【初マタ出産記】Vol.10 ストッキングを切断!? 歩くのすらしんどく、理想とは違った妊婦生活 ~竹下さんの場合~
妊娠・出産は一大イベント。特に初マタだと夫や家族への報告、妊婦検診、職場への報告や引き継ぎ、産前の準備などなど、初めてのことで大忙しです。 妊娠出産は人それぞれといいますが、それでも先輩ママたちの経験を聞くと心強いもの。本連載では働く「初マタママ」の妊娠から出産までの体験記をご紹介します!
今月の初マタママのプロフィール
竹下恵美さん(仮名/38歳/商社/2歳の女の子のママ)
2019年に妊娠・出産。産前は人事部で研修の企画・運営等を行う。現在は育休から復帰してフルタイム勤務。
【妊娠初期】げっぷに悩まされた日々
体調
妊娠発覚時は、とにかく熱っぽくて風邪をひいたような体調が続いていました。会社を休むほどではないけれどもダルくて、帰宅したら横になるという毎日。その体調の変化で妊娠に気がつきました。
つわりはひどくはありませんでしたが、胸やけを常にしているような気持ち悪さがありました。実際に嘔吐するようなことは少なかったのですが、常に吐き気があり、地味にツラかったのを覚えています。
仕事
<会社への報告>
9週目の診察を終え、安心できた段階で会社に妊娠報告をしました。引継ぎのことを考えると、安定期まで待てないと感じたからです。上司への報告は初めてのことだったので緊張しましたが「おめでとう」と言ってもらえて安心しました。同僚や上司は理解をしてくれていたので、仕事について悩んだことはありません。しかし、仕事がかなり忙しく、周りが残業しているなかで自分だけ離脱することを申し訳なく感じました。
<職場での悩み>
幸いにも会社を休むほどのひどいつわりに悩まされなかったのですが、困ったのが「げっぷ」です。逆流性食道炎気味だったので、勤務中にげっぷをしたくなってしまうことがあり、そのようなときは急いでトイレに駆け込みました。また、大きなげっぷをしてしまうこともあるので女性用トイレでも音が聞こえるのではと気になってしまい、最終的には会社のビルの地下にあるトイレにまで毎回行っていました(笑)。
プライベート
最初はひとりで診察しに行ったのですが、夫は私からの連絡がくるまでずっと緊張してスマホを握りしめていたそうです。妊娠がわかったときは戸惑いの方が大きかったのですが、夫に報告したときにとても喜んでくれ、そこで初めて私にもうれしいと思う気持ちがわいてきました。
妊娠確定後は、2週間に一度の検診が待ち遠しくて仕方ありませんでした。まだ胎動もない時期のため、ちゃんと元気でいてくれているか心配で、「やっと7週、やっと8週」とカレンダーを毎日眺めてカウントしていました。とにかく妊娠初期は常にソワソワして心配をしていた気がします。
【妊娠中期】性別発覚! 洋服選びが楽しい
体調
つわりもなくなり、ごはんもおいしく食べられるようになりました。太りすぎないように気をつけてはいましたが、コーヒーは大好きなので1日1杯は必ず飲んでいました。
また、体調は安定していたのですが、少しずつお腹が出てきて腰痛のマイナートラブルが出始めました。立ちっぱなしはキツかった記憶があります。マタニティーガードルをはいて、できるだけ腰を安定させるようにしていました。おかげで少し楽になったようです。
仕事
このころにちょうど歩き回ったり、体力を使ったりする仕事があったのですが、上司・同僚に配慮してもらっています。とはいえ、体調に問題はなかったので、ほかの部分は妊娠前と特に変わらず働いていました。お腹が少しずつ出始めていたので、締め付けのないワンピースばかり着ていました。
プライベート
体調がよく、暖かい時期でもあったため、お出かけは体調が許す限り積極的にしていました。また安定期に入ったので、仕事関係の方や友人にも妊娠報告を徐々に行いました。
<性別が発覚!>
24週で性別が確定しましたが、当時はまだ育児グッズを揃えていません。正直なところ性別はどちらでもいいと思ってはいたのですが、女の子とわかってからは洋服を選ぶのが楽しみになりました。着せたい服をネットで探す日々。自分では絶対に着ないような、リボンなどが付いている女の子らしいデザインのものを買いました。
夫は男兄弟だったので、女の子が生まれると聞いてとても喜んでいました。
【妊娠後期】歩くことすらつらく、産休後は家でゴロゴロ映画三昧
体調
子宮が大きくなるにつれて胃が圧迫され、つわり時期のような胸やけが復活。それに加え、体が重くなったことによる肩こり、腰痛などの症状が出てきて、徐々に動くのがしんどくなってきました。つわりの時期よりも体調が悪かったかもしれません。
体が痛かったので、週に1度はマタニティ整体に通っていました。通った日は楽になるのですが持続せず、「こればかりは産むまでの辛抱!」と我慢したのを覚えています。
仕事
歩くのすらしんどかったので出勤が億劫になり、産休入りを指折り数える毎日でした。幸いお腹の張りやトラブルはなかったので、何とか産休まで勤務を続けることができました。仕事はチームで行う形態のため、引継ぎもそれほど必要なく、非常にありがたい環境でした。仕事を属人的にしないことの大切さを、このとき特に痛感した覚えがあります。
また、このころは真夏だったこともあり、妊婦でも着れるワンピースを3着ほど用意して着まわしていました。妊娠後期ともなるとマタニティパンツですら苦しかったです。また、マタニティ用のストッキングがないときは、普通のストッキングのお腹部分を切って履いていました(笑)。
プライベート
「もうすぐ産休♪」というワクワク感があったものの、それよりも体の重さやダルさが勝ち、常に家でゴロゴロしていました。おかげで育児グッズを買うのも遅れてしまったほどです。産休後も映画やランチに行けたのは妊娠9ヶ月のころの一時期のみで、臨月になると動く気力が湧かないので常にソファに横になっているだけ……。
この時期は、思ったほどキラキラした妊婦生活を楽しめなかった代わりに、Amazonプライムの映画をかなり見尽くしました(笑)。
【産後】当たり散らされても支えてくれた夫に感謝
体調
<産後すぐは体がボロボロ>
とにかく眠れない!
「赤ちゃんって、ずっと寝ているんじゃなかったの?」、「話が違う!」の連続でした。最初は完全母乳にこだわってしまったので、母乳の出をよくするために常におっぱいを吸わせていて、産後1ヶ月で既に疲労でボロボロでした。また、骨盤もグラグラで、歩くのも大変。会陰切開をしたので普通に座ることもつらく、日常生活を送るのも一苦労でした。“産後の体は交通事故にあったようなもの”と聞いて納得したくらいです。
<しんどくて夫に大爆発!>
子どもが成長するにつれて、自分ひとりで面倒を見ることが体力的・精神的にツライことに気づき始めました。しんどくなると、夫に大爆発。私の八つ当たりに、夫は怒るに怒れずひたすら我慢をしているようでした。おそらく、夫も「どう助けてあげればいいのかわからない」という気持ちがあったのだと思います。それだけ、初めての育児はお互いにわからないことばかりでした。「育児はひとりでしちゃいけない!」と、このときに強く思った記憶があります。
情緒不安定になってしまい、夫に対して眠れないことや、抱っこをしていないと泣き続けるから体がつらいことを訴えました。私があまりに疲れ切っているので、夫も「これはマズイ」と思ったようで、育児に参加してくれるようになりました。オムツ替えや着替え、お風呂などの世話はもちろん、娘を抱っこして外へ連れ出してくれたり、寝かしつけをしてくれたりしたので本当に助けられました。
産後半年経つころには体が元に戻りましたが、抱っこや睡眠不足の疲労は溜まりに溜まっていたと思います。
仕事
育休中は、早く戻らないと迷惑をかけているという焦りや、子どもの面倒を見ながらの仕事ができるのか不安に思う気持ちで複雑でした。いろいろ事前にシミュレーションをしてみたのですが、結局は復帰してみて自分がしんどくならないやり方を手探りで模索していくしかないとわかりました。職場はママ社員も多いので、時短や育児者のフォローが手厚く、スムーズに復帰できました。
初めは時短をフルに使って復帰しましたが、自分自身が仕事をがんばりたいという思いもあり、少しずつ時短を少なくし、3歳のころにはフルタイムに戻しました。保育園は延長保育もガンガン使い倒し、うちの子が最後のひとりで先生と遊んで待っている、ということもよくありました。
プライベート
<がんばりすぎてしんどかった>
復帰当時は時短だったこともあり、お給料が減ったので節約にかなり力を入れていました。食事は作り置き、お弁当を会社に持参、週末に安いスーパーに行ってまとめ買いするなど、振り返ってみればよくがんばっていたなぁと思います(笑)。
しかし、これを続けていると自分自身が疲れてしまい、心が荒んでいくようになってしまったのです。当時は「育児がしんどい」なんて絶対に言えないと思って、夫にも相談できませんでした。ただ、当たり散らしていたので、しんどいということは夫に伝わっていたようです。
<思い切って、ラクへシフト>
途中からは、思いきってラクをするほうに舵を切りました。食事はミールキットやお惣菜、ルンバ導入など、我慢するのをやめたら精神的にとてもラクでした。
コロナ前は、私の母がたまに手伝いに来てくれていました。コロナ後は、夫が働き方を見直してくれ、在宅勤務に切り替えたり、定時で帰宅してくれたりしたので、心強かったのを覚えています。泣いたら抱っこしてあやしてくれるだけで、私の負担がぐんと減りました。おかげで、夫婦で協力しながら仕事と育児の両立ができています。
最後に、初マタのみなさんへ
とにかく、ただマタニティ期や子育てを楽しんでほしいと思います。
仕事のことや赤ちゃんのお世話、たくさんやらなければいけないことがあるかと思いますが、毎日を笑顔で過ごすことがママの一番の役割だと思っています。外部のサービスや市販品、使えるものはなんでも使いましょう!
(文:竹下さん、編集:マイナビ子育て編集部)