【働くママのセルフケア】泣ける!癒される!!『疲れた心に効く絵本』 #推し本教えてください!
新年度がスタートし、はや1ヶ月が経ちました。慌ただしい4月が過ぎ、お疲れを感じているママも多いことでしょう。ほっとひと息、絵本で心を整えてみませんか……?
忙しいママの疲れた心に“効く” 感動・癒し絵本8選
今回は、家事、育児、仕事にと日々大忙しのママの疲れを癒してくれる “心に効く絵本”8冊を、出版社などで働く本のプロがご紹介します!
涙と一緒に日々の疲れも流してしまいましょう……!
『たからもののあなた』(作:まつお りかこ/岩崎書店)
フウのお母さんは毎日お仕事で忙しい。園で描いたお絵かきをすぐ見せたかったのに、その日はフウが寝たあとでお母さんは帰ってきました。次の朝、「どうしておかあさんは、ずっといっしょにいてくれないの」と泣きだしたフウを、お母さんはぎゅっと抱きしめて言いました。
「いっしょにいないときもわすれないで。フウはおかあさんのだいじなたからもの。だいすきで だいすきで だいすきよ…」
フルタイムで働く忙しいママたち。子どもといっしょにいない時間の方が長くなります。この絵本の主人公フウのお母さんもそうです。でも、もちろん子どもにとってお母さんを超える存在はありません。
仕事をもつママと子どもが、共に成長するあたたかい物語です。
この本をおすすめしてくれたのは…
岩崎書店 セールスプロモーション部 広報
千田ひかりさん
平日(時には土日や祝日も)働くママたち。日々の仕事と家事・育児の両立は大変ですよね。
子どもと一緒に居てあげたいけど、仕事に行かないといけない時。ママと離れたくない!と園で泣き出す子どもに、後ろ髪を引かれる思いで仕事に向かう時もあります。
さみしい思いをさせてるな…と思ったら、是非この絵本を一緒に読んでみてくださいね。そして最後に「あなたはママの大事なたからものだよ!」と伝えてあげてください。
あんなに あんなに(著:ヨシタケシンスケ/ポプラ社)
子育ては「あんなに」の連続。
あんなにほしがってたのに、あんなにしんぱいしたのに、あんなに小さかったのに―。
日常にあふれるたくさんの「あんなに」の中で、子どもは大人になっていく―。
大人気の絵本作家・ヨシタケシンスケによる、こどもと昔こどもだったすべての人に届けたい、ちょっと目頭が熱くなっちゃうやさしい絵本。
この本をおすすめしてくれたのは…
ポプラ社 一般書文芸編集部
藤田沙織さん
子どもとの日々の暮らしはまるで戦場のよう。思い描いた穏やかな暮らしなんて夢のまた夢、毎日毎日「お母さんお母さん」と呼ばれ続けて、お風呂さえゆっくり入れなくて、どうして毎日こんなに大変なんだろうと涙ぐむ夜もあります。でも、そんな大変な日々も必ず過ぎていってしまう。きっといつか懐かしく思えるような日がくるよ、安心して子どもとの日々を過ごせばいいんだよ、と思わせてくれる一冊です。
おかあさんがおかあさんになった日(著:長野ヒデ子/童心社)
「あなたがうまれた日のこと……」
期待と不安でむかえる、はじめての出産。
あかちゃんがうまれ、はじめてお母さんになるまでの1日を描いたロングセラー絵本。
「あなたのおかげで、わたしはおかあさんになれたのよ」
あたたかく語りかけるような文と、優しい絵で、うまれてきたあかちゃんへの思いと、おかあさんになれた喜びがあたたかく伝わってきます。
小さなお子さんにもわかりやすい、語りかけるような文章です。
「わたしは、ぼくは、どうやってうまれたの?」
絵本をきっかけに、お子さんがうまれたあの日の喜びを、どうぞご家族で語り合ってください。
姉妹作に『おとうさんがおとうさんになった日』、『おばあちゃんがおばあちゃんになった日』もございます。
この本をおすすめしてくれたのは…
童心社 編集部 宣伝・著作権・海外版権担当
井上厚治さん
娘のお気に入りで、思い入れの深い絵本です。特に1・2歳の頃、くりかえし読んでほしいとよく持ってきたのがこの絵本でした。よむと自然に娘や息子が生まれた時の話に話題がひろがり、家族みんなで楽しんで読んだ絵本です。昨年刊行30年を迎え著者長野ヒデ子さんのインタビューを掲載しました。著者のこんな言葉が胸に響きます。「おかあさんになったのではなく、おかあさんをさせてもらっている。子どもに育ててもらっているのだ」こちらもよろしければご一読ください。
姉妹作『おとうさんがおとうさんになった日』も推し本です!
わすれていいから(著:大森裕子/KADOKAWA)
うまれたときから いっしょのおまえ。
でも おまえはだんだん いないことが おおくなったよな。
子猫が拾われた家には、生まれたばかりの赤ちゃんがいました。1匹と一人はいっしょに成長していきますが、赤ちゃんは成長して子どもになり、学校や友達との世界が広がっていきます。猫と子どもがいっしょに過ごす時間がだんだん少なくなってきたとき、猫はふと気がつくのです。
さいきん おまえ いないなーー。
子どもの成長と巣立ちを応援する、1匹とひとりの物語。
当たり前に過ごしている時間が愛しくなる絵本です。
この本をおすすめしてくれたのは…
株式会社KADOKAWA 児童局 児童第一編集部
跡辺恵理子さん
子どもの巣立ちは喜ばしい別れですが、心配でさみしくて、つい口や手を出しすぎてしまうことも。
でも猫は子どもの成長も変化もあるがままに受け止め、寄り添い、サラッと見送る。そんな風に子どもを見送りたいという想いから生まれた絵本です。
子どもをもつ親だけでなく、親元を離れた経験のある人にもグッとくる1冊です。
くものうえのハリー(作・絵:城井文/パイ インターナショナル)
大切なこひつじを亡くしてしまったお母さんは、毎日悲しみにくれていました。そんなお母さんを雲の上から見ていたハリーは、もう一度お母さんにあいたい!と勇気を出して雲の上からおりていきます。姿は見えなくても、ハリーの気配を感じたお母さんは、ハリーと過ごした日々を思い出します。思い出をたどるうちに、ハリーが与えてくれたのは、悲しみではなく、かけがえのない時間や喜びだったことに、お母さんは気づくのです。「幸せは、なにげない日常にあるもの」だと気づかせてくれる、大切な人に「ありがとう」と伝えたくなる感動の絵本です。
この本をおすすめしてくれたのは…
パイ インターナショナル 広報宣伝部
今井祥子さん
発売当時から「子どもとの時間を大切に生きていきたいと思った」といった声を読者の皆さまから多く寄せていただきました。切ないお話ですが、読み終えた後、子育てや仕事など日々追われている人の心を優しく温めてくれます。
本作が、忙しないなかふと立ち止まって、子どもとの日常や関わりを見つめるきっかけになってくれたら嬉しいです。
あなたの すてきな ところはね(作:玉置永吉 絵:えがしらみちこ/KADOKAWA)
あなたが今日、ここにいる。
それは、こんなにステキですごいこと。
お子さんのいいところ、ステキなところ、かわいいところ…ことばにして伝えていますか?
子どもたちの心を支える魔法のことばがつまった絵本。
入園・入学シーズン、新しい世界にふみ出すひとへの贈りものにもおすすめです。
\感動の声が続々!/
●「元気に生まれてきてくれればいい」と思っていたのに、気づけば「あれもこれもできるようになってほしい」と欲ばりに。日常に追われて見失っていたことを思い返すきっかけになりました。我が子の「すてきなところ」を伝えながら読んであげたいです(30代)
●トイレトレーニング中ということもあり、3歳になる息子と毎日大さわぎ。そんな時に読みました。この子がいてくれる。それだけで私たち家族はとっても幸せなんだ、と涙があふれました。今なら、おおらかな気持ちで息子のイヤイヤに付き合えそう(笑)(30代)
この本をおすすめしてくれたのは…
株式会社KADOKAWA 児童局 児童第一編集部
鈴木敦子さん
子どもたちをとりまく世界では「自己肯定感」「レジリエンス」「生きる力」などが重要視されています。その背景にはいったいなにがあるのだろう、という問いがこの絵本企画の出発点にありました。玉置永吉さんのやさしさあふれる文章と、えがしらみちこさんの透明感たっぷりの水彩画を味わってください。「あなた」の部分をお子さんの名前に置き換えたりとアレンジして読んだあと、ぎゅーっと抱きしめてあげてくださいね。
あなたをずっとずっとあいしてる(著:宮西達也/ポプラ社)
マイアサウラのお母さんが小さなたまごをひろいました。自分のたまごといっしょにたいせつに見まもっていましたが、なんと、うまれたのは肉食恐竜、ティラノサウルスのあかちゃんだったのです。大きくなれば、自分のあかちゃんをおそうかもしれません。お母さんは悩みますが、自分の子といっしょに育てることにしました。ティラノサウルスの子とマイアサウラの子は本当の兄弟のように仲よく育ちます。ところが、ティラノサウルスの子はだんだんと自分だけがお母さんや弟に似ていないと気づいてしまいます。やがて、お互いを想うからこそ、せつない別れの時がおとずれて……。母と子の深い愛情を描く感動のおはなしです。
この本をおすすめしてくれたのは…
ポプラ社 児童書編集部
浪崎裕代さん
「ずっとずっとあいしてる」という言葉は母から子へだけではなく、子から母への想いでもあります。人の子も、いつか母の元から離れていくけれど、母からもらったたくさんの愛はやがて子どもたちから何倍にもなってかえってきます。どんなに離れて暮らしていても、心はいつもそばにいるのです。お子さんやお母さんを想いながら読んでいただきたい絵本です。
だいじょうぶ だいじょうぶ(作・絵:いとうひろし/講談社)
おじいちゃんといっしょにする、散歩。
ゆっくりのんびり歩きながら、いろんな道ばたの小さなものにも声をかける、おじいちゃん。
楽しい散歩をしながら、不安なことや怖いものも知った、ぼく。
ぼくはこのままちゃんと大きくなれるんだろうか?
小さなぼくが不安な気持ちになると、おじいちゃんはいつも、魔法のことばで助けてくれる。
生きていくためのしなやかな強さを育む、心にしみる絵本です。発売からおよそ30年。今なお愛され、大切に読み継がれています。
この本をおすすめしてくれたのは…
講談社 児童図書編集チーム 編集者
磯村花世さん
やさしさと愛に満ちた物語です。成長するにつれ、心配や不安を覚えていくぼくに、おじいちゃんはいつも「だいじょうぶ だいじょうぶ」と言ってくれます。すると、たいていのことは、だいじょうぶになっていきました。月日が流れ、ぼくは大きくなり、おじいちゃんが年老いていきます。ぼくはこういいます、「だいじょうぶだよ おじいちゃん」。人はこうして繋がっていくのですよね。感動の展開と魔法のことばにママ自身も癒されてください。
忙しい日々にほっとひと息、心のデトックス!
育児に家事、仕事にと大忙しのママたちの心に響く絵本8冊を紹介しました。
普段、子どものために読んであげることの多い絵本ですが、ちょっと疲れたなと思った時、是非、自分のために絵本を開いてみてくださいね。頑張っている自分を癒したり、認めたりすることができるでしょう。そして、今しかない子どもとの日々をさらに愛おしく感じ、涙と共に疲れた心もスッと軽くなるかもしれません。
(寄稿協力:岩崎書店、ポプラ社、童心社、KADOKAWA、パイ インターナショナル、講談社/マイナビ子育て編集部)