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2022年06月16日 13:30 更新

りんごの食べ過ぎのリスクは?1日何個まで?りんごの健康効果も紹介【管理栄養士監修】

甘酸っぱくて歯ごたえもよく、果物の中でも人気の高いりんご。健康効果もいろいろと言われており、体のために食べている人も多いでしょう。では、食べ過ぎによるデメリットなどはないのでしょうか? りんごの1日の目安量や栄養の特徴を解説します。

りんごを食べ過ぎるとどうなるの?

果物の中でも特に身近で食べる機会が多いりんご。健康効果が高いとよく言われたりしますが、食べ過ぎても大丈夫なのでしょうか? 見ていきましょう。

腹痛や下痢を起こす可能性

りんご

りんごに限ったことではありませんが、一度にたくさん食べると消化不良を招き、場合によっては、腹痛や下痢といった症状が現れることも考えられるでしょう。また、りんごには便通に作用する食物繊維も含まれますが、急に食物繊維の摂取量が増えると、排便リズムが乱れてしまうかもしれません。

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ちなみに、りんごには糖質の一種であるソルビトールという成分が含まれており、ソルビトールにはお腹を緩くする作用がありますが、食品に自然に含まれるソルビトールの量では、下痢を引き起こすことは考えにくいです。

カロリーの摂り過ぎになる

りんごは100gあたり、皮なしで53kcal、皮付きで56kcalです。ほかの果物と比べてみると、比較的高めといえるでしょう。

<100あたりのカロリー>[*1]
バナナ…93kcal
ぶどう(皮つき)…69kcal
りんご(皮なし)…53kcal
りんご(皮つき)…56kcal

みかん…49kcal
もも…38kcal
いちご…31kcal


もちろん、あんこや生クリームを使った甘いお菓子と比べれば格段に低カロリーですが、何も考えずに何個も食べていると、知らず知らずカロリーを摂取することになるかもしれません。

間食としてお菓子の代わりに果物を食べるのは大変おすすめですが、中サイズのりんご2個(可食部=約500g)を食べると280kcalとなり、間食の目安である200kcalをオーバーします。低カロリーだからと何個も食べるのは食べ過ぎといえるでしょう。

アレルギーを起こす場合も

たくさん食べることで食物アレルギーが起きるというわけではありませんが、りんごを摂取してじんましんや発疹などの皮膚症状や、口の中のかゆみ、のどのイガイガ感、唇の腫れといった粘膜の症状を起こす場合があります。

また、りんごそのものに対するアレルギーとは別に、花粉症と関連して起こる口腔アレルギー症候群というものもあります。これは、シラカバやハンノキにアレルギーを持っている場合にりんごなどのバラ科の果物を食べて、口の中や唇にアレルギー症状がでるというものです[*2]。花粉症がある方は覚えておくとよいですね。

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食物アレルギーは子どものイメージが強いかもしれませんが、果物によるアレルギーは子どもから大人まで幅広い年齢層で発症例があります。アレルギー症状が出たら医療機関を受診しましょう。

リンゴは1日にどれくらい?

リンゴ カット

りんごばかり食べ過ぎることには気を付けたいですね。では、1日の目安量はどれくらいなのでしょうか?

目安量|1日1個程度

1日に何をどれだけ食べたらいいのかという目安を示した「食事バランスガイド」によると、果物は100gを1単位とし、1日の摂取量の目安は2単位(200g)となっています[*3]。りんごの場合は1/2個で1単位となるので、りんごは1日1個くらいまでと考えるのがよいでしょう。

また、できれば、りんごで2単位とるのではなく、他の果物も合わせて食べるのがおすすめです。果物によって含まれている栄養素やその働きはそれぞれ異なるため、組み合わせることでバランスがよくなります。

たとえば、りんご1/2個(1単位)とみかん1個(1単位)にしたり、りんご1/4個(0.5単位)、なし1/4個(0.5単位)、柿1個(1単位)という風に3種類を組み合わせたりするといいですね。

主な果物の食べ過ぎはこちらもチェック!

