結婚を意識するまで貯金ゼロ「このままじゃヤバい!」助産師さんが一念発起ではじめたお金の勉強【今年こそ投資をはじめたいあなたへ】
子育てにはお金がかかるもの。新しい年を迎え「今年こそお金を増やすぞ!」と意気込んでいる人も多いのではないでしょうか。そこで、Instagramで投資について発信し、まもなく第一子の出産を控える助産師カップルさんに、初心者向けの「お金の勉強法」を聞きました。
結婚を意識して焦り「貯金が全然ない!」
2020年にお付き合いをスタートしたという、もえさんとケイタさん。
先に投資の勉強をはじめたのはもえさんですが、「もともと浪費家で、まったく貯金がなかった」といいます。
もえさん 元々は浪費を重ねていて貯金が全然なかったんです。夫と付き合いはじめて結婚を視野に入れたときに「このままじゃマズイ」と気づいて。お金の勉強をはじめて投資でお金を増やせることを知り、2021年3月に投資を始めました。
一方、ケイタさんも貯金ゼロではなかったものの、どちらかといえばお金の知識に乏しく、不安があったといいます。
ケイタさん 僕も貯金が得意なタイプではなくて、結婚を意識したとき「お金の使い方を見直さなきゃな」と自然に思いました。先に始めた妻から勧められて、僕も勉強を始めたんです。
一番最初に手をつけたことは……
もえさん まずは、自分は何にお金つかっているか見直すために、家計簿をつけました。コロナ禍で外出が圧倒的に減ったこともありお金も貯まりやすい環境ではあったかなと思います。どの本でも「手取りの10%は貯金をした方が良い」と書いてあったので、それを目標に、浪費を控えて貯金しました。
当時は職場の寮に住んでおり、家賃負担は軽かったため、浪費をやめたら徐々にお金が貯まっていったという、もえさん。
ケイタさんと二人暮らしをするために、お互い毎月4万円ずつの「同棲貯金」も開始したといいます。
お金を「貯める」と同時に、「増やす」ことを意識し、本を読んだりリベラルアーツ大学のYouTube動画を見たりしてどんどん勉強。
100円からできる「つみたてNISA」をはじめました。
もえさん つみたてNISAは少額からできると知って、1,000円からコツコツと始めました。まだ知識は足りていなかったと思いますが、とりあえず口座を開設してみようと行動したんです。
最初は多くの人がおすすめしている銘柄・S&P500が間違いないだろうと思って購入。AppleやGoogleなど誰でも知っている有名なIT企業が入っていることが大きかったです。もちろん「絶対」はないですけど、AppleやGoogleがこの先50年くらい潰れることはまずないだろうと思えました。
自分のお金を預けることによって、それまで他人事だった投資の世界が一気に自分事になります。もう勉強せざるを得なくなりますよね(笑)。そこに自分を追い込んで、さらに本を買って読んで……見切り発車でしたけど、走り始めた過去の自分に「よくやったぞ!」って今は言いたいです。
ケイタさん その後、僕も彼女から「投資やったほうがいいよ!」と勧められて遅ればせながら勉強をはじめました。正直、それまでは「投資って本当に大丈夫かな? 怪しいんじゃね?」と思っていたのですが、それは何も知らなかったからだなって。
実際につみたてNISAをはじめて、たった2年続けただけで本当に利益が出てお金が増えている実感があります。ほったらかしでも毎月続けて行けば確実に将来のお金は増えていきますね。昔よりは「投資脳」になってきたと思います(笑)。
結婚前に「お金の話をしよう」
結婚話が具体的になったとき、「お金のこと」を徹底的に話し合って、価値観をすり合わせたというもけ夫婦さん。同い年のカップルで、年収は同じくらいでしたが、「基本は私のお給料だけで生活できるようにしたいね」と、もえさんが提案。ケイタさんの収入は手をつけず、できるだけ貯金や投資に回していくことに決めました。
もえさん 私のお給料だけで生活をやりくりすると決めて「とりあえずやろう!」とその通りに実践したところ、1年で結構貯めることができました。
お小遣いはそれぞれ同じ額で、プラス残業代は個人の頑張りということで、それぞれ好きに使っていいことにしました。好きなものを買ってもいいし、投資に回してもOKです。
現在も月に一度、欠かさず前月の収支などについて夫婦で確認する時間を設けているそう。
そして結婚後、ケイタさんはそれまで勤めていた職場を辞め、フリーランスとして働いていくという大きな決断をします。
ケイタさん 会社員をしていたときは、朝が早くて残業も多く、家にいる時間が少なくて本当に疲弊していました。忙しくなると夫婦の時間を捻出するのも難しいくらいで……。そんな僕を見て、退職を後押ししてくれたのは妻なんです。
もえさん 私も助産師として働いているし、お金についても漠然とした不安は解消していたので、一時的に世帯収入が減っても大丈夫だと思えました。それに、あのままの働き方で妊娠・出産していたらと思うと……。
ケイタさん きっと、ワンオペ育児をさせちゃうことになっていたと思います。今は在宅で仕事できているので時間にも余裕があり、夫婦協力して子育てできるんじゃないかな。
もえさん 赤ちゃんが生まれてくるのが楽しみですね。夫がフリーランスになってからは月によって収入の増減があるため、今まで以上にお金の話をするようにしていますが、お互いにお金の大切さを理解しているのでそれで喧嘩になるようなこともありません。
キャパシティを超えた投資はしない!
少額からコツコツ投資していくという堅実派のお二人は、これまでのところ大きな失敗はないといいますが、これはあくまでも「長い目で見ることが大事」と考えているから。
もえさん 私がつみたてNISAを始めた時は、ちょうど新型コロナの影響で株価が暴落したちょっと後で、株価が上がりきらないタイミングでした。最初の頃はマイナスになってしまって、毎日株価が気になって仕方ない時期もありましたね。
ただ、長期的に見ればマイナスになることは当然あるものなんだと学び、「一時的なことだと良いな」と割り切るようにしました。少額で始めているから、見ないふりもできたんだと思います。もしこれが30万とか入れていたら眠れなかったんじゃないかな(苦笑)。
だから、自分のキャパシティを超えた額を投資に回さないように気を付けた方がいいですね。生活費や貯蓄はしっかり確保して削らず、あくまでも余剰を投資に回すという意識が大事です。
今年こそ投資をはじめたいというママ・パパたちには、「まずはNISA口座を開設して、100円でも良いからはじめてみることがおすすめ」。
基本的に、一度設定すれば毎月自動で引き落としやクレジットカード支払いができますし、ボーナス月などはネット上で金額の増減ができるので、最初の一歩を踏み出せれば後はスムーズ。
そうしてスタートができたら、たとえマイナスが出ていても、焦って売らないこと。もえさんは「15年、20年の長い目でプラスになればいいんです。だから、安心して眠れる金額を入れることが大事です」といいます。
もえさん 「お金が増える感覚」ってそれまでなかったんですけど、今はお金が増えるって楽しいな、と思えます。それがますます節約も頑張ろうって思えるきっかけにもなり、無駄遣いをしなくなりました。「1,000円あったらこの株買えるな」とか考えちゃいますね。
ケイタさん もうすぐ子どもが生まれますけど、妊娠がわかったときは反射的に漠然としたお金の不安もありました。でも、どのくらいお金がかかるのか一通り調べて計算して、これならイケそうだと不安はなくなりました。何もしていなかったらゾッとしていたかもしれませんね。妻の提案で、夫婦でファイナンシャルプランナーの資格も取得しました。お金のことを学ぶのは楽しいですね。
(取材・構成=今川佳奈)