#古坂大魔王のモヤズバッ! Vol.18 妻がいつも疲れて寝落ち。夫婦でコミュニケーションを取る時間がありません
お笑い芸人や音楽プロデュース、テレビ番組のMCなど、多忙な毎日を送りながら、2児のパパとして育児に奮闘する様子をSNSで積極的に発信している古坂大魔王さん。同じように育児や夫婦関係のことで悩んでいるパパ・ママのお悩みに、ズバッと切り込みます。
今回のお悩み
りんたいさん(43歳/医療・福祉/事務系専門職)
共働きなのですが、妻はデイサービスの仕事で1日中歩き回っていることもあり、子どもを寝かしつける21時30分頃には一緒に寝てしまいます。そのため、夫婦2人でコミュニケーションを取る時間がなく、相談したり悩みを話したりできません。どうしたらいいでしょうか?
古坂さんの回答
夫婦のコミュニケーションは重要
僕は夫婦のコミュニケーションはとても大事だと思っていて、その時間が取れないのはかなり危機的な状況だと思っています。
実はうちでも、僕の仕事があまりにも忙しすぎた時期、また下の子が生まれてすぐの時期など、夫婦2人で話す時間が取れなかったときにはケンカが増えました。夫婦が家族の基本ですから、コミュニケーションが取れないと何もかもうまくいかなくなるのです。
たとえば食材の買い出しにいきたくても、妻とケンカしていて話しかけられないと、買うべきものが確認できないし、出かけていいかどうかもわかりません。こうして家事がスムーズに回らなくなります。子育てについても、分担できなくて困るんです。
そして夫婦のどちらかがイライラしていたり、不機嫌だったりすると、もう片方も気分良くは過ごせませんよね。現場の雰囲気が悪いと、全体的にパフォーマンスが落ちるのは、家庭でも職場でも同じことです。
一方、たいていはお互いのことが好きで、結婚して家庭を築いているわけですから、ゆったりした気持ちで一緒に過ごしたり、話し合ったりすればうまくいくのではないでしょうか。そうして夫婦仲がよければ、子育てもスムーズにいくのではないかと思います。
夫婦の時間が取れない原因は?
では、どうすればいいかですが、まずは夫婦の時間が取れない原因について、冷静によく考えてみてください。奥さんの家事や子育ての負担が大きいのか、奥さんの仕事(勤務内容や時間)に無理があるのか、すでに夫婦間にすれ違いが起きていてうまく時間を取ることができないのかなどが考えられると思います。
まず、奥さんの家事や子育ての負担が大きいのであれば見直し、りんたいさんがより多く負担することで、2人の時間を作るのはどうでしょうか?
この連載で以前お話したのですが、僕は子育てをしっかりやっているつもりだったのに、妻に「2%しかしていない」と言われて驚いたことがあります。家事も同様です。そんなつもりはなくても、まだ多くの家庭では奥さんに家事や子育ての負担が偏っていることが多いのではないのでしょうか。
もしも、りんたいさんも奥さんと同じくらい疲れているのだとしたら、掃除や洗濯などを家事代行会社やシルバー人材センターなどに頼む、食事を宅配や外食、お惣菜などにするという選択肢もあります。そうすれば、お互いの負担が減るでしょう。
また、りんたいさんがお子さんの寝かしつけをするのもいいと思います。ママじゃないと寝ない子もいるとは思いますが、最初こそ「パパはイヤ」などと言っても、そのうち寝てくれるようになると思います。そうすれば、お子さんが寝たあとに時間が取れるのではないでしょうか。
あとは平日に日程を合わせて有給休暇を一緒に取る、土日にお子さんを保育所の一時保育・ベビーシッター・祖父母などに預けたり、周囲のパパ友やママ友と協力し合って交代で子どもの面倒をみたりすれば、2人の時間を取ることができるでしょう。
結果的に2人の時間を取る方法は……
一方、奥さんの仕事が大変すぎて無理がある場合は、転職するという手もあります。もちろん、あくまで奥さんご本人の意思次第ですから、配偶者でも安易に転職をすすめるのはよくありません。それでも、現在の勤務状況に無理がないかどうかは聞いてもいいと思います。
また転職はしないまでも、お子さんが小さいうちだけでも、立ち仕事ではないバックヤードの部署などに異動させてもらえないか、時短制度を使えないかなど、会社に勤務形態を相談することもできるのかもしれませんから、よく話し合ってみるのはどうでしょうか。
最後に、夫婦仲がすでに少しよくなくてすれ違いが起きているとか、奥さんが夫婦の時間を持つことに積極的ではない場合ですが、これはりんたいさんが家事や育児を多く担当したり、奥さんにやさしい声かけをしたりしていくことで少しずつ改善に近づくのではないかと思いました。
短い相談文ではわからないことだらけですが、少し気になったのが、りんたいさんが忙しくて疲れている奥さんの「話を聞きたい」のではなく、ご自身が「相談したり悩みを話したりできません」と書かれていた点です。
1日中歩き回ったうえに子育てや家事をしていたら、子どもを寝かしつけたあとに配偶者の相談や悩みを聞くのは難しいだろうと思います。むしろ、奥さんが寝落ちするほど疲れているなら、ぜひ話を聞いて気遣ってあげてください。そうすれば、結果的に2人の時間が取れるようになるのではないでしょうか。
今回の結論!
古坂大魔王さんプロフィール
1973年7月17日生まれ。青森県出身。1992年にお笑い芸人「底ぬけAIR-LINE」でデビュー。現在は、芸人、DJ、音楽プロデューサーのほか、文部科学省・CCC大使、総務省・異能vation推進大使を務めるなど、マルチな才能を活かして活躍中。2児の父。NHK Eテレ『すくすく子育て』、日本テレビ『スッキリ!』をはじめ、多数のバラエティ・情報番組に出演中。プロデュースするピコ太郎の公式YouTubeチャンネル内に幼児向けコンテンツ「ピコスタキッズ」を開設した。
ピコ太郎のYouTubeチャンネル『-PIKOTARO OFFICIAL CHANNEL-"PIKO ST KIDS"』
Twitter @kosaka_daimaou
(取材・文:大西まお、撮影:天田輔[インタビュー]、佐藤登志雄[タイトル・結論]、編集:マイナビ子育て編集部)