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2022年07月15日 07:45 更新

【2022年7月】絵本のプロが選ぶ 0~5歳年齢別おすすめ6冊『ずぼっ じー』ほか

東京は神保町にある絵本専門店「ブックハウスカフェ」が全面協力! プロが選ぶおすすめの絵本をセレクトして、毎月紹介します。

0歳向け

『ぎったんこ ばったんこ』(作:柚木 沙弥郎/福音館書店)

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今日はいいお天気なので、お母さん猫と子猫たちは公園へ。「あれはなーに?」とシーソーを見つけました。みんなで乗ってみましょう。片側にお母さん猫、もう片方には3匹の子猫が乗ります。

「ぎったん」子猫たちの方にシーソーが揺れます。
「ばったん」次はお母さんの方。
「ぎったんこ」
「ばったんこ」

勢いづくシーソーの上で、子猫たちはくるりと回転! たくさん遊んで、面白かった。さあ、お家に帰りましょう。

猫たちのユーモラスな表情にご注目! 最初は子猫も母猫もビクビクしながらシーソーに乗り始めますが、「ぎったん、ばったん」とシーソーの動きに慣れてくると、どんどん楽しそうな表情に。勢いのついたお母さん猫は子どもたちが飛び上がるほどシーソーを揺らして、親子で思いっきり遊んでいる様子が伝わってきます。

お子さんを膝の上にのせて「ぎったん、ばったん」「ぎったんこ ばったんこ」の言葉のリズムに合わせて揺れながら読んでみてはいかがでしょうか。まるでシーソーで遊んでいるかのような動きと響きの面白い言葉に、きっとお子さんたちも喜ぶはず。猫の親子たちのように、親子で遊べる一冊です。

1歳向け

『ずぼっ じー』(作:高橋 祐次/講談社)

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ふかふかの砂場の砂を触ってみる。
さらさら
じゃりじゃり

指を「ずぼっ」とつっこんで、「じー」と線を引くように動かしてみる。
シャベルはよけて「じじじー」
石をよけて「じじじー」

ミミズと一緒ににょろにょろしたり、水を流して川にしたり、どんどんどんどん進んでみよう!

タイトルの『ずぼっ じー』は砂を触る指の動きをそのまま表した言葉。絵本を開く前からワクワクしてきます。本物の砂のような絵の上に自分の指をのせれば、少しあったかくてざらざらした砂の感触が伝わってくるよう。そのままどんどん「じー」と線をなぞっていくと、かくかくの線やぐるぐるの線がずーっと続いていて、迷路のように遊ぶことができます。

絵本には、じっと座ってお話を聞いたり絵を見るのはもちろん、触ったり真似して動いたりする楽しさもあります。本物の砂遊び感覚でぜひお楽しみください。

2歳向け

『こぐまちゃんのみずあそび』(作:わかやま けん、もりひさし、わだよしおみ/こぐま社)

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花に水をあげるこぐまちゃん。じょうろにはいっぱいのお水。金魚さんやアリさんにもお水をあげます。すると、しろくまちゃんがじょうろよりもいっぱい水が出るホースを持ってきて……さあ大変!

「おもしろい おもしろい」と2人は川を作ったり、そこに葉っぱのボートを浮かべたりと、泥んこになるまで水遊びを楽しみました。

画家・歌人・劇作家・編集者の4人が集まり、1970年に誕生した「こぐまちゃんえほん」シリーズ。50年以上経った今でも、世代を超えて子どもたちに大人気!

シリーズには4人の作り手のひとり、わかやまけんさんのお子さんがきっかけで誕生したお話もあるそうで、今作のこぐまちゃんとしろくまちゃんがホースで水を掛け合うシーンもそのひとつ。子どもたちの遊びは楽しいとどんどんエスカレートしてしまうものですが、絵本の中のこぐまちゃん&しろくまちゃんコンビも、気持ちのいい遊びっぷり! 最初はじょうろで、次にもっと水が出るホース、最後にはお風呂に入りながら洗面器やシャワーなど、どんな道具でも遊びになってしまいます。

じょうろやホース、シャワーによって、水滴の大きさや形を変えて描くことで水の勢いが表現されているのも特徴的。太い線の平面的なイラストのように見えて細かいところまで意識して作られている点に、多くの人から愛される絵本の理由を見た気がします。

3歳向け

『14ひきのとんぼいけ』(作:いわむら かずお/童心社)

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ある暑い夏の日。「昼ごはん食べたら、とんぼ池で遊ぼう」と、いっくんが言いました。「気をつけて行っておいで」とお母さんに見送られ、みんなでとんぼ池へ出発です。

ハグロトンボにオニヤンマ、キイトトンボとモノサシトンボ……。たくさんのとんぼたちが集まる池で、10ぴきのきょうだいたちは木のえだでつくったボートで遊び始めました!

「14ひきの」シリーズから今回紹介するお話は、とんぼ池が舞台。夏のキラキラした木漏れ日の中、丸木橋を渡ったり、小川の横を通ったりしながら、きょうだいみんなでとんぼ池を目指します。道中にもとんぼ池にも色んな種類のトンボが登場。わたしはページを行ったりきたりしながら、「ハグロトンボはここにいた!」「黒と黄色の縞模様のがオニヤンマか!」とトンボの違いを確認しながら、お話を楽しみました。昆虫図鑑があれば、絵本と一緒に比べながら読み進めても面白そうです。

文字は少ないですが、絵を見ているといろいろな発見があります。池に落ちてしまった子が服を乾かしていたり、下のきょうだいの子はまだ怖がりだったり。小さなボートには誰と誰が一緒に乗るんだろう?など、ひとつずつ見ていくと、どんどん物語の世界に引き込まれます。夏の暑い日、ぜひ10ぴきのきょうだいたちと涼しいとんぼ池へ出かけてはいかがですか? 

4歳向け

『しゃぼんだまとあそぼう』(文・構成:杉山 弘之・杉山 輝行、写真:吉村 則人、絵:平野 恵理子/福音館書店)

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しゃぼんだまをとばそう。せっけんをけずってお湯にとかして。上手に吹けるかな?ストローの先を切ると、大きいのができるよ。次は針金で輪を作ってもっと大きくしてみよう。口で吹いても、手で振ってもいいよ。

他にも台所にある道具やサンダルなど、輪になっているものならしゃぼんだまができる。何もなければ手でもできるよ。身の回りでしゃぼんだまができるものを探してごらん。しゃぼんだまと遊ぼう!

子どもの頃、誰もが遊んだ経験のあるシャボン玉。でも吹き方や道具によっては、上手くできないこともありますよね。そんなときに参考にしてほしいのがこの絵本です。著者の杉山弘之さんと杉山輝行さんはシャボン玉パフォーマーとして世界的に活躍する、シャボン玉のスペシャリスト。シャボン玉で楽しく遊ぶためのたくさんのヒントがイラストと写真つきで解説されています。

巻末に掲載されているシャボン液の作り方によると、使用する石鹸やその日の天候によってもシャボン液の分量が変わってくるそう。子どもたちと一緒にオリジナルのシャボン液を作って、大きさや強度にこだわって遊んでみてください!

5歳向け

『にちようびのぼうけん!』(作:はた こうしろう/ほるぷ出版)

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日曜日の朝、新聞を取りに行ったらポストにぼくあての手紙があった。差出人はミスターXと名乗る謎の人物。

「とっくしゅにんむをあたえよう。今から急いで公園のベンチに行け!ただし、公園につくまで絶対にだれにも見つかってはいけない。」

なんだか不思議だけど、おもしろそう! ぼくとお兄ちゃんは誰にも見つからないように、そっと公園へ向かった。指令通りベンチに行くと、なんとそこには次の手紙が……。

初めての冒険ものや謎解きのお話を子どもたちと読んでみたい方におすすめ。人に見られないように行ったり、手紙に書かれた暗号を解きながら遊具をまわったりするだけで、いつも遊んでいる公園がスリル満点の場所に大変身! 謎解き要素もあるので、5歳ごろの子だけでなく、ひとりで本を読み始める小学校低学年の子にもおすすめの絵本です。

最後まで読むとミスターXの正体もわかるかも? 正体が明らかになったときにはなんだかほっこりした気持ちになって、前半のワクワク感とはまた違った感情を味わえます。読後の余韻まで素敵な一冊です。

まとめ

夏は外で思いっきり遊びたいのに、あまりの暑さに外へ出ることすら難しい日も。今回は、外遊びを体感できるような絵本を紹介しました。絵本の中で主人公たちと遊んだり、涼しい日にはこんな風に遊んでみようという参考にしてらもったり、暑い日の気分転換の参考になれば嬉しいです。

夏本番はこれから。外遊びと絵本を組み合わせながら、夏の暑さを乗り越えましょう!

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