バタバタからの解放! 共働き家庭が夫婦で実践している朝のルーティン7選 #渡邊大地の令和的ワーパパ道 Vol.17
『産後が始まった! 夫による、産後のリアル妻レポート』『夫婦のミゾが埋まらない 産後にすれ違う男女を変えるパートナーシップ学』(ともにKADOKAWA)など、夫婦のパートナーシップをテーマにした著書が話題の渡邊大地さんによる新連載! 令和における新たなワーパパ像を、読者のみなさんとともに考えます。
長女(小3)がぼくに、「すね毛をダツモーしろ」と迫ってきます。「なんでだよ、すね毛の何が悪いんだよ」と問うても、「見ぐるしいから、そって」という的を射ない返答です。
すね毛をわざわざ剃るだなんて、アイドルでもあるまいし、そんな必要あると思いますか? だいたい、ぼくはほとんど長ズボンをはいていますから、すね毛なんて家族以外に見られることはありません。
にもかかわらず、お風呂に入る前後に「パパのすね毛が見えるのがいやだ」とか言いやがります。何を言ってやがんだ、と憤っていたところ、先日、中2男子を子育て中の友人から、「息子は毎晩お風呂で腕や脚の毛を剃っている」という話を聞きました。クラスで剃っていない男子はいないとのことで(本人談)、しかも剃っているくせに、腕や脚を見られたくないから、夏でも長袖で登校し、体育の時間も長袖・長ズボンのジャージなんだとか。
うちの長男(小6)もそうなるんですかねえ。そして、娘たちがいずれ付き合うであろう彼氏も、みんなツルツルなのかなあ。
皆さん、こんにちは。渡邊大地です。今回も、「ワーパパ」とは何たるかを一緒に考えていきましょう!
朝のバタバタをなくすために
仕事をする上でもありますよね、面倒な仕事は頭が冴えている午前中に済ませるとか、社内のメールは3行で済ませるとか。そうやって作業をルール化して、良い結果につなげることを、家庭でもしていますか? という話です。
家庭内ルーティンにもいろいろとあると思いますが、「お迎え後のルーティン」は第6回目で少し触れたので、今回は時間がなくてバタバタしがちな「平日朝のルーティン」を、次回は「土日のルーティン」をテーマにしてみたいと思います。
朝のルーティン……その前に!
早速、パパたちに質問です。
ぼくは妊娠中や子育て中の夫婦に向けた講座の講師をしているのですが、その講座でママたちに「パパに対して、“自分でしてほしい”と思っていることは何ですか?」と尋ねると、どんな答えが出ると思いますか? この仕事を10年していますが、ここ10年でこの質問に対する回答のベスト3は、ほぼ不動と言っていいと思います。
一つは、「ハサミや爪切りなどの場所を毎回“アレ、どこだっけ?”と聞かないで、覚えてほしい」というやつ。まあ、気持ちは分かります……。我が家の長男もそうなので。
二つ目が、「脱いだものをそのへんに投げっぱなしにしないで、洗濯かごに入れてほしい」。これもまあ、分かりますよ、我が家の長男もそうなので。
そして三つ目が、「朝、自分で起きてほしい」です。これもね、うちの長男と……って、小6レベルのパパがそれほど多いということ!?
パパが自分で起きられないのも心配だけど、それ以上に、「夫が、何度起こしても起きなかったのに、寝坊すると私のせいにするんです」、という妻側の声をときどき耳にします。
そういうことでは、「朝のルーティン」の話が進みません。
今から、共働き中のワーママ・ワーパパに聞いた「朝のルーティン」を紹介していきますが、その大前提として、「朝、パパは自分で起きる」っていうのがありますので、そこんところヨロシク!
共働き夫婦が実践している、朝のルーティン7選
それでは、未就学児がいる共働き夫婦の「時間有効活用」のための朝のルーティンを紹介していきます! ぼくの知り合いからリサーチしたものを多かった順に紹介しますので、上位にあるものほど、パパが着手しやすいものだと考えていただければと思います。
(1)ネットニュースやSNSは別の時間にする
朝起きてから、ついダラダラとネットニュースやSNSチェックをして時間を費やしてしまうことってありませんか? 今回リサーチしたなかでも、かなり多くの家庭で、「朝はスマホチェックをしない、と夫婦で決めた」という意見がありました。よく考えてみると、“今日の天気”以外で、そこまで一刻を争うようなスマホチェックって、実はほとんどないのではないでしょうか(もちろん、人によっては業務上どうしても必要な株価・ニュースチェックの作業はあると思いますが)。
考えようによっては、今我慢するだけでこの後グッと余裕が生まれる、超簡単なルーティンだと言えます。もし可能なら、朝のスマホチェックは、通勤時間か、早起きしたひとり時間に行うかに移動してみましょう。
(2)保育園送迎担当は、明日の持ち物の準備もする
これは正確に言うと、朝の時間を確保するために前日からやっておくルーティンです。子どもを保育園に送っていく担当はパパ、というご家庭は多いかと思います。ここからステップアップして、「前日の保育園準備もパパが担当する」というルールで成功しているご夫婦がいました。
朝自宅を出る際、送迎担当は保育園に持っていく荷物を把握していないといけないので、前日の保育園の準備もその担当がしてしまうほうが効率的です。専任性になることで、パパとママとの間で「あれ持った?」「これがない!」というやり取りがなくなり、忘れ物が減る確率もアップ。起床してから玄関を出るまでが、少しだけスムーズになります。
