#古坂大魔王のモヤズバッ! Vol.15 夜中に何度も起きて授乳する妻の手助けがしたい。男でもできることってある?
お笑い芸人や音楽プロデュース、テレビ番組のMCなど、多忙な毎日を送りながら、2児のパパとして育児に奮闘する様子をSNSで積極的に発信している古坂大魔王さん。同じように育児や夫婦関係のことで悩んでいるパパ・ママのお悩みに、ズバッと切り込みます。
今回のお悩み
いべるたるさん(34歳/情報・IT/技術職)
夫婦で育休を取っていて、育児に積極的に参加しています。妻が夜中に何度も起きて授乳を行うので助けてあげたいんですが、授乳中に男にできることが思いつきません。何かできることはないでしょうか?
古坂さんの回答
母乳育児で追い詰められた経験
夜中の授乳、大変ですよね! うちも上の子が生まれたとき、奥さんが授乳のために夜中に何度も起きていたのでとても心配しました。それで僕も、いべるたるさんと同じように何かできないかと思い、最初は夜中の授乳時に一緒に起きていたんです。
でも、奥さんに「特にやってもらうことはないし、寝てて」と言われてからは、仕事が忙しかったのもあって寝てしまいました。ところが後で聞いたところ、奥さんは本当はしんどかったので起きてほしかったみたいです。これは人とときと場合によるかな、と思います。
その後、男性の友人に子どもが生まれたときに「夜中はずっと俺が対応してるんだ」という話を聞いて、よく聞くと夜中は育児用ミルクにしていたんです。それはすごくいいなと思って、第二子が生まれる前にうちの奥さんに提案してみたところ「ぜひ、そうしたい」と。
うちの奥さんは上の子のときに母乳育児指導の厳しい病院で出産したので、入院中から夜中も頻繁に授乳することになり、精神的に追い詰められていたんです。初めての出産時に「絶対に母乳がいい」「母乳育児が一番」と言われたら、しんどくてもやらざるを得ないですよね。
でも、実は本人は特に母乳育児にこだわってなかったんです。僕は母乳か育児用ミルクかよりも、奥さんの心身の健康のほうが大事だと思いました。それで第二子のときは、奥さんと相談し母乳ではなく育児用ミルクにして、僕が夜の担当をすることにしました。
育児用ミルクにもメリットはある
母乳には免疫成分などが含まれていてさまざまなメリットがあると聞きます。でも、授乳が育児のすべてではないし、育児用ミルクだったからこそ僕も授乳ができ、妻は無理をしないで済んだので、とてもいい選択だったと今でも思います。
第二子は寝かしつけも授乳も僕が担当していたからか、「ママじゃないと泣き止まない」なんてこともありません。夜泣き対応もすごく得意になったし、下の子は上の子以上にパパっ子に育っています。
だから、もしも奥さんが夜中の授乳がしんどそうであれば、「母乳育児をしたいのか、育児用ミルクでもいいと思っているのか」を話し合って、授乳スタイルを見直すチャンスかもしれません。育児用ミルクなら、お父さんも授乳することができます。これは大きなメリットだと思うんです。
子どもによっては哺乳瓶を嫌がることもありますが、慣れもありますし、いろいろなタイプがあるので試してみてもいいと思います。吸う力によって乳首の穴が大きすぎたり、小さすぎたりするということも関係するとか。
ただ、どうしても哺乳瓶を受け付けてくれない子もいるようです。その場合は大変ですが、母乳育児をがんばるしかありません。
父親が授乳以外を負担するのも◎
そもそも、奥さん本人が母乳育児をしたいのであれば、尊重するのがいいと思います。ただ、産後すぐの女性はとても疲れているし、産後うつ病などのリスクもあるので、負荷を減らす必要があると思います。
少なくとも授乳回数が多い生後すぐ、または育休中で時間のあるときは、授乳と赤ちゃんの世話だけに専念させてあげるという手もあります。料理や食器洗い、掃除、洗濯などの家事、おむつ替え、入浴などの授乳以外の育児をなるべく引き受けたら、奥さんの負担は確実に減りますよね。
母乳育児のために夜中にしっかり眠れていなくても、日中にしっかり仮眠をとることができれば、奥さんも少しは楽になるのではないでしょうか。「そのほうが、夜中に一緒に起きてもらうよりもいい」と言う奥さんもいると思います。
それに母乳育児のままでも、日中に搾乳機で搾乳して冷凍しておいてもらい、いべるたるさんが夜中に解凍して哺乳瓶で授乳するという手もあります。もしくは、月・水・金・日の夜中は奥さんが直接授乳し、火・木・土の夜中は解凍した母乳か育児用ミルクにしてゆっくり休んでもらうということだってできます。
直接母乳をあげられるのはお母さんだけですが、それ以外はすべてお父さんでもできること。どういう選択肢があるのか、何を優先したいのか、ぜひ奥さんの意見を聞きながら、お二人で考えてみてくださいね。
今回の結論!
古坂大魔王さんプロフィール
1973年7月17日生まれ。青森県出身。1992年にお笑い芸人「底ぬけAIR-LINE」でデビュー。現在は、芸人、DJ、音楽プロデューサーのほか、文部科学省・CCC大使、総務省・異能vation推進大使を務めるなど、マルチな才能を活かして活躍中。2児の父。NHK Eテレ『すくすく子育て』、日本テレビ『スッキリ!』をはじめ、多数のバラエティ・情報番組に出演中。プロデュースするピコ太郎の公式YouTubeチャンネル内に幼児向けコンテンツ「ピコスタキッズ」を開設した。
ピコ太郎のYouTubeチャンネル『-PIKOTARO OFFICIAL CHANNEL-"PIKO ST KIDS"』
Twitter @kosaka_daimaou
(取材・文:大西まお、撮影:天田輔[インタビュー]、佐藤登志雄[タイトル・結論]、編集:マイナビ子育て編集部)