片栗粉と小麦粉の違いとは？　使い分けるコツや代用のポイントを解説

まずは、片栗粉と小麦粉の基本的な違いを見ていきましょう。

片栗粉は現在、市販品のほとんどがじゃがいも由来のデンプンから作られています（かつてはカタクリの根が使われていました）。グルテンは含まれておらず、加熱するととろみがつく性質があります。

小麦粉は、小麦を原料とした粉で、グルテンを含んでいます。グルテンは、水を加えることで粘りや弾力を生み出します。

また、小麦粉はグルテンの含有量によって、薄力粉・中力粉・強力粉に分類されます。

片栗粉や小麦粉は、料理の目的によって使い分けられます。ここでは、代表的な用途をメニュー例とともに紹介します。

片栗粉は、水に溶いて加熱するととろみがつく性質があるため、麻婆豆腐やあんかけ、中華スープなどに欠かせません。

また、肉のコーティングや打ち粉、肉団子のつなぎなど、幅広い用途で使われます。

小麦粉は、グルテンの力でしっかりとした膜を作れるため、肉や魚にまぶして焼くことで、うま味や肉汁を閉じ込めることができます。ムニエルやピカタなどが代表的です。

揚げ物では、小麦粉（主に薄力粉）を使うことでサクサクとした軽い食感に仕上がります。

また、シチューなどのとろみ付けにも使えますが、焦げやすいため火加減に注意が必要です。

片栗粉と小麦粉は、揚げ物の衣としても使われますが、仕上がりの食感が異なります。好みに合わせて使い分けましょう。

片栗粉を使って揚げ物を作ると、サクサク・ザクザクとした食感に仕上がり、衣は白っぽくなります。

時間が経つと油っぽくなりやすいため、揚げたてを食べるのがおすすめです。

小麦粉を使うと、揚げたてはカリカリ、時間が経つとしっとりとした食感になります。

小麦粉で作った揚げ物は、衣が油を吸収しにくいため、時間が経っても食感が損なわれにくいのが特徴です。

片栗粉は小麦粉と比べて使用頻度が低いため、ストックを切らしがちです。片栗粉がない場合にも、用途によっては他の食材で代用できることがあるので、慌てずにチェックしましょう。

唐揚げなどの衣であれば、小麦粉で代用できます。

片栗粉を使った場合よりも、ややしっとりとした仕上がりになり、焦げやすい点に注意が必要です。

※アレルギーがある場合は、原材料に注意して選ぶようにしてください。

中華スープやあんかけのとろみ付けには、コーンスターチやくず粉が代用できます。

コーンスターチとはとうもろこし由来のデンプンから作られる粉で、くず粉はくずというマメ科の植物の根から抽出されたデンプンから作られる粉です。

片栗粉で作るときと同じように、水に溶いたものを最後に加えて火にかけるととろみがつきます。片栗粉と比べると粘度が低く、白っぽくなることもある点に注意してください。

肉団子やつみれなどのつなぎには、小麦粉で代用可能です。

小麦粉を使うとしっかりとした食感になりますが、よりふっくらと仕上げたい場合にはパン粉を使うのもおすすめです。

片栗粉と小麦粉は、見た目が似ていても原料や性質が異なる、全く別の粉です。

片栗粉は、とろみ付けや揚げ物をサクサクに仕上げるためによく使われるのに対し、小麦粉はジューシーさを引き出したり、揚げ物をしっとりと仕上げたりするのが得意です。

料理の目的や食感の好みに合わせて、上手に使い分けましょう。