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2024年09月30日 10:00 更新

竹内由恵さんインタビュー【2】第一子の産後、言えなかった「ミルク足したいのでください」。第二子では「こんなに違うんだ」

竹内由恵さんは2021年に第一子を、2023年に第二子を出産。10月にリリースした書籍では妊娠や出産についてもありのまま素直な気持ちを綴っています。

■当時は人に話せなかった

(竹内由恵さんInstagramより)
(竹内由恵さんInstagramより)

ーー著書では初めて、流産の経験も明かしています。

竹内 はい。すごくセンシティブなトピックなので、SNSでも発信していませんでした。SNSに書くことで、自分の思いとは違うところで傷ついてしまう人がいると嫌だなというのが一番大きくて。でも一方で、自分自身が流産を経験したときに、他の方々の発信にすごく救われた部分があったんです。

ーーわかります。「自分だけじゃないんだ」と感じるというか。

竹内 そうですね。待望の赤ちゃんができてすごく嬉しくて、でも妊娠の継続が叶わなくて、そんなことあるんだって……そのときは信じられないくらいすごく落ち込んでしまいました。
 そのとき、いろんな人のSNSだったり本だったりで同じような経験を読んで、自分の気持ちがどこか癒されるのを感じました。センシティブだからこそ、あまり身内にも話せなかったので、知らない誰かの言葉に一番慰められたんですよね。だから、自分の経験を書くことで、誰かにとってプラスに感じてもらえることがあるなら嬉しいなと思って、書籍で明かそうと思いました。

ーー親しい関係の人にほど、気を遣わせたくなくて打ち明けられなかったりしますよね。

竹内 そうなんです。その後、気持ちが落ち着いてから友人に「実はあのときこういうことがあって」と話すと、「実は私もそうなんだよ」って。意外と流産の経験というのは多くて、でもみんなあえて言わない、言えないんだなと思いました。

■出産は地獄の痛み! しかし第二子のときは……

(竹内由恵さんInstagramより)
(竹内由恵さんInstagramより)

ーーおでこちゃん(=長男)を妊娠中の体調はいかがでしたか。

竹内 私はそこまでつわりはひどい方ではなかったんですけれども、耳が聞こえにくくなる症状が出て、それがつらかったです。耳管開放症と言って、聞こえる音や声が体の中で反響しているような感覚があり、すごく煩わしくて厄介でした。私の場合は出産したら治りましたが、人によっては産後もずっと症状が続くこともあるといいます。

ーーそれはつらかったですね。出産ではトラブルがありませんでしたか?

竹内 トラブルもなく、スムーズだったと思います。でも、陣痛は思っていたより数1000倍痛かったですね。まず、これが陣痛だと思ったものが陣痛ではなく前駆陣痛で、病院に行ってもまだ子宮口は1cmしか開いていなくて帰されまして。「えーっこんなに痛いのにまだ陣痛じゃないの!?」って、まずびっくり。
 いざ本番の陣痛になったら、確かにそれまでとは全然違う痛みで! 本当にきつかったので、 こんな痛みは生涯二度と味わいたくないって思うほどでしたね。思わず「聞いてないよー!」って叫びたくなるほど、想像を超えるレベルでした。

ーーお産は人間の想像を軽く超えてきますよね。第二子のときは……?

竹内 自然分娩は赤ちゃんとともに痛みを乗り越えたという一体感を味わうことができたのですが、またあの痛みを味わうことは自分にはできないと判断し、無痛分娩の麻酔をしてもらいました。私は麻酔がすごくよく効いてくれたみたいで、陣痛の痛みがスッと楽になって。第一子の出産では全然余裕がなくて「ああ生まれたんだ……」と呆然でしたが、第二子のときは落ち着いていて感動の涙も流れちゃいました。

ーー無痛分娩だと産後の回復力も違うといいますよね。

竹内 全然違って、回復が早かったですね! 私は元気すぎかもしれませんが、もうピンピンで(笑)。もちろんお産は人それぞれですが、私の場合は無痛分娩がすごく合っていたので体力を温存できました。

■赤ちゃん同伴で仕事復帰

(竹内由恵さんInstagramより)
(竹内由恵さんInstagramより)

ーー産後のお話も聞かせてください。

竹内 第一子のときは「なるべく母乳で育てるぞ」と頑張っていたのですが、最初ってそんなに母乳が出ない。おっぱいを頑張って吸おうとしても、ほとんど出ないので、息子は病室でずっと泣いていました。私も本当に眠れなくて、「吸わせると出るようになる」というから、2~3時間おきどころではなく、ずっとあげてるみたいな感じでしたね。

ーー「産後すぐに母乳が出るわけじゃない」なんて産むまでわかりませんでしたよね。第二子のときには、もう少し余裕があったのですか?

竹内 ありました。第一子のときには言えなかった「ミルク足したいのでください」って言葉も言えました。ミルクもあげつつ頑張ろう、とゆるく考えられましたし、娘もミルクを飲んでぐっすり寝てくれてまったく泣かないですし、こんなに違うんだって驚きました。

ーー第一子のときは完全母乳で、仕事復帰にも赤ちゃんを連れていかれてたんですよね。

竹内 そうです。そういうことを許容してくれた現場に感謝しています。静岡と東京だと移動時間もあり、月齢にしては離れている時間が長くなってしまうので、ご厚意に甘えさせていただきました。
 新幹線に乗って仕事場に連れていって、楽屋でベビーシッターさんに見てもらいながら、お仕事をしていました。赤ちゃんの頃は静かなもので、新幹線には多目的室がありそこで授乳することができるので、そこまで移動は大変ではなかったのですが、「あれ触りたい、これ触りたい」という好奇心が強くなると、もう連れて行くだけで汗だく。仕事場につく頃にはへとへとでした。

ーー今も仕事にはお子様同伴ですか?

竹内 2人同時に連れて移動するのは厳しいとわかったので、最近は長男は保育園で下の子だけ連れて行ったり。私の帰りが遅くなるときはシッターさんを頼んだり義理の母にお願いしたりして、ようやく少し周りを頼れるようになってきたかな、という気がしています。

竹内由恵さん/タレント、元テレビ朝日アナウンサー

(竹内由恵さんInstagramより)
(竹内由恵さんInstagramより)

慶應義塾大学法学部政治学科卒業。08年、テレビ朝日入社。『ミュージックステーション』『やべっちF.C.』など数々の番組で司会をつとめる。Mステ8代目サブ司会として、番組史上最長の5年間を担当。15年には『スーパーJチャンネル』メインキャスターに。19年3月に一般男性との結婚を発表し、同年末日にテレビ朝日を退社。夫の勤務地である静岡県に移住後、数カ月の専業主婦期間を経て、タレントとして活動を再開。21年に第一子、23年に第二子を出産。

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(写真:本人提供 取材・構成:マイナビ子育て編集部)

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