#古坂大魔王のモヤズバッ! Vol.3 男性育休の前例がない会社、父親として取るべき?
お笑い芸人や音楽プロデュース、テレビ番組のMCなど、多忙な毎日を送りながら、2児のパパとして育児に奮闘する様子をSNSで積極的に発信している古坂大魔王さん。同じように育児や夫婦関係のことで悩んでいるパパ・ママのお悩みに、ズバッと切り込みます。
今回のお悩み
ゼットンさん(33歳)
うちの会社では男性が育休を取ったという前例がなく、取るべきかどうか悩んでいます。古坂さんは育休を取ってよかったですか?
古坂さんの回答
長女誕生時に言われた「2%」
結論から言うと、育休を取ったのは間違いなくとてもよかったですね。
僕が育休を取ったのは、第二子が生まれたとき。実は今4歳の長女が生まれたときは、毎週末のようにピコ太郎と一緒に海外で仕事してたんですよ。かなりのハードスケジュールだったので、育休どころじゃなかった。
それでも家にいられるときは、がんばって育児してる“つもり”だったんです。たとえば、おむつを3回くらい替えて「よし!」、うんちを処理したら「できた!」って、いちいち達成感を感じたり。でも、よく考えてみたら、新生児のおむつ替えは1日10回以上あるし、うんちを片付けるのは当たり前。奥さんは自分でやらざるを得ないから、初日からほとんど全部を毎日やっていたわけです。
そのあと、子どもが生まれて半年で「イクメンオブザイヤー」という名誉な賞をもらっちゃったわけです、僕が。さらに当時のインタビューなどを見返すと、僕は妻をサポートしたいという意味で、「妻サポ」って言葉を何度も言ってました。自分の子どもなのに、なぜか子育ての「当事者」ではなくて「サポート」要員だったわけです。
これを運動部にたとえたら、部員がたった2人しかいないのに、そのうちのひとりが勝手にマネージャーか用具係になっちゃったみたいなもの。すごく無責任だし、おかしいですよね。それなのに勘違いしていた僕は自分ではしっかり育児しているつもりで、妻に「俺、育児を何パーセントくらいしてるかな?」って聞いたら「2%」って言われたんです。
育休をとって家族がより仲よしに!
育休を取って何よりよかったのは、奥さんと子育ての大変さを分かち合えたこと。子育てってひとりで担うには、あまりにも過酷すぎる。子どものパワーは本当にすごいので、受けとめるのは大変です。子どもは朝から晩まで、はしゃいだり、泣いたり、怒ったり、喜んだり、走り回ったりするものですから。
次によかったのが、子どもたちとの愛着関係が深まったこと。子どもにとっての1週間って長いんですよね。たぶん大人の4倍くらいの感覚。子どもの1週間は、大人の1ヶ月くらいに相当するんじゃないかと思っています。つまり、お父さんが1週間も不在だと、1ヶ月も遊んでもらってないみたいになる。それでは懐かない。だから今も、なるべく家にいるようにしてるし、1週間に1〜2回は子どもたちとしっかり遊んでいます。
おかげで娘たちはパパっ子に育っていて、先日も次女が寝かしつけのときに泣いて「パパがいい」って戻ってきて、僕の腕にくるまって寝たのを見て「ああ、やっとここまできた」とうれしかった。子どもが「ママがいい」って言うのは、ママのほうがお世話をしているから。しっかり愛情を注いでお世話をすれば、「パパがいい」にもなるんですよ(笑)。
つまり、育休を取ると、夫婦も家族全員もみんな仲よくなるし、大変だけどおもしろいし、いいことばかりです。可能だったら、ぜひ育休を取ってみてください!
今回の結論!
古坂大魔王さんプロフィール
1973年7月17日生まれ。青森県出身。1992年にお笑い芸人「底ぬけAIR-LINE」でデビュー。現在は、芸人、DJ、音楽プロデューサーのほか、文部科学省・CCC大使、総務省・異能vation推進大使を務めるなど、マルチな才能を活かして活躍中。2児の父。NHK Eテレ『すくすく子育て』、日本テレビ『スッキリ!』をはじめ、多数のバラエティ・情報番組に出演中。プロデュースするピコ太郎の公式YouTubeチャンネル内に幼児向けコンテンツ「ピコスタキッズ」を開設した。
ピコ太郎のYouTubeチャンネル『-PIKOTARO OFFICIAL CHANNEL-"PIKO ST KIDS"』
Twitter @kosaka_daimaou
(取材・文:大西まお、撮影:佐藤登志雄、編集:マイナビ子育て編集部)