(3)子どもの服は前日までに決めておく
これも(2)同様、前日から仕込んでおくタイプのルーティンです。特にイヤイヤ期の子どもだと、朝のお着替え時に「これはやだ」「これじゃない」でかなりのタイムロスがあります。そこで前日の夜に、翌朝の着替えを子どもに選んでおいてもらう、というものです。
この方法で、朝の着替えがかなりスムーズになったそうですよ。さらにステップアップして、当日子どもが「イヤ」と言い出したときの予備として、その他にいくつかコーディネートを用意しておく、というパパもいました。
(4)朝の洗濯は1回にする
共働き夫婦に話を聞くと、乾燥機付き洗濯機を使っているご家庭も多いと思いますが、我が家も含めそうでないご家庭もまだまだいらっしゃるようです。
子どもがいるとどうしても洗濯物の量が多いので、一日1回洗濯機を回すだけでは済まないケースもありますが、朝2回も洗濯するのは時間がなくてバタバタ。そこで、「夜はパパ担当、朝はママ担当」と分担して、夜のうちに1回洗濯をしておき、朝の洗濯の回数を減らすことで朝のタスクを減らし、スムーズにしているご家庭がありました。我が家もこれです。
部屋干しの場合、大量の洗濯物を一気に干してしまうと乾きが悪いので、翌朝1回の洗濯で済むくらいの量を残して、残りは前の晩に回しておきます。夜にはタオル、パンツ、靴下のほかに、女性の下着など外に干さないものを中心に洗っています。
我が家では、ぼくがお風呂に入る前に洗濯機を回して、入浴後に干す、という流れになっています。
(5)朝食は決めておくか、子どもに選ばせる
朝食の献立を考えるのに時間を使うのはもったいないですよね。献立は毎日同じ、または「月・水はパン」とか、「月・水・金は卵焼き、その他はウィンナー」といったように曜日によって決めている、というご家庭も多いと思います。僕が話を聞いたご夫婦のなかには、「パンの日はパパが準備する」というように決めているケースもありました。
また、子どもが朝食をなかなか食べてくれないという家庭では、簡単にできる料理をあらかじめ決めておき、子どもに「卵焼きか、ウィンナーか、ミートボールのなかでどれが食べたい?」と選択肢を提示する、という家庭がありました。複数のなかから選ばせることで、子ども自身の食べる意欲がグッと上がるそうです。
ただ、兄弟がいる場合は意見が分かれると逆に大変なので、包丁や調理器具を使わない料理(バナナやみかんなどの果物、ヨーグルト、魚肉ソーセージ、シリアルなど)にしたり、前日のみそ汁を多めに作っておいたりするだけでも時短になります。
(6)朝食を2部制にする
「朝食は家族全員で食べたい」と願う家庭は多いと思いますが、ある夫婦は、それを実現しようとするがために朝バタバタとしてしまい、結果それが家族のストレスになっている、と気付きました。
そのため、あえて朝食を2部制にしたんだそうです。パパが先に朝食を済ませ(その間ママは洗濯など家事をする)、その後にママと起きてきた子どもが朝食(そのときパパは子どもの食事の補助)を取るようにしたことで、ストレスが激減。
このルーティンを実践しているパパからは、「食事中に子どもがぐずるとイラっとしてしまっていたのですが、自分が食事を終えてから子どもに食べさせるようになったら、余裕を持って子どもに接することができるようになったため、イラっとすることがなくなりました」という感想。
「絶対に朝食は家族全員で」というこだわりを一度手放し、「家族全員で食事をするのは、早く帰れた平日か休日のどれかにする」とルールを緩めたことが、最終的にはよかったようです。
(7)子どもを起こす前に家事を済ませる
子どもが起きたあとだと何かと家事が滞ってしまうので、起こす前に家事やパパ・ママの身支度を済ませ、子どもが起きたら食事と着替えだけでいいようにしておく、という意見もありました。
親自身の生活を朝型に変える必要がありますが、これができるようになると朝から家事がはかどり、慣れてきたら夕飯の用意までできるようになるので、帰宅後もスムーズになるそうです。
朝のルーティンは夫婦で取り組んでこそ!
以上、7種類の朝のルーティンを紹介しました。前日までに保育園の準備をしておくとか、夜のうちに洗濯をしておくなど、今回紹介したものはママ達にとってはさほど目新しいものではないと思います。
ですが、それを夫婦で協力してやっているかというと、どうでしょうか。ママにとってはルーティンだけど、パパはよく知らなかった、ということはよくあります。「そんなのあとにしてよ!」「今ごろそんなことやってないでよ!」「少しは手伝ってよ!」って言われるのはイヤですが、それを言う方はもっとイヤですよね。共働きしているからこそ、お互いにその時間の重要性がわかっているわけですから、ふたりで協力して、毎日少しずつでも「心の余裕」を得られるようにしていきたいですよね。家庭のルーティンは、ぜひ夫婦で取り組んでみてください。
次回は、共働き夫婦向け「土日のルーティン」を紹介したいと思います!
今回のまとめ
(文:渡邊大地、イラスト:村澤 綾香、編集:マイナビ子育て編集部)