甘えん坊な小5息子。1歳のいとこにまで嫉妬して泣く始末で…どうしたらいい?<子育て心理カウンセリングルーム>
子育て中のママ・パパの悩みを臨床心理士・公認心理師に相談する『子育て心理カウンセリングルーム』。今回は、小学5年の息子についてのお悩みです。「なんとか穏やかに過ごしてほしい」というその訳は……。
甘える小5息子、年下の従姉妹に嫉妬。穏やかに過ごすいい方法は
小学5年生の息子がいます。
息子とは日頃から仲良く過ごしていますが、5年生になってもまだ赤ちゃんのようにベッタリ甘えてきたり、従姉妹に極度にヤキモチを焼いていて困っています。特に実家に帰ったときに、従姉妹(1歳)が来ると息子は本当に不機嫌になり、ヤキモチを妬いて泣いたりしてしまいます。
実家の両親が従姉妹にだけ可愛がっているというわけでもなく、むしろ息子にもすごく気を遣ってくれて可愛がってくれているのですが、なかなかそれが通じません。9歳も離れているのにも関わらず、呆れるほど嫉妬を剥き出しにするので、実家に帰省するのも私自身辛くなってきますし、従姉妹にも申し訳なく感じています。全くヤキモチを妬かせないというのは難しいですが、なんとか穏やかに過ごしてほしいと思います。
何かいい方法はないでしょうか。
(40歳・女性・専業主婦)
■家族構成:自分40歳、夫41歳、長男10歳
■お困り度:★★★★★☆☆☆☆☆
小学5年生の息子さんは今、思春期の入り口に立っている年齢ですね。親に対してもこれまでとは違って複雑な感情を抱き始めてもおかしくない時期ですが、日頃から仲良く過ごしているとのこと、素敵なご関係を築けていることと思います。ベッタリ甘えてくることも、まだまだ子どもの部分と思春期を行ったり来たりする時期であることを思えば、おかしなことではないとも思います。
1歳の従姉妹に極度にヤキモチを焼くことでお困りとのこと、学校の友達など同じくらいの年の子たちに嫉妬をすることはないのでしょうか? 自分と周囲の友達とを比べてその違いを理解したり自信を持ったり失ったりすることを通して、だんだん自分自身というものを作り上げていく年齢ではあるので、嫉妬心そのものについてはまったく問題のない、むしろ順当な発達だと思います。
ただ、同じくらいの年齢のお友達には向けないヤキモチを、1歳の従姉妹にだけ向けているのだとしたら、上記のような発達段階的によくある嫉妬というよりは、周囲の大人の関心や愛情が自分から逸れることへの不安からくるものなのかもしれません。ご兄弟がいない息子さんにとって初めての「自分より小さい身内」を脅威に感じるところがあったとしても、自然なことなのではないかとも感じます。実家のご両親は息子さんにも気を遣って可愛がってくださっているとのこと、10歳の子どもと1歳児の可愛がり方とでは違って当然ではありますが、もしかしたら現状が息子さんの望む気の遣われ方とは異なるのかもしれません。
この辺りも含め、まずは、どのような気持ちからヤキモチを焼いているのか、従姉妹や周囲の大人に対して、また自分自身に対して、それぞれどんな感情が湧くのか、息子さんからよく話を聞いてみましょう。「9歳も離れているのに」というお気持ちはごもっともですが、それはいったん置いておいて、息子さんの話してくれたことをそのまま「そうだったんだね」と受け止めたうえで、息子さんを誰よりも大切に思っていることや、息子さんには息子さんだけの魅力や価値があることなど、安心感や自信につながるようなことをお伝えになると良いでしょう。
「呆れるほど嫉妬を剥き出しにする」というのが具体的にどんな感じなのかにもよりますが、もしも従姉妹やご両親、相談者さんなどに攻撃的な言動をするようなら、その言葉や行動は不適切であることも伝えておいた方が良さそうですね。嫉妬でどうしようもなくなってしまったら、剥き出しにする前にその気持ちを相談者さんに話しに来るようにするなど、その場面での望ましい対処法についても相談しておかれると良いと思います。
(文:臨床心理士 たかだちかこ/うららか相談室)