リンゴに含まれる栄養のメリット

果物にはビタミン、ミネラルなど身体の調子を整える栄養素がたっぷり含まれています。りんごの持つ栄養の効果を見ていきましょう。

食物繊維

りんごは2種類の食物繊維がバランスよく含まれているのが特徴です。

りんご(皮なし)…水溶性食物繊維0.4g 不溶性食物繊維1.0g
りんご(皮つき)…水溶性食物繊維0.5g 不溶性食物繊維1.4g
[*1]

水溶性食物繊維と不溶性食物繊維は異なる働きをもっています。りんごに含まれる水溶性食物繊維のペクチンは水に溶けるとゼリー状になる性質があり、便を軟らかくする作用があるほか、腸内の善玉菌を増やして腸内環境を改善する働きなどがあります。

一方の不溶性食物繊維は水分を吸収して便のかさを増やすため、腸を刺激して便を送り出す動きを促すことが期待できます。

2種類の食物繊維の働きが組み合わさることで腸内環境や便の状態が整い、便秘の解消にもつながることが考えられるため、両方をバランスよく摂れるりんごはうれしいですね。日本人は食物繊維が不足気味なので、瀬積極的に摂りたい栄養素です。りんごは皮を食べるとより食物繊維が摂れますよ。

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水溶性食物繊維には血中コレステロール値の低下や血糖値の急上昇を抑える作用も期待されています。

カリウム

りんごは複数のビタミンやミネラル含んでいますが、なかでもカリウムが豊富です。カリウムには摂り過ぎたナトリウム(塩分)を体外に排出する働きや、体内の水分量を調節する役割があります。そのため、カリウムをしっかり摂ることで高血圧やむくみの改善・予防に役立つことが期待できます。

ポリフェノール

りんごの栄養素で注目されているのが、抗酸化作用のあるポリフェノールです。りんごには複数のポリフェノールが含まれますが、その1つであるプロシアニジン類というポリフェノールには、体脂肪の蓄積を予防したり、コレストロールや中性脂肪を減らすなどの効果が期待されています[*4]。

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ちなみに、りんごを切ってから時間が経つと切り口が茶色く変色するのは、りんごに含まれているポリフェノールが空気に触れて酸化するからなんですよ。

リンゴ酸

リンゴ酸はクエン酸などと同じ有機酸の1つで、疲労回復効果が期待できます。「リンゴ酸」という名前ですが、りんごだけでなくバナナ、もも、パインアップル、ぶどうなどにも含まれています[*1]。

果汁100%ジュースは果物の代わりになる?

りんごジュース

果物を食べる代わりに市販の果汁100%のジュースを飲むことはありませんか? 食事バランスガイドによると、果汁100%ジュースを飲んだ量の半分を、果物の摂取量に換算することができます[*3]。

しかし、できるだけ果物そのものを摂るほうが望ましいでしょう。100%りんごジュースには食物繊維がほとんんど含まれず、ビタミンも少なくなっています[*1]。ジュースはあくまでも補助的なものと考えるようにしましょう。

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体調によって飲み物の方が摂りやすいときは、りんごをミキサーにかけてスムージーにしたり、すりおろして食べてもいいですね。

まとめ

りんごは生活習慣病の予防など、さまざまな効果が期待できます。イギリスには「1日1個のりんごは医者を遠ざける」ということわざもあるほど。一方で、食べ方によっては体調を崩すこともあり得ます。りんごだけに偏ることなく、いろんな食品と組み合わせて楽しみたいですね。

(文:二橋佳子 先生/監修:川口由美子 先生)

※画像はイメージです

「カロリー」という表記について
本来は「エネルギー」と呼びますが、本記事では一般的になじみのある「カロリー」と表記しています。

※この記事は、マイナビ子育て編集部の企画編集により制作し、管理栄養士の監修を経た上で掲載しました

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます

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