非常時用の食料備蓄ってどのくらい必要? 食品ストックのコツ【6人家族実例つき】
防災用に食品をストックしたほうがいいとわかりつつ、いざ買うとなると、何がどのくらい必要かわからない……。そんなときは、ストックする日数分の献立を立てるところからはじめてみませんか? 書き出してみると、具体的に購入するものも見えてきますよ。
4人の子どもと暮らす、名古屋在住ライフオーガナイザー®︎の中矢くみこです。
非常時のために、食品備蓄の必要性を感じているご家庭も多いのではないでしょうか。大人であれば比較的なんでも食べることができますが、小さな子どもの場合はそうはいきません。非常時下だからこそ、子どもが安心して食事ができるようにしたいですよね。
備蓄する食品を選ぶときにオススメしたい方法が、非常食の献立づくり。今回は、献立を作るときのポイントや、コンパクトな収納方法についてご紹介していきます。
無駄な備蓄なし! ストック用献立のメリット
食料を備蓄する際、3日〜1週間分の備えが必要だと言われています。
ただ、何がどのくらいあると3日〜1週間分もつのかは、家庭ごとに違ってきます。我が家の場合、6人家族で人数が比較的多いということもあり、ストックは5日分用意しています。
我が家に合った食品を選ぶために役立ったのが、非常食の献立。紙に書き出すことで必要なものが具体的にわかりますし、いざというときに家族で共有しやすいツールなのです。
献立を立てるときの3つのポイント
献立を立てるときに、意識していることが3つあります。
1. どこまで調理する?
献立を立てるとき、温めが必要なもの、調理が必要なものをどのくらい入れるによって、メニューが変わってきます。
パッククッキングするもの、お湯で温めるもの、水だけで戻すもの、そのまま食べられるもの。
献立に「調理が必要」「お湯が必要」などとメモしておくと、食べるものを選びやすい気がしています。
我が家の場合、調理が必要なものが比較的多めなので、非常時にネットが繋がらないことを想定してレシピも一緒に保管しています。
いざというときに献立やレシピがパッと見れるように、備蓄したものと一緒に置いておきます。
2. 子どもが食べ慣れたものにする
いざというときに「食べられない……」とならないように、子どもが食べ慣れたものをメニューに選ぶようにしています。
というのも、賞味期限の長いアルファ米や魚の缶詰類は、子どもたちが小さいころはあまり食べてくれなかったのです。普段の食事の中で少しずつ取り入れて、慣れさせておく必要性を感じた出来事でした。
今でも、長期保存のものは子どもにも試食してもらって、食べられるものを選ぶようにしています。賞味期限が1~2年以下の食品になってしまったとしても、ローリングさせればOK! 子どもたちが食べやすいもの、たとえばパックご飯や鮭の瓶詰めなどをストックしています。
卵好きな子どもたちのために、冷蔵庫に1パック余分に常備するのも防災対策を考えてのことです。
3. ちょっとしたお楽しみを!
災害という非常時では、大変なストレスがかかることが想定されます。そんな中での食事が少しでも楽しくなるように、備蓄する食品は好きなメニューを多めにしています。
お餅が好きな我が家では、切り餅に小豆缶、きなこは常備。シリアルなども人気です。また、子ども達が好きなお菓子もストックしています。
レトルトのカレーも、家族それぞれで好きな味を選んでみたり、普段はあまり買わないカップスープの素やふりかけなども特別感があるようです。
いざというとき、献立通りの食事ができるとは限りません。ただ、非常時で心が落ちつかない中で「さて、何を食べよう?」と毎回考えなくてすむのは、少しだけ気が楽になるのではないかと思っています。
シンデレラフィット! 高さ18cmの引き出し
我が家が食品備蓄収納に使用しているケースが、無印良品の「PP収納ケース引出式横ワイド・小」。
2段使用し、家族6人分×5日分の食品を入れています。
この、高さ18cmというのがポイント! レトルトの箱、ふりかけなどのパッケージを横向きにすると、ちょうど収まる高さなんです。
横向きに収納することで、引き出した際に上から一覧でき、何がどこにあるのか子どもにもわかりやすくなっています。防災用のスペースを確保するのも難しい中で、空間を無駄なく使えるのは助かります。
注意点としては、引き出しの耐荷重が3kg。重くなりがちな缶詰やレトルトを1段にまとめないように、上下で重さを分散するようにしています。
賞味期限チェックを楽に! 油性ペンは近くに
せっかくストックしたものの、ついやりがちなのが「賞味期限切れ」。普段は目にしないので、気がつくのが遅れてしまうんですよね。
そこで我が家は年に2回、防災月間の9月と半年後の3月に備蓄内容をチェックし、賞味期限が近いものを入れ替えるようにしました。
毎回、賞味期限を探して日付をチェックするのは手間に感じるので、引き出しを開けるだけで日付がわかるように、油性ペンで大きめに賞味期限を書いています。
食品をしまうときにサッと書き込めるように、油性ペンは近くにセット。キャップのないプッシュタイプの油性ペンが便利です。こちらはセリアで購入しています。
食べるものがないときには、この引き出しから食べているのですが、日付が大きく書いてあれば、子どもたちでも賞味期限が近いものを選びやすいようです。
まとめ
食品備蓄の量に不安を感じるときは「朝・昼・夜に何をどのくらい食べるのか?」を書き出すことからはじめてみませんか?
日常の落ち着いたときなら、家族の好みや栄養バランスを踏まえた献立が考えやすくなるはずです。一気に備蓄するのは大変だからこそ、優先したいメニューから少しずつストックしていけば、備蓄の負担も軽くなります。
今回の記事が、みなさんの食品備蓄の参考になれば幸いです。
(文・写真=中矢くみこ)