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2024年10月21日 16:00 更新

えこひいきする職場の上司。私に雑用を押し付け、お気に入りの人ばかり評価アップ……<子育て心理カウンセリングルーム>

子育て中のママ・パパの悩みを臨床心理士・公認心理師に相談する『子育て心理カウンセリングルーム』。今回は、共働きのママの職場に関するお悩みです。「えこひいきや不当な評価をする上司に悩んでいる」というその訳は……。

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えこひいき、雑用の押し付け、不当な評価……職場の上司がありえない

職場の上司が、人によって態度を変え、私に厳しい態度をすることに悩んでいます。
お気に入りの人の面倒な雑用を少しでも軽くし、わたしにその分の仕事をする様に遠回しに強要してきます。わたしが同じことをしていても評価はされず、お気に入りの人の方は評価をしています。コンプライアンス的な面であまりやりたくない仕事を断ろうとしたところ、「仕事なのだから、やりたくないというのはありえない。私ならやるのに」というように強要してきたりして、困っています。
(39歳・女性・自動車関連/事務系専門職)

■家族構成:自分39歳、夫39歳、長男10歳、長女8歳
■お困り度:★★★★★★★★☆☆

※写真はイメージです

職場の上司が自分の好みで部下に対する態度を変えたり、仕事量を増やして押し付けたりということが起きておられるのですね。

このような場合、上司からの『あなたがミスするから悪い。あなたが仕事を断るのが悪い。』というようなメッセージが部下に責任を感じさせ、精神的に追い込んでしまう場合があります。上司に否定され続けることにより、今の状況や上司の対応がおかしいのではなく、自分が悪いから叱責されているのだろうと考え、自分を責めたり罪悪感を抱いたりしてしまうと危険信号です。こうして部下が自責の念にかられて上司からの不公平な要求に従うようになると、上司からの要求はエスカレートしてしまうこともあり得ます。

相談者さんは、今の状況がおかしいという冷静な判断ができていますし、自分の考えを上司に伝えることもできておられますね。冷静で客観的な状況判断をできることはとても大切なことです。

①第三者に相談する
ここでまずは、職場内でどなたか相談できそうな方はおられませんか? 上司と一対一の支配的な関係性ができてしまうことを避けるためには、なるべく第三者を巻き込む状況を作ると良いので、立場が上のどなたかに相談できないか考えてみてください。

②自分の意見や考えを適切に表明する
また、自分の意見を飲み込み我慢しすぎることなく、おかしいと思うことはおかしいと伝えたり、できないことはできないと伝えたりすることも諦めないでほしいと思います。上司との対立構造を悪化させないように注意しつつも、『ここまでは仕事を請け負えるがこれ以上はできない』とか、『この仕事はコンプライアンスに反するのでできないけれど、代替案としてこれなら可能だけどどうか?』と提案をしてみるとか、自分の思いを我慢せず伝えることは、ご自分の心を守るために必要です。上下関係がある中で目上の立場の人に対しノーと言うことは良くないと考えられがちですが、どのような場面であっても、その場に相応しい形で自分の意見や気持ちを伝えることは大切なことです。

③環境を変える
でも、いくら手を尽くして頑張っても状況が変わらなかったり悪化してしまったりすることもあるかもしれません。そのような際は、ご自分の心が壊れてしまう前に環境を変える選択肢を持つことも忘れないでいてください。今ある環境から逃れることはできないと感じその社会の中で苦しみ続ける構図は、学校のいじめや職場でのパワハラでもよく見られると思います。でも、ご自分らしく生き生きと生きていける環境を選びとる勇気を持つことも大切です。

ここから逃げることはできないと思い込んで我慢し続けるのではなく、ご自分がのびのびと笑顔で過ごせる環境に移るという選択肢も頭の片隅に置いておいてくださいね。

(文:臨床心理士 亀井紗代子/うららか相談室)

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