妊娠 妊娠
2022年12月19日 15:17 更新

【医師監修】妊娠初期はおりものが減る?少ないのはなぜ?要注意なおりもの

妊娠初期の中でも妊娠のかなり早い段階のことを、俗に「妊娠超初期」と呼びます。「妊娠中はおりものが増える」と聞くことがありますが、「ということは、おりものが少ないと妊娠していないということ?」と不安に思う人がいるかもしれません。「妊娠超初期〜初期におりものが少ない」ことはあるのでしょうか。早速見ていきましょう。

妊娠超初期〜妊娠初期におりものが減る・少ないことはあるの?

「妊娠超初期なのにおりものが少ない」ということはあるの?について考える女性
(イラスト:いわたま)

生理予定日より前は、妊娠していた場合「妊娠3週まで」に当たります。妊娠初期の中でも、このころを指して、一般的に「妊娠超初期」と呼ぶことがあります。

妊娠検査薬を使うには早すぎる時期だけに、妊娠の兆候が現れていないか、体調のちょっとした変化にも敏感になるころです。

「妊娠するとおりものは増える」とよく聞きますが、妊娠超初期に当たるころ、おりものが少ないと妊娠している可能性はないのでしょうか。

妊娠超初期の時期ならば、減ることもある

一般的に、「妊娠するとおりものは増える」傾向にあると言われています。その原因は、妊娠すると女性ホルモンの一種である「エストロゲン」の分泌量が増え、その影響で子宮頸管から分泌される粘液の量が増えると言われているからです。

でも、妊娠超初期に当たるころ、おりものが増えない、むしろ普段より減ったと感じる人もいるようです。

エストロゲンがまだそれほど増えていない可能性

このあと詳しく解説しますが、おりものは非妊娠時も生理周期とともに変化しています。妊娠超初期は、非妊娠時の生理周期で考えると、一般的にはおりものの量が少なめになる時期に当たります。

妊娠するとそこからエストロゲンの分泌量が増加し、それによっておりものが増えていくわけですが、妊娠超初期のころはまだそれほどエストロゲンの分泌量は増えないことが多いようです。

そのため、妊娠超初期にいったんおりものの量が減ってもおかしくはありません

「おりものの量が少ないから妊娠していない」とは言えない

そもそもおりものの量は、その人の女性ホルモンの分泌具合や性器のつくりによっても影響されるので、人それぞれです。

つまり、「妊娠超初期だけれどおりものが少ない」ということがあってもとくに不思議ではなく、「おりものが少ないから妊娠していない」とは言えないということです。

妊娠した時の「おりもの」の特徴

トイレに座る女性
Lazy dummy

妊娠時によくあるとされるおりものの変化について、もう少しくわしくみていきましょう。

妊娠時のおりものの特徴

妊娠すると、おりものには、以下のような特徴が出てくるとよく言われます。

量:だんだん多くなる
質感:水っぽくなる

「着床出血」で色がつくことも

妊娠超初期に起こることがある「着床出血」によって、おりものに色がつくこともあります。この場合、出血とはいっても出血量はごく少ないことが多いので、おりものに血が混じって「ピンク色」や「茶色」に見えることがあるのです。

着床出血は妊娠すると必ず起こるものではありませんが、ある場合は「生理予定日かそれより数日前から」起こると言われています。

妊娠していないときの「おりもの」の状態変化

生理用ナプキンのイメージ
Lazy dummy

おりものは、そもそも生理周期に伴う女性ホルモンの変化により、妊娠していない時も量と質感が日々変化しています。一般的には、以下のような変化がみられると言われています。

生理直後~排卵直前まで(卵胞期の前半)

おりものの量はもっとも少なく、質感も比較的サラッとしています。

排卵の直前・直後

排卵期になると、精子が腟から子宮内へと移動するのを助けるため、おりものの量はもっとも多くなります。色は無色透明に近くなり、とろみがあってよく伸びる質感になります。

排卵後~生理直前まで

量が徐々に減るとともに、透明から白っぽい不透明な色へと変わっていきます。また、粘り気が強く、あまり伸びない質感になります。

女性ホルモンとおりものの質・量の変化について説明している画像
女性ホルモンとおりものの質・量の変化

なお、おりものの変化は個人差が大きいので、上記はあくまで傾向であり、万人にあてはまるものではありません。また、同じ人でもそのときの体調によって異なることもあります。

こんなおりものには要注意!

おりものが変化するのは普通のことですが、なかには注意が必要なおりものもあります。

妊娠の有無に関係なく、下記のような状態や色・においのおりものが続いたり、腟にかゆみや痛みがある場合は治療が必要なこともあるので、医療機関を受診してください。

・カッテージチーズや酒粕のように白くてポロポロしている
・黄色や黄緑色で悪臭がする
・灰色がかった白で悪臭がある
・濃い黄色や緑色で、頻尿や排尿時に違和感や痛みがある

「おりもの」以外の妊娠超初期症状

吐き気がある女性

妊娠超初期は、おりもの以外にも体調の変化に敏感になりますね。このころ妊娠によって現れることがある症状についても紹介します。

・おりものの増加
・乳房の張りや痛み
・吐き気やおう吐(つわり)
・食欲や味覚・嗅覚の変化
・頻尿
便秘、おならがよく出る
眠い、だるい
・微熱がある、熱っぽい
・むくみ
・気持ちが沈む
・頭痛、めまい
腰痛


ただし、いずれも妊娠していない場合でも「生理前の不調(PMS。月経前症候群)」として感じることもある症状です。妊娠しているかどうか確実に知るには、適切な時期に妊娠検査薬を使いましょう。

まとめ

妊娠のイメージ
Lazy dummy

ここでは「妊娠超初期〜妊娠初期におりものが少ないことはあるのかどうか」について解説しました。基本的に「妊娠中はおりものが増える」とよく言われますが、おりものの量や質はもともと個人差が大きく、また、妊娠超初期は妊娠のかなり早い段階なため、このころにおりものが少なくても不思議ではありません。

妊娠超初期は、外からはまだ妊娠したかどうかほとんどわかりませんが、お腹の中では新たな命がちょうど息づき始める時期。奇跡が起こる瞬間が知りたくてつい焦ってしまいますが、体調のわずかな変化に一喜一憂するのではなく、適切な時期に妊娠検査薬を使ってみましょう。

(文:マイナビ子育て編集部/監修:宋美玄先生)

※画像はイメージです

※この記事は、マイナビ子育て編集部の企画編集により制作し、医師の監修を経た上で掲載しました

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます

PICK UP -PR-

関連記事 RELATED ARTICLE

新着記事 LATEST ARTICLE

PICK UP -PR-