
- <おすすめ(5)>P・チェックS/ミズホメディー
- 妊娠検査薬はどんな仕組み?
- 「hCG」というホルモンに反応する
- フライング検査するとどうなるの?
- 検査の精度が下がり正確ではなくなる
- 妊娠検査薬で「陽性」/「陰性」の場合
- 通常タイプを推奨時期に使用し「陽性」
- フライング検査や早期妊娠検査薬で「陽性」
- 「陰性」だけど生理が来ない
- まとめ
生理予定日当日から使える妊娠検査薬もあるの?
「妊娠検査薬」には2つのタイプがあり、市販されているもののほとんどは通常タイプですが、さらに早く検査の出来る「早期妊娠検査薬」もあります。
「早期妊娠検査薬」なら生理予定日当日からOK!
早期妊娠検査薬は通常タイプより感度が良いので、「生理予定日当日から」使用可能です。
なぜ、このように早い時期から使用できるのかは、後半の「妊娠検査薬はどんな仕組み?」で解説します。
<おすすめ>チェックワンファスト/アラクス
海外では複数の早期妊娠検査薬が販売されており、使用開始可能な時期も製品によって異なります。日本では医薬品製造メーカー・アラクス社が早期妊娠検査薬として「チェックワンファスト」を販売しています。この製品は「生理開始予定日」から検査可能です。
使い方は簡単で、基本的に通常タイプの妊娠検査薬と同様です。薬剤の部分に尿を3秒かけるか尿に5秒浸し、1分待つだけで妊娠の有無がわかります。
なお、一般向けの医薬品は、法律でその種類によって販売方法が定められています。通常の妊娠検査薬は「第2類医薬品」に分類され、病院や薬局、ドラッグストア、インターネットなどで購入することができます。
一方、チェックワンファストは「医療用体外診断用医薬品」にあたり、薬剤師のいる薬局でしか販売されていません。また、薬剤師のいる薬局であっても取り扱いのない店舗もあるので、購入したいときには、近隣の薬局で取り扱いがあるか事前に問い合わせてみるといいですね。
通常タイプはいつから使えるの?
通常タイプの妊娠検査薬はいつから使えるのでしょうか。
生理予定日の1週間後から
通常タイプの妊娠検査薬が使用時期として推奨しているのは、「生理開始予定日の1週間後から」です。このころになれば、確実に判定できるようになるからです。
これより前に使用することも可能ですがあまりおすすめしません。その理由は、後半の「フライング検査するとどうなるの?」で解説します。
<おすすめ(1)>チェックワン/アラクス
<おすすめ(2)>クリアブルー/オムロンヘルスケア
<おすすめ(3)>ドゥーテスト/ロート製薬
<おすすめ(4)>ウー・マンチェック/不二ラテックス
<おすすめ(5)>P・チェックS/ミズホメディー
妊娠検査薬はどんな仕組み?
そもそも妊娠検査薬はどのような仕組みで妊娠の可能性を判定するのでしょうか。
「hCG」というホルモンに反応する
妊娠検査薬とは、妊娠すると尿中に排出される「hCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)」というホルモンを検出して、妊娠の有無を判定します。hCGは基本的に妊娠女性特有のホルモンなので、妊娠していない女性や男性から検出されることはありません。
妊娠検査薬は、適切な使用方法で使用すれば、基本的に99%以上の正確さでhCGを検知することができ、受診しなくても妊娠の可能性が高いかどうかを確かめることができます。
なお、hCGは受精卵が子宮に着床するとかなり早い段階から分泌され始めます。分泌量や分泌のスピードには多少個人差がありますが、最初は微量でもたいてい妊娠4週ごろには尿中に出てくるまでに増え、その後、急激に増加して妊娠10週ごろには分泌量がピークになります。
hCGが十分な濃度になる時期に使用可能になる
通常タイプの妊娠検査薬は、尿中のhCG濃度が「50IU/L(尿1L中にhCGが50IU)以上)」で陽性反応を示します。多くの人では、妊娠している場合、「生理予定日の1週間後」にはこの濃度に達しているので、そのころからの使用が推奨されているのです。
一方、「早期妊娠検査薬」は検出感度がとても高く、現在日本で流通している製品では「hCG濃度が25lU/L(尿1L中にhCGが25IU)以上」しかなくてもhCGを検出可能です。そのため、使用できる時期が通常の妊娠検査薬より早く、「生理開始予定日当日」から検査できるのです。
妊活中の女性や、生理周期はいつも順調なのに開始予定日を過ぎても生理が来ない、というとき、妊娠検査薬を使ってみると妊娠しているかどうかが受診しなくても調べられるわけです。
フライング検査するとどうなるの?
