藤色(ふじいろ)とは?~日本の伝統色 Japanese Traditional Colors~
【藤色(ふじいろ・ふぢいろ)】とは、藤の花のような薄い紫色のことです。日本の伝統色である【藤色】にどのような由来があって、どのように愛されてきたのか、子どもにそのまま教えてあげられるよう、やさしい言葉で解説します。海外の方に英語で説明できるよう、英語での解説も紹介しています。
【藤色】とは?
藤色とは、藤の花のような薄い紫色のことです。
色の名前 | 藤 色 |
読み方 | ふじいろ Fuji-iro |
英語 | light purple, mauve |
WEBカラーコード | #c0afd5 |
CMYK | C=28/M=33/Y=0/K=0 |
RGB | R=192/G=175/B=213 |
【藤色】の意味と由来は?
【藤色】は、薄い紫色、淡く青みがかった紫色のこと。名前の由来はもちろん、春の終わりから夏のはじめにかけて咲く、藤の花の色です。
日本古来から愛されてきた【藤色】ですが、とりわけ平安時代の貴族にとって、【藤色】は特別な色でした。藤は、ただ花が美しいだけでなく、強くて、寿命も長い植物。平安貴族たちはそんな藤を、尊いこと、栄えることの象徴として見ていたようです。
平安貴族の代表ともいえる藤原氏の姓には「藤」の字が入っていますし、家紋も「しだれ藤」。藤色の衣を身に着けることは、きっと誇らしく、周囲が憧れるような行為だったのでしょうね。
【藤色】に関連する色
【藤色】に合う色は?
藤 色 ふじ いろ |
萌黄色 もえぎいろ |
古い言葉で「藤(ふぢ)」とは、色の名前であると同時に、着物を重ねて着るときの色と色の組み合わせのパターン「襲(かさね)」の名前でもありました。
「藤襲(ふぢがさね)」とは、表が薄紫、裏が青または萌黄の配色のことをいいます。藤の花の咲く季節、遅い春から初夏にかけて、昔の日本人は、藤の花を連想させるこの色の組み合わせを楽しんだんですよ。
A traditional Japanese color "藤 Fu-ji" is...
A traditional Japanese color "藤 Fu-ji -means wisteria flower-" is a light purple color. The origin of the name is, of course, the color of wisteria flowers, which are in full bloom from the end of spring to the beginning of summer in Japan.
Wisteria has been loved since ancient times in Japan, but especially for the aristocrats of the Heian period (794-1185), wisteria was a special color. Wisteria is not only a beautiful flower, but also a strong and long-lived plant. It seems that the Heian aristocrats saw wisteria as a symbol of nobility and prosperity.
The family name of the Fujiwara clan, the representative of the Heian aristocracy, includes the character for "wisteria," and the family crest is "weeping wisteria". Wearing a wisteria-colored robe must have been an act of pride and something that people around you would admire.
まとめ
日本で古くから愛されてきた【藤色】。初夏に藤の花を見かけたら、ぜひお子さんに、藤の花と色について、話してあげてくださいね。
(マイナビ子育て編集部)
・『色名がわかる辞典』(講談社)
・『366日 日本の美しい色』(三才ブックス)
・『くらしを彩る 日本の伝統色事典』(マイナビ)