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グミの食べ過ぎはお腹を壊す?1日の適量や食べ方のポイントを解説【管理栄養士監修】
弾力があり食感を楽しめるグミ。小腹が空いたときにさっと手軽に食べられるので、好きな人は気づいたら何袋も食べていた、なんてこともあるかもしれません。グミには食べ過ぎのリスクはあるのでしょうか? また、子どものお菓子としても定番ですが、年齢などに注意が必要です。
グミは何でできている?
![カラフルなグミ](https://cdn.kosodate.mynavi.jp/uploads/content/image/580232/1662766_s.jpg)
弾力のある食感がグミの最大の特徴ですよね。この食感を生んでいるのは何なのか、ご存じでしょうか?
グミの食感のもとはゼラチン
グミは一般的に、砂糖や水あめに果汁を混ぜたジュースのような液体をゼラチンで固めた食べ物です。ゼリーと同じような原材料ですが、ゼラチンの量の違いによって歯ごたえのある食感が生まれます。
ゼラチンが使われている食べ物にはグミやゼリー以外にもマシュマロ、ハム、ソーセージなどがあり、身近な材料とも言えますね。
ゼラチンとコラーゲンの違い
ゼラチンのもととなっているのはコラーゲンです。コラーゲンはたんぱく質の一種で、動物の骨や皮に含まれます。人の体においても、皮膚や骨を構成する成分の1つとして柔軟性や弾力性を与える役割を担い、らせんのような構造をしているのが特徴です。
ゼラチンは加熱によってコラーゲンのらせん構造が分解された状態のものになります。肉や魚の骨、皮を煮たあと、煮汁がゼリー状に固まることがありますが(煮こごり)、これはコラーゲンが分解されてゼラチンとなり、溶け出しているのです。
グミを食べ過ぎたらどうなる?
![スイカのグミ](https://cdn.kosodate.mynavi.jp/uploads/content/image/580234/3559535_s.jpg)
グミには砂糖や水あめなどが多く含まれているので、食べ過ぎてしまうと糖分の過剰摂取につながる場合があります。
むし歯(虫歯)のリスク
グミには50g程度の小袋製品で炭水化物が35g以上というものも少なくありません。この炭水化物のうち食物繊維は少なく糖類がほとんどなので、グミの約7割が糖類でできているといえます。そのため、グミの食べ過ぎで心配となるのがむし歯のリスクです。
砂糖はむし歯の主要な原因と言われますが、それは、口の中にいる細菌が砂糖を分解するときに生み出す酸によって、むし歯が引き起こされるからです。一度にたくさんのグミを食べるだけでなく、こまめにたくさん食べることも、糖類が断続的に口の中にある状態を招き、むし歯のリスクを高めることになるので注意しましょう。
カロリー過多のリスク
一口にグミと言っても、ソフトなタイプからハードなタイプ、砂糖でコーディングされているものなどさまざまな製品がありますが、50g程度の小袋で150kcal以上あるものが多いでしょう。仮に2袋食べたとすると、大盛りご飯(200g)と同じくらいか、それ以上のカロリー摂取となります。何袋も食べないようにするのはもちろん、選ぶ際は栄養成分表示にも注意が必要です。
腹痛や下痢になることも
グミは消化しやすい砂糖などの糖類が主な材料となっているため、普通に食べる分には消化不良を起こしにくいと考えられます。ゼラチンなどのたんぱく質は糖類よりも消化に時間を要しますが、グミに含まれる量はそれほど多くありません。
ただし、咀嚼は消化を助ける役割がありますが、グミは口の中でどろっとするまで噛み砕くことがなかなか難しい食べ物なので、よく噛まずにたくさん食べてしまうと消化不良になることがあるでしょう。気持ち悪くなったり、腹痛や下痢を起こす可能性も考えられます。なるべくしっかり噛むようにするとともに、くれぐれも過剰摂取は控えましょう。
グミの1日の適量は?
![グミ](https://cdn.kosodate.mynavi.jp/uploads/content/image/580233/76010_s.jpg)
たくさん食べてしまいがちなグミですが、適量はどのくらいと言えるのでしょうか?
適量の目安|1日50gまで
食事バランスガイドでは、間食などで食べる嗜好品は1日200kcalまでが目安とされています[*3]。グミは商品にもよりますが、50gでだいたい120~200kcalくらい摂ってしまうことになります。他にミネラルなどを含むおやつもあわせて摂りたいところなので、グミは20~40g程度を目安として、多くても50g程度にするといいでしょう。
なお、糖質の多いグミと組み合わせるおやつとしては、菓子類ではなく牛乳やヨーグルトなど、カルシウムとたんぱく質が多く糖質が少ないものがおすすめですよ。
子どものおやつにグミはOK?
![子ども おやつ グミ](https://cdn.kosodate.mynavi.jp/uploads/content/image/580235/22307624_s.jpg)
カラフルで形の可愛いグミは子どもにも魅力的な食べ物でしょう。子ども向けのおやつというイメージもあるかもしれませんが、小さな子どもには適しません。
4歳以上から!窒息・誤嚥に要注意!
日本小児科学会では、グミは弾力があり嚙み切りにくいため、子どもが窒息を起こしやすい食品の1つとしています[*4]。グミの注意点としては次の2つがあります。
✔4歳以上になってから
✔口に入れるのは1個ずつにする
小さいお子さんは間違えて口に入れないよう、大人がしっかり見守りましょう。
子どもの場合は手作りもおすすめ
4歳以上のお子さんがグミを食べる場合、糖類の多いグミはなるべく少量にするのがよいでしょう。おすすめは手作りのグミです。手作りすることで糖類の量を控え目にすることができます。
\簡単!手作りグミ/
フルーツジュースなどの液体100mlに対してゼラチン10gを溶かして混ぜ、冷やし固めれば、できあがり。
子どもの時期のおやつは、食事で摂りきれない栄養素やエネルギーを摂るための補食という意味合いがあり、とても大切です。嗜好品よりも果物や乳製品などで、ビタミンやカルシウムなどのミネラルを摂取するのが望ましいため、グミのみが間食になることは避けましょう。
まとめ
弾力のある食感がくせになり、ついつい食べ過ぎてしまいそうなグミですが、むし歯のリスクとなる糖類が多く含まれます。適量を楽しむ程度にするとよいでしょう。お子さんにとっても魅力的なおやつかもしれませんが、窒息などの危険があります。食べ過ぎによる糖類やカロリーの摂り過ぎはもちろんですが、お子さんの場合は特に事故が起こらないよう、大人が見守りながら楽しみましょう。
(文:木下麗子 先生/監修:川口由美子 先生)
※画像はイメージです
[*1]厚生労働省:日本人の食事摂取基準2020年版
[*2]文部科学省:日本食品標準成分表2020年版(八訂)
[*3]農林水産省:食事バランスガイドについて
[*4]日本小児科学会:〜食品による窒息 子どもを守るためにできること〜
本来は「エネルギー」と呼びますが、本記事では一般的になじみのある「カロリー」と表記しています。
※この記事は、マイナビ子育て編集部の企画編集により制作し、管理栄養士の監修を経た上で掲載しました
※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます