将来「親になりたい」と考える高校生は6割、その理由は「子どもがいたら楽しそう」
価値観や生き方の多様化が進むなか、結婚して親になる人もいれば、その選択をしない人もいるでしょう。では、今の若者は親になることをどう考えているのでしょうか? 高校生を対象に、親になりたいかどうかをアンケートした調査データをご紹介します。
親になりたい?なりたくない?高校生の回答
全国の高等学校の1年生、2年生を対象に実施された「高校生の消費生活と生活設計に関するアンケート調査(第3回)」から、親になることに関する項目での結果をご紹介します。
6割の高校生は親になりたいと考えている
「将来親になりたいか?」という設問に対し、全体では61.0%の生徒が「親になりたい」と回答しました。一方、「親になりたくない」と回答した割合は9.7%でした。また、男子と女子で比べると、女子の方が親になりたいと考える生徒が多い傾向にあります。
なお、2016年度調査と比較すると、「親になりたい」という回答は68.2%から61.0%に減少し、その反対に「親になりたくない」は7.1%から9.7%に増加していることもわかりました。
親になりたい理由|子どもがいたら楽しそう
では、なぜ親になりたいと考えるのか、「子どもを希望する理由」を尋ねると、「子どもがいたら楽しそうだから」が最も多く、8割の生徒がこの理由を挙げました。今はまだ自分が子どもの立場ですが、親子で暮らす生活は楽しいものだと考える高校生が多いようです。
次いで、「子どもが好きだから」「子孫を残したいから」の回答が続いています。「子どもが好きだから」は女子の割合が多く、「子孫を残したいから」は男子の割合が多いという特徴が見られました。
そのほかの回答としては、(自分の親に)「孫の顔を見せたい」というものもあり、自分のことだけではなく、親のことも考えている生徒もいるようです。
親になりたくない理由|面倒だから
一方、「将来親になりたくない」と回答した生徒にその理由を聞いた設問では、「面倒だから」と回答した生徒が最も多く4割以上に上りました。次いで「金銭的に余裕がなくなるから」「子どもが好きではないから」が続いています。
男女別では、男子が「面倒だから」「金銭的に余裕がなくなるから」が女子に比べて高い傾向を示しています。
また、女子の特徴としては、トップの「面倒だから」と2番目の「子どもが好きではないから」の差がほとんどありません。親になりたくない理由として、子どもが好きかどうかという点を男子よりも女子の方が意識しているといえそうです。
子どもが生まれたら育休を取るのが当たり前に
「将来子どもが生まれたときの働き方」を聞いた設問では、全体の7割強が「育児休暇を取り、職場に復帰する」と回答しています。次いで「育児に関係なく働き続ける」が2割弱。
「一旦仕事を辞め、再就職する」や「仕事を辞め、専業主婦(夫)になる」という回答は少なく、すでに子どもが生まれても、仕事を続けることが高校生の意識でも当たり前となっているようです。
男女で違いが顕著に表れたのは、「育児に関係なく働き続ける」の割合。男子は3割以上いるのに対し、女子はわずかに5.6%と、大きな差が開いています。これは出産そのものを担う女子とそれを支える男子との差とも言えるでしょう。
なお、2016年度調査と比べて「育児休暇を取り、職場に復帰する」が増えているのも注目ポイントでしょう。子どもが生まれたときに休まず働き続けるか、辞めるかという二択ではなく、育休を活用するという選択肢への認識が年々、社会的に広まっていることの表れと考えられますね。
まとめ
今回ご紹介したアンケートによると、将来親になりたい高校生が多数派であり、その理由の第一は、子どもがいると楽しそうだから、というものであることがわかりました。一方で、親になりたくない理由として、子育ては面倒くさい、金銭的余裕がなくなる、などがあるようです。高校生のこうした認識には、一番身近な自分の家庭はもちろん、社会状況が大きく影響しているとも考えられるでしょう。
(マイナビ子育て編集部)
※画像はイメージです
調査概要
■【第3回】2021年度 高校生の消費生活と生活設計に関するアンケート調査/生命保険文化センター(2022年3月発行)
調査地域:全国
調査対象:高等学校1年生・2年生
有効回答数:3,125サンプル(86校)
調査期間:2021年(令和3年)7月