1人目は自然妊娠でも起こりうる「2人目不妊」主な原因と対処法|生殖医療専門医解説
子どもを授かり、無事出産。そろそろ次の子を、と思っているのになかなか妊娠しない……そんな「2人目不妊」は珍しいことではありません。今回は産婦人科専門医・生殖医療専門医の菊地盤先生(メディカルパーク横浜院長)に、「2人目不妊」について解説いただきました。
■今回の解決ドクター:菊地 盤 先生(メディカルパーク横浜院長/産婦人科専門医・生殖医療専門医)
2人目不妊はなぜ起こる?
Q 「2人目不妊」とはどういう状況なのでしょうか?
2人目不妊とは、2人目の子供の妊娠を試みても1年間以上子供を授からない状態を指します。この状態になるカップルは約30%程度いると言われております。
年齢も影響するため、1年経過せずに検査や治療を考えることが重要です。
Q 2人目不妊はどうして起こるのでしょうか?
主な原因としては、加齢が挙げられます。晩婚晩産化の影響で、1人目の妊娠が高齢になるため、2人目を考える時点ではさらに高齢になり、妊娠率が低下することがあります。
また、セックスレスも妊娠率に影響する要素です。1人目の育児のストレスのために性交渉が減少しているカップルも存在します。
なお、出産自体が影響を与えることは少ないですが、帝王切開の場合は「帝王切開瘢痕症候群」という妊娠に影響する状態になっている可能性があります。
他にもよくある原因として、2人目をなかなか授からないことを不安に思っていても、不妊クリニックに通うために1人目の子供を連れて行きにくいという悩みも多く耳にします。しかし、現在は当院を含め子供連れでも受診可能なクリニックはたくさんあるため、一度相談してみることをおすすめします。
「2人目不妊」を疑ったら、どう動く?
Q 自分が2人目不妊かもしれないと思った時、どのようにすればいいのでしょうか?
育児をしながらの妊活には様々ご負担があるかもしれませんが、まずはセックスの頻度を上げてみる努力をしてみることをおすすめします。
また、授乳中の場合は、すぐの妊娠ができないように乳汁分泌ホルモン(プロラクチン)が排卵を抑制するようにできています。よって、個人差はありますが、授乳中は排卵しづらくなることがあります。
母乳を介して投与されたお薬が赤ちゃんに移行する可能性がありますので、二人目を考え始めたら断乳も計画していくと良いかもしれません。心配であれば受診の時期を待たずに相談してください。
Q 2人目不妊の場合は、特別な治療をするのでしょうか?
2人目不妊の治療法も、通常の不妊治療と同様です。ただし、前回の妊娠時よりも年齢が高くなっているため、積極的に治療を検討していただく方がいいかと思います。なお、帝王切開瘢痕症候群など妊娠に影響する疾患がある場合は、手術が必要な場合もあります。
菊地先生からのアドバイス
不妊専門医療機関への受診を検討するタイミングは、セックスレスなども含め、他人に相談しづらいものだからこそ、不妊専門医療機関への受診を考えていただきたいです。特に2022年4月以降、不妊治療は保険適用されておりますので、気軽に受診してよいと考えます。
2人目不妊に悩むご夫婦は多いものです。ただ、相談窓口が充実しているとは言えませんので、我々のような不妊クリニックをうまく使っていただきたいです。
(文:菊地 盤先生、協力:株式会社メディコレ、構成:マイナビ子育て編集部)
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