【医師監修】着床出血が生理並みだった!<体験談>時期や色、その他の症状は?
妊娠成立するころ、起こることがあるという「着床出血」。今回は、妊娠したとき着床出血があったかどうか、とくに「生理並み」の出血があった人はいるのかを調べてみました。併せて、着床出血があった時期や色などについても聞きました。
<体験談>生理並みの着床出血があった!
妊娠するとき、起こることがあるという「着床出血」。まずは、どのくらいの人が経験しているのか聞いてみました。
着床出血はどのくらいの人が経験した?
妊娠した時、「着床出血」はありましたか?
妊娠経験のある381人の回答結果を集計したところ、「約30%の人が着床出血を経験していた」という結果になりました。
着床出血とは?
着床出血は、受精卵が子宮に「着床(子宮内膜にくっついて潜り込んでいくこと)」するときに見られることがある出血のことです。月経様出血と呼ばれることもあります。
これは妊娠した人全員に起こるわけではなく、妊娠した女性のなかでも8~25%程度にしか見られないとされています[*1]。また、着床出血には以下のような特徴があるとされています[*2]。
着床出血の特徴
・起こる時期:「生理予定日、またはその数日前」ごろ。「排卵後の1~2週間ごろ」と言い換えることもできます
・出血する期間:生理より短く、「数時間~最長でも3日間程度」のことが多い
・色:おりものに少量の血液が混じったような「淡いピンク」や「濃い茶色(さび色)」で、生理のような「鮮紅色や暗赤色」ではないことが多い
・量:出血というほどの量はなく、トイレで拭いた時や下着などに「ピンクや茶色の分泌物が少しつく程度」のことが多い
・性状:生理と違い、「血の塊がない」ことが多い
このように、着床出血では生理ほど出血せず、血液の量が多くないのでピンク色などに見えるとよく言われるのですが、個人差が大きいので上記の特徴に当てはまらないことももちろんあります。
実際、妊娠したときに着床出血と思われるものがあった人に、どのくらいの量や色だったか聞いてみました。
生理並みの出血量があった人
少量の赤い血液だった人
茶色や黒っぽかった人
ピンク色だった人
<体験談>着床出血があったのはいつごろ?期間は?
妊娠成立したら起こることがあると聞くと、いったいいつごろ起こるものなのかも気になりますね。着床出血が起こった時期についても聞いてみました。
生理予定日より前?予定日ごろ?後??
着床出血があったのはいつごろですか?
最初に、着床出血の特徴で「生理予定日、またはその数日前」ごろに起こると言われていることを解説しましたが、やはり、今回の調査でも「生理予定日より前」に起こった人が約3割でもっとも多い結果でした。
着床出血はどのくらい続きましたか
また、どのくらいの期間、続いたかも聞きました。
着床出血はどのくらい続きましたか?
着床出血が続いた期間は「1日または1度だけ」が最多で、次に多かったのは「2~3日」でした。やはり、通常の生理より短い期間の人が多いということは言えそうです。ごく少量で期間も短いことから印象に残らず、あまり覚えていない人も多かったのかもしれません。
<体験談>着床出血があった時期と期間
生理予定日より前にあった
生理予定日ごろにあった
生理予定日より後にあった
<体験談>着床出血の色・痛みの有無・その他の症状
着床出血が起こったとき、出血以外に何か症状があったかも聞きました。
出血以外の症状は「なかった/覚えていない」が多かった
着床出血があったとき、腹痛などほかの症状はありましたか?
着床出血があったとき、出血以外の「気になる症状はなかった/覚えていない」人が7割近くで最多でした。何か症状があった人では、腹痛やお腹の張り、違和感などを覚えた人がもっとも多いという結果でした。
<体験談>着床出血があったときの症状
何か症状があった場合、具体的にどんなものだったのか、回答の一部を紹介します。
◆アンケート情報 2021年9月23日~2021年9月30日 調査対象:マイナビニュース会員、既婚女性 調査数:381名の結果から抜粋
調査方法:インターネットログイン式アンケート
※マイナビニュース会員とは、Tポイントが貯まるアンケートやキャンペーンの参加、メールマガジンの購読などができる「マイナビニュース」の会員サービスです。(https://news.mynavi.jp/lp/2018/present/present/register_campaign/)
※ここで紹介した方法と結果は、個人の体験によるものです。記載の方法を推奨したり、結果を保証するものではありません。
着床出血があったらどうすればいい?
