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2023年04月14日 17:00 更新

【学童】利用人数やクラブ数が増加する一方、待機児童はどうなっている?

共働きなどの家庭では、放課後に子どもを預けられる「放課後児童クラブ」はぜひ利用したいところでしょう。SNSで「学童落ちた」などの声が話題になることもありますが、その数は実際に足りていないのでしょうか? また、どの学年が特に預けにくいなどはあるのでしょうか? 厚生労働省が公表している調査報告で確認してみましょう。

学童の実施状況は?待機児童はどのくらい?

放課後児童クラブ

「学童保育」や「学童クラブ」とも言われる「放課後児童クラブ」は、小学校の空き教室や児童館などを利用して、共働き家庭などの小学校就学児を対象に、学校の放課後、適切な遊びや生活の場、安全・安心な居場所を提供するために行われているものです。厚生労働省では、放課後児童クラブの数や利用登録児童数の把握などのために毎年調査を実施しています。本記事では、令和4年の調査報告の一部をご紹介します。

利用する児童は年々増えている

放課後児童クラブへの登録児童数は、年々増加する傾向にあり、令和4年では139万人あまりとなっています。過去最高値を更新したことになり、前年と比べると4万3,800人以上の増加です。

また、支援の単位(児童の集団の規模のこと、おおむね40人以下と定められている)、いわばクラスの数も前年比より811増加し、36,209となっています。したがって児童の受け皿は増えていると言えます。

しかしながら、このグラフからは、放課後児童クラブを利用できなかった、いわゆる待機児童数も前年より増加していることがわかります。令和元年から令和3年までは減少傾向でしたが、令和4年は増加に転じました。放課後児童クラブの需要と供給はまだ見合っていないといえそうです。

放課後児童クラブの児童数の推移
厚生労働省「令和4年(2022 年) 放課後児童健全育成事業(放課後児童クラブ)の実施状況」より

小学2年生の利用が約4割と最も多い

では、学年別での利用状況はどうでしょうか。

最も多いのが小学1年生で31.3%、次いで小学2年生で27.7%、小学3年生の29.5%と低い学年の割合が高いことがわかります。やはりまだ幼く、家に一人で留守番をさせることを不安に思う保護者が多いということでしょう。

放課後児童クラブの利用者の学年
厚生労働省「令和4年(2022 年) 放課後児童健全育成事業(放課後児童クラブ)の実施状況」より

待機児童数は4年生で最も多い

続いて、どの学年で待機児童数が多いのかを見てみましょう。最も多いのは小学4年生で30.0%を占めています。次に多いのは小学3年生で23.0%。

また、前年と比べると、小学1年生から3年生の待機児童は185人の増加にとどまりましたが、小学4年生から6年生は1,579人の増加と、大きく差が出ています。高い学年でのニーズの高まりに対して、クラブ数が足りていないことがうかがわれます。

学童クラブの待機児童、学年別
厚生労働省「令和4年(2022 年) 放課後児童健全育成事業(放課後児童クラブ)の実施状況」より

終了時刻は平日19時までが半数以上

保護者としては、預けられるかどうかだけでなく、何時まで預けられるのかも重要な関心事でしょう。

放課後児童グラブの終了時間(平日)で最も多かったのは、18時30分~19時で53.1%と半数以上を占めています。次に多いのが18時1分~18時30分で21.7%。したがって、18時半を超えて開所しているクラブが全体の約61%に上っています。

遅くまで開所しているクラブが意外に多い印象ですが、これは、夕方の早い時間には迎えにこられない保護者などのニーズに応えようという結果なのでしょう。

一方で、帰宅が19時を過ぎてしまう家庭は少なくなく、学童に入れたにも関わらず閉所時間が「小一の壁」となって立ちはだかるケースもあります。

放課後児童クラブの終了時刻
厚生労働省「令和4年(2022 年) 放課後児童健全育成事業(放課後児童クラブ)の実施状況」より

まとめ

放課後児童クラブはニーズの高まりに合わせてその数を増やしており、また、18時以降も開所しているクラブが多数を占めることがわかりました。しかしその一方、待機児童の人数については、いったん令和になって減少傾向を示したものの、令和4年は増加に転じていることが明らかに。その理由として、高学年での待機児童の増加があることがうかがわれる調査結果でした。

(マイナビ子育て編集部)

※画像はイメージです

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