妊娠検査薬は、採尿部に尿をかけたり浸したりして使うだけなので、推奨される時期より前に使ってみることは可能です。ただ、その場合には正確な判定が出なくなる心配があります。
検査の精度が下がり正確ではなくなる
さきほど説明したとおり、妊娠検査薬も早期妊娠検査薬も、使用可能な時期が決まっているのは、推奨時期にはその検査薬が検出するのに十分なhCG濃度になっているはずで、確実に正しい判定が出るからです。
ところが、フライング検査をしてしまうと、hCGがまだ十分な濃度に達していないために、「判定線が薄い」などはっきりした反応が出なかったり、ときには「妊娠しているのに陰性」になるなど、正しい結果が得られなくなってしまうのです。ですからやはり、妊娠検査薬は推奨されている適切な時期に使用することが大切です。
妊娠検査薬で「陽性」/「陰性」の場合
妊娠の可能性を確かめたくて妊娠検査薬を使ったとき、検査薬の種類や結果によって対応が多少違ってきます。それぞれのケースについて、どうしたらいいのかを知っておきましょう。
通常タイプを推奨時期に使用し「陽性」
日本で市販されている妊娠検査薬はどれも、正しく使えば妊娠している場合は99%以上の高い精度で陽性の判定が出ます。
推奨されている時期に正しい使用方法で検査をし、判定線がはっきり判定窓に確認できたなら、妊娠している可能性がかなり高いと思ってよいでしょう。その場合はできるだけ早めに産婦人科を受診し、医師に妊娠していることを確定してもらってくださいね。
フライング検査や早期妊娠検査薬で「陽性」
早期妊娠検査薬を「生理開始予定日当日」以降に使って判定が陽性だったときには、やはり妊娠している可能性はかなり高いと考えてよいでしょう。
通常の妊娠検査薬も、hCGを検出しないと陽性反応は出ませんから、フライング検査でもはっきりと判定線が確認できるなら、妊娠している可能性は高いです。
1週間後に再検査して陽性なら受診
ただ、どちらの場合も検査時期が早いので、陽性が出てすぐに受診しても赤ちゃんがまだ小さすぎて超音波(エコー)検査で妊娠を確定できない可能性があります。
この場合は、体調の異変など心配になるようなことがないなら、生理開始予定日の翌週に再検査をし、再び陽性になることを確認してから受診して、妊娠を確定してもらうと良いでしょう。何か心配なことがあるならすぐ受診しても構いません。
再検査で陰性だったら
「再検査の結果が陰性」だった場合には、最初の検査結果があいまいだったのを陽性と判断してしまったのかもしれません。また、一度妊娠検査薬で陽性が出たあと流産してしまう「化学流産(生化学的妊娠)」が起きた可能性もあります。
再検査で陰性にもかかわらず生理が全然来ないなら、やはりあまり放っておかずに受診して、体に何か異常がないか調べてもらいましょう。
無月経の状態を何ヶ月間も放置すると、その期間が長引くほど自然に生理が再開する可能性が低くなり、妊娠を望んでもしにくくなってしまいます。3ヶ月間生理が来ないことがあったら、早めに受診して原因を確かめてもらうことが必要です。
「陰性」だけど生理が来ない
妊娠検査薬で正しい判定が出るのは、適切な時期に正しく使った場合です。検査の時期ややり方などが不適切な場合は、検査結果が間違っている可能性もあります。とくに検査時期が推奨されているころより早すぎると、実は「妊娠しているのに陰性」と判定されることもあります。
陰性なのに生理が来ないなら、やはり1週間後にもう一度検査をしてみましょう。それではっきりと陽性の判定が出たなら、妊娠している可能性が高いので産婦人科を受診してください。
1週間後に再度検査してやはり陰性だった場合は、さきほど解説した「再検査で陰性だったら」を参考にしてください。
まとめ
妊娠の可能性を知りたいときには、少しでも早く結果が得られるように検査も早めにしたくなりますね。早い時期から検査が可能な早期妊娠検査薬を使う方法もありますが、購入できる場所が限られるため、手軽に買える通常の妊娠検査薬でフライング検査をしてしまう人もいるでしょう。
推奨時期より早く検査したとしても、はっきりした陽性反応を示したなら妊娠の可能性は高くなります。ただ、陰性の場合は本当に妊娠していないかはその検査結果からだけではわかりません。適切な時期にもう一度検査してみる必要があります。いずれにしても妊娠検査薬は事前に説明書をよく読んで、使い方を十分に理解してから正しく使用するのが大切です。
(文:村田弥生/監修:窪麻由美 先生)
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※この記事は、マイナビウーマン子育て編集部の企画編集により制作し、医師の監修を経た上で掲載しました
※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます