アザミの花言葉|アザミの概要や特徴、花言葉、名前の由来
アザミ(あざみ)は花自体もユニークな形をしていますが、なによりも葉に鋭いトゲがあることが特徴的。アザミという花の名前もアザミの花言葉も、そのトゲが由来となってつけられています。ここでは、アザミの概要や特徴、花言葉、名前の由来などを詳しく解説します。
アザミ(あざみ)の花言葉
細い棒状の花びらが密集し、丸い形をつくった花姿がなんともユニークなアザミ。
個性的な花姿も特徴的ですが、アザミは葉に鋭いトゲをもつことが広く知られています。
そんなアザミの花言葉は「私に触れないで」「厳格」「高潔」。
「私に触れないで」は、触れると危険なトゲにちなんでつけられたもの。少し突き放すような怖い印象の花言葉ですよね。
「厳格」「高潔」は、トゲで周囲の危険から身を守る姿からつけられています。
アザミの花言葉は怖いものばかり?
「私に触れないで」「厳格」など、少々冷淡で怖い印象の花言葉がつけられているアザミですが、アザミの花言葉は怖いものばかりではありません。
アザミにはこのほかに、「安心」「独立」の花言葉もあります。
この花言葉の由来はスコットランドのある逸話。
1263年のデンマーク戦争中のこと。デンマーク軍がスコットランドに不意打ちで侵攻してきました。そのとき、デンマーク軍の軍人のひとりがアザミを踏み、トゲの痛さで声をあげてしまいます。その声でスコットランド軍は敵の襲撃に気づき、危機を回避し国を守ることができました。
このエピソードから、「安心」「独立」の花言葉がつけられ、アザミはスコットランドのシンボルとなり国花にも制定されています。
アザミの特徴
アザミは、キク科アザミ属およびそれに類する植物の総称をいいます。
分布地は北半球の温帯で、世界には250種以上のアザミが存在。日本にも100種以上あるとされています。
日本での開花期は4~10月頃。開花時期になると山野のいたるところでアザミの花が見られます。
花は茎の先に咲く管状花。花から雄しべと雌しべが突き出し、針山のような個性的な花姿が特徴的。花色は赤や紫が多いですが、白や青の花もあります。
さらにアザミは葉や総苞にトゲをもつのも特徴。トゲは鋭く、触ると痛い植物の代表的存在です。アザミが生い茂る野山に入るときは、十分注意しましょう。
アザミの基礎知識
・分類…キク科アザミ属
・原産地…北半球の温帯
・別名…ドイツアザミ、薊(和名)
・開花期…4~10月
・出回り期…4~10月
アザミの名前の由来
アザミという名前も、葉のトゲが由来。
摘もうとするとトゲが刺さって驚くことから、「驚きあきれる、興ざめする」の意味をもつ古語「あざむ」が語源といわれています。
このほか。アザミの名前の由来は諸説あり、沖縄八重山地方の方言でトゲを表す「アザ」に、植物の名前の末に多い「ミ」をつけてアザミになったという説もあります。
アザミの誕生花
誕生花とは、生年月日にちなんだ花のこと。ギリシア・ローマの神話に由来するとされています。
アザミが誕生花となる生年月日は以下のとおりです。
アザミのトゲにまつわるギリシャ神話
アザミのトゲは、ギリシャ神話において「大地の悲しみのしるし」とされています。
昔、ダニフスという羊飼いがいました。彼は誰もが認める美貌をもっていましたが、誰にも愛情をもつことができませんでした。
そこで美の女神アプロディーテは、ダニフスに精霊のエケナイスを愛するよう仕向けましたが、ダニフスはエケナイスを捨ててしまいます。これに怒ったアプロディーテがダニフスの視力を奪うと、ダニフスは自身の不幸を嘆き、自ら命を絶ってしまいました。
彼の死を悲しんだ大地の神テルス・マーテルがその悲しみを表すためにつくった花がアザミだとされています。
食用植物としても知られるアザミ
怖い花言葉や神話があるアザミはあまり身近に感じられないかもしれませんが、実は食用として出回っています。
食用になるのは、アザミの若芽や根の部分。
若芽は味噌汁の具や天ぷらに、根は「ヤマゴボウ」の名で売られ、みそ漬けなどで食べられることが多いようです。
アザミでない「ヤマゴボウ」は毒に注意
「ヤマゴボウ」の名で食用として売られているアザミですが、実はまったく別の植物で「ヨウシュヤマゴボウ」という名のものがあります。
このヨウシュヤマゴボウは、野山によく生えている多年草。一見ブドウのようで食べられそうにも見えるのですが、全体に毒をもつ有毒植物で、食べると中毒を起こすことがあります。
紛らわしい名前から食用のアザミと混同してしまいがちなので注意しましょう。
まとめ
トゲにまつわる花言葉も多く敬遠してしまいがちなアザミですが、紫や赤のアザミは色鮮やかで美しいですよ。
草原や野山でアザミを見つけたら、トゲに気をつけながら観察してみてくださいね。