排卵日の予想をつけて性交し、いまかいまかと待っていたら「着床出血」のようなものがあった! そんなとき、どうしたかよいかを解説します。
妊娠検査薬を使ってみる
「生理予定日以降」なら早期妊娠検査薬、「生理予定日の1週間後以降」なら通常タイプの妊娠検査薬を使ってみましょう。早期妊娠検査薬を使ってみたい場合は、どこにでも売っているものではないので、事前に近くのドラッグストアや調剤薬局に問い合わせてから買いに行くのをお勧めします。
なお、それぞれ尿を検査薬にかけるだけなので推奨時期より早く使う(フライング検査)こともできますが、早すぎる時期に検査すると検査の正確性が下がります。フライング検査についてくわしくは、下記の記事を参照してください。
検査薬陽性なら受診する
妊娠検査薬を使ってみて「陽性」だったら、産婦人科を受診して超音波検査を受け、妊娠を確定してもらいましょう。
生理予定日1週間後ごろに受診するとスムーズ
ただ、着床出血があってすぐ検査し陽性だった場合は、時期が早すぎて超音波検査でも妊娠確定できないことがあります。出血や腹痛など、気になる症状がないのであれば、「生理予定日の1週間後ごろ」に受診すると良いでしょう。
もちろん、心配だったり不安だったりする場合はすぐに受診しても構いません。超音波検査で妊娠が確定できる時期について、くわしくは下記の記事を参照してください。
着床出血はあったが「陰性」の場合
着床出血のようなものがあって「陰性」だった場合は、2つの可能性が考えられます。
(1)妊娠しているが、妊娠検査薬を「使った時期が早すぎる」などで陰性になっている
(2)妊娠していない(着床出血ではなく生理だった可能性)
(2)の場合は引き続き妊活にチャレンジしてほしいのですが、(1)の可能性もあるので「1週間後に再度妊娠検査薬を使う」ことをお勧めします。再検査で「陽性」となったら受診しましょう。
ひどい出血・腹痛がある場合はすぐに受診
なお、妊娠検査薬で陽性が出たら、産婦人科を受診するのが大切なのは「異所性妊娠(子宮外妊娠)」の可能性もあるからです。
異所性妊娠は、受精卵が卵管や卵巣、腹腔、子宮頸管などに着床してしまうことで、すべての妊娠の約1~2% の割合で起こります[*3]。この場合、放っておくと不適切な場所で受精卵が成長することにより卵管破裂などを起こして、お腹の中で大出血する危険があります。
異所性妊娠の場合、妊娠6週以降になると卵管破裂などを起こすことが増えてくると言われています[*3]。妊娠の可能性がある人や妊娠検査薬陽性の人で、超音波検査を受ける前にひどい出血や腹痛が起こったら、すぐに医療機関を受診してください。
まとめ
今回は、いろいろな噂があって気になる「着床出血」について、具体的にどんなものだったのかを経験者に聞いてみました。通常、出血は軽めと言われる着床出血ですが、個人差が大きいことなので、中には生理並みの出血が見られた人もいるようです。
ただし、ストレスやダイエットなどの影響で、生理の時期や量に変化がみられるのはよくあること。そのため、着床出血に見えて実は軽めの生理だったということもあり得ます。
着床出血の有無や量などで妊娠の可能性を知ることはできないので、気になる人は適切な時期に妊娠検査薬を使ってみてくださいね。
(文:マイナビ子育て編集部/監修:齊藤英和 先生)
※画像はイメージです
[*1]池ノ上克ほか「NEWエッセンシャル産科学・婦人科学」(医歯薬出版)p.327
[*2]American Pregnancy Association: What is Implantation Bleeding?
[*3]『病気が見えるvol.10 産科』メディックメディア
※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます