アイスの食べ過ぎは胃腸に悪い?やっぱり太る?1日〇個がおすすめ!【管理栄養士監修】
甘いものの定番といえばアイス。特に暑い時期にはおいしいですよね。太るイメージもあり、食べ過ぎはよくなさそうですが、実際にどんなリスクがあるのでしょうか? また、ダイエットをしているときに食べてもよいのでしょうか? アイスの成分の特徴や適量を解説します。
アイスの成分やカロリー
アイスはその成分によって法律で種類が分けられているのをご存じですか? 種類によってどんな違いがあるのか、まずは確認しましょう。
アイスには4つのタイプがある!
アイスクリームの主な原料は牛乳や乳製品です。この乳成分の配合により、アイスは大きく4種類に分類されています[*1,2]。
アイスクリーム | 乳固形15%以上 うち乳脂肪8.0%以上 |
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アイスミルク | 乳固形10.0%以上 うち乳脂肪3.0%以上 |
ラクトアイス | 乳固形3.0%以上 |
氷菓 | 上記以外 |
アイスクリームは乳固形分、乳脂肪分ともに最も豊富に含まれていて、ミルクの風味やコクがあります。アイスミルクやラクトアイスは乳固形分、乳脂肪分がアイスクリームより少なく、さっぱりとした風味になっています[*3]。
氷菓とは聞き慣れないかもしれませんが、かき氷やシャーベットなどのことです。乳脂肪などが含まれていないのでカロリー(エネルギー)も低い商品が多いですが、アイスクリームが食べたいときにイメージするものとは違うかもしれませんね。
アイスには糖類が多い
アイスクリームなどの原材料として牛乳や乳製品以外には何があるかというと、まず、アイスの甘さを生み出している糖類(上白糖や水あめなど)があります。それ以外にフレーバーとなる材料として、チョコレートや果肉、果汁などが含まれたりします[*3]。
また、乳脂肪が少ないアイスミルクやラクトアイスでは、植物油脂が添加されることも。アイスクリームには植物油脂は含まれません。
アイスは100gで200kcal前後
実際には各製品によりますが、アイスのカロリーはだいたい100gあたり200kcal前後と考えておくとよいでしょう。
<100gあたりのカロリー>[*4]
アイスクリーム…約180kcal
アイスミルク…約170kcal
ラクトアイス…約220kcal
200kcal前後というのはコンビ二のおにぎり1個分と同じくらいです。ミニカップのアイスであればだいたい100g前後ですが、市販のカップアイスは100g以上のものも多いので、栄養成分表示で確認してみてくださいね。
アイスを食べ過ぎたらどうなる?
暑い季節にはついたくさん食べたくなりますが、アイスをたくさん食べるとどうなるのでしょうか。食べ過ぎのリスクについて見ていきましょう。
カロリーオーバーのリスク
糖質や脂質の多いアイスは1個でもそれなりのカロリー摂取になります。サイズにもよりますが、1個で250kcalほどになるものも少なくありません。1日に何個も食べてしまうと、場合によっては1食分と同じくらいのカロリーをアイスだけで摂ってしまうでしょう。
冷たくて口当たりもよく、ぺろりと食べてしまいやすいですが、たくさん食べるとカロリーの摂り過ぎにつながるため、注意が必要です。
胃もたれや腹痛のリスク
冷たいアイスを一度にたくさん食べると胃腸に負担がかかり、消化などの働きが低下することがあります。その結果、胃もたれや消化不良、下痢などの症状を引き起こす可能性があるでしょう。食べ過ぎないようにするとともに、アイスを食べるときは口の中で溶かしてから飲み込むなどの工夫もできるとよいですね。
むし歯のリスク
むし歯は、口の中の細菌が砂糖を分解して生成する酸によって歯の表面が溶かされることです[*5]。そのため、砂糖はむし歯の主な要因の1つといえます。
お伝えしたとおり、アイスには甘味を出すために砂糖などの糖類が豊富に含まれています。たくさんアイスを食べればその分、糖類の摂取量も増えて虫歯のリスクを高めることになるので、気を付けたいですね。
アイスの1日の適量は?
暑いときはついたくさん食べてしまいますが、アイスの1日の適量はどのくらいなのでしょうか? 食べ過ぎないようにするためにも、量をきちんと決めておくと安心ですね。
適量の目安|1日100g程度
おやつで食べる嗜好品はトータルで1日200kcalほどにするのがよいとされています[*6]。アイスだけなら100gくらいが目安となります。アイス以外のお菓子なども食べるなら、合計で200kcalになるように調整しましょう。市販のアイスもサイズやカロリーはさまざまですが、選ぶときの参考にしてくださいね。
また、1つで200kcal以上あるアイスを食べたいときもあるでしょう。カロリーを摂り過ぎたと思ったら翌日はおやつを控えるなどするとよいですね。アイスはあくまで嗜好品なので食べ過ぎないようにし、バランスの良い食事を大切にしましょう。
ダイエット中は控えるのがベター
アイスは糖質や脂肪がたくさん含まれているので、ダイエット中は控えたほうがよいでしょう。暑いときは特にアイスが食べたくなりますが、アイスの代わりに冷凍フルーツなど食べてみるとよいですよ。冷凍フルーツならミネラルも摂れるため、ダイエット中のおやつとしておすすめです。コンビニでも手軽に買うことができます。
アイスを食べるときがあってももちろんよいですが、低脂質や低糖質のアイスも売られているので、そうしたものを選んでみるのも1つでしょう。
手作りのアイス風スイーツもおすすめ!
市販のアイスの代わりにアイス風のスイーツを手作りするのもおすすめです。バナナや桃にヨーグルトを加えて冷凍するとおいしいですよ。ビタミンやミネラルなどの栄養も摂れます。
子どものアイスはどうする?
アイスは適量を楽しみたいですね。最後に、子どもがアイスを食べる場合についても見ていきましょう。
乳幼児期はなるべく控えて
甘いアイスは子どもが好む食べ物でもありますよね。とはいえ嗜好品なので、何歳ごろから与えていいのか、迷う方もいるでしょう。離乳食期に食べさせてもよいのでしょうか?
乳幼児期は味覚が発達する大切な時期です。あまり甘いものを早くから食べさせてしまうと、ほかの味をなかなか食べてくれないという可能性もあります。離乳食ではまず、できるだけ薄味で素材の味を知ってもらうことから始めるとよいですよ。アイスを食べさせるなら、早くても1歳くらいから少しずつにしましょう。
また、この時期は食事だけでは摂りきれない栄養素をおやつで摂ることが大切になります。アイスもよいですが、ビタミンやミネラルの摂れる果物などがおすすめです。
詳しくは以下の記事で解説しているので、確認してみてくださいね。
こちらの記事ではつわり中のアイスについて解説!
まとめ
暑い季節にはついつい食べたくなるアイスですが、食べ過ぎのリスクもあるので適量を意識しながら食べることが大切です。あまりアイスばかり食べるのではなく、おやつに果物を食べる日も取り入れてみると良いですね。色々なものを食べてバランスを整えることを意識することが大切です。
(文:山田奈都乃 先生/監修:川口由美子 先生)
※画像はイメージです
[*1]厚生労働省:乳及び乳製品の成分規格等に関する省令
[*2]全国公正取引協議会連合会:アイスクリーム類及び氷菓の表示に関する公正競争規約・公正競争規約施行規則
[*3]日本乳業協会:乳と乳製品のQ&A
[*4]文部科学省:日本食品標準成分表2020年版(八訂)
[*5]厚生労働省:e-ヘルスネット「むし歯の予防法(総論)」
[*6]農林水産省:食事バランスガイドについて
本来は「エネルギー」と呼びますが、本記事では一般的になじみのある「カロリー」と表記しています。
※この記事は、マイナビ子育て編集部の企画編集により制作し、管理栄養士の監修を経た上で掲載しました
※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます