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2024年10月01日 06:51 更新

5児の父、カジサックさんインタビュー/息子が20歳になったら自分の時計を渡したい「これでどうにかせえよ、って」

9月7日にさいたまスーパーアリーナで開催された『第39回 マイナビ 東京ガールズコレクション 2024 AUTUMN/WINTER』でヘリテージジュエリーをテーマにしたランウェイを、家族7人で歩いたカジサックさん。16歳から4歳までの5人育児についてや、妻・ヨメサックさんへのリスペクトを語ってくれました。

ヘリテージは「受け取る側の気持ちも尊重したい」

ーーYouTubeチャンネル『カジサック』でもお馴染みの奥さまと、お子さま5人の「カジサックファミリー」でのランウェイ、いかがでしたか?

カジサック 僕がいちばん下手でしたね。子どもたちは直前まで緊張していましたが、いざ表舞台に立つとえらい笑顔で歩いていて。さっきネットニュースにさっそく上がっている記事を見たら、僕がいちばん下手くそでした(笑)。

「〜宝⽯のまち甲府〜KOFU JEWELRY LOVE PROJECT STAGE」に登場したカジサックファミリー。左から叶渚ちゃん、寅次郎くん、カジサックさん、千鈴ちゃん、羽留ちゃん、ヨメサックさん、冬詩くん
「〜宝⽯のまち甲府〜KOFU JEWELRY LOVE PROJECT STAGE」に登場したカジサックファミリー。左から叶渚ちゃん、寅次郎くん、カジサックさん、千鈴ちゃん、羽留ちゃん、ヨメサックさん、冬詩くん
©マイナビ TOKYO GIRLS COLLECTION 2024 AUTUMN/WINTER

カジサック TGCには何度かお邪魔させてもらっていますが、毎回家族のいい思い出になっています。今回も非現実を味わわせていただきました。

ーーテーマは「ヘリテージジュエリー」で、カジサックさんはカジュアルなスタイルにストリートに映えるジュエリーをつけています。

カジサック かっこいいですよね! 僕は普段はアクセサリーをつけませんが、これを機にジュエリーを意識したいと思いました。子どもたちも、これをきっかけにジュエリーに興味持つんちゃうかなあと思いましたね。

プラチナ、ダイヤモンドを使用したハニカムのペンダント(上)と、クロスのネックレス(下)を重ね付け
プラチナ、ダイヤモンドを使用したハニカムのペンダント(上)と、クロスのネックレス(下)を重ね付け

ーーカジサックさんはヘリテージジュエリーの存在を知っていましたか?

カジサック ジュエリーは知りませんでしたが、個人的には、実は以前から考えていたんです。時計を子どもに受け継ぎたいな、と。

ーーまさに「受け継ぐ=ヘリテージ」ですね。いちばん近いのが、現在16歳の長男・冬詩さんですね。

カジサック 息子が20歳になったタイミングで、僕が持っている時計をあげたいな、と思っています。

ーーその計画、お子さまたちは知っていますか?

カジサック はい。僕もそれが楽しみすぎて、言うてもうてるんですよ。「20歳になったら、お酒を一緒に飲みながら時計を授けるっていう儀式をやろうな」言うて。子どもたちに言うてもうてるから、絶対に授けないといけない状況なんですよ(笑)。

ーー受け継ぐとき、どんな想いを乗せたいですか?

カジサック どこかに自分を感じてほしい、というのもありますし、なんだかごっついやらしい話ですけど(笑)、自分が渡そうと思っている時計って結構価値がある時計なので、なにかあったときに「これでどうにかせえよ」という想いもあります。

ーー『マイナビ子育て』で取り上げたヘリテージ体験談の中には、「祖父の代から受け継いだ時計を父からもらったとき、父も祖父から『なにかあったらこれを売りなさい』と言われて受け取った」というものがありました。「自分はいなくとも、子どもの一助になりたい」という想いが込められているのですね。

カジサック 僕もそれに近いです。あとは、受け取る側の気持ちも大切なのかなと思います。数年後、子どもが20歳になったときに「これは彼に必要ないな」と思ったら、ひょっとしたら渡さないかもしれないですしね。押し付けるのはよくないと思うので、本人たちが「お父さんから受け継ぎたい」という気持ちが強かったら、あげようと思っています。

夜、ひとりになると「ここまで育ってよかった」と泣きたくなる

ーー今日のランウェイでもYouTubeでも、本当に仲睦まじい姿を見せてくれるご家族ですが、お子さま5人の育児って想像を絶します……。

カジサック やっぱり妻が一番大変ですよね。僕は家にいるときはできる範囲で家事をやっていますが、基本的に仕事で外に出ていますし。子育てに関しても同じです。僕は教育や叱ったりする部分を担っていますが、子どもたちとずっと時間を共にしているのは妻なので、めちゃくちゃ大変な思いをさせているな、と申し訳なく思うこともあります。しんどいところを妻任せにしてしまっているので。

だから僕が胸を張って「子ども5人を育てるのって大変ですよ!」みたいなことは言えません。妻には本当に頭が上がりません。

ーー一方で、幸せを感じるのはどんなときですか?

カジサック 仕事が終わって家に帰ってきたときです。子どもたちが出迎えてくれると、本っ当に、ピターーッ! っと疲れが取れるんですよ。彼らの成長をずっと見続けて、その過程を思ったりすると、夜とか泣きそうになったりすることもあります。腹が立つこともあるし、怒りすぎることもありますが、ふと落ち着いたときに思うとね、「ここまで育てられてよかったなあ」と、泣きたくなるんです。

ーー心に染み入ることがあるのですね。

カジサック そうですね。たとえば子どもが「ありがとう」と言ってくれた、ということを、ひとりになったときにふと「いい感じに成長してくれているな」と思い出してグッとくるんですよね。

カジサックさん

ーーカジサックさんのお子さまの年齢は上は16歳、下は4歳と、とても幅広く、さらに性格などもちがうとなると、それぞれどうやって付き合っていますか?

カジサック 昔から、僕と子どもの2人の時間を作っています。そうすると、それぞれの性格がわかってくるので、それがわかるとそれぞれに効果的な声のかけ方もわかるんですよね。

ーー「2人の時間を作る」は、子育てのさなかに気づいたんでしょうか。

カジサック 生まれる前から考えていました。僕はYouTubeもそうなんですが、結構準備をするタイプの人間でして。子育てに関しても、「子どもってどうやって接したらいいんだろう」ということを生まれる前からすごい考えて計画していて、そのなかのひとつに「2人の時間を作る」がありました。

深い夫婦喧嘩は「数日間置いて、頭を冷やして話し合う」

ーーそんなに早い段階から! ほかにはどんな計画がありましたか?

カジサック 「両親ともに、赤ちゃんのときから感謝の気持ちを大きな声で聞かせる」とかです。

ーー「ありがとう」を意識的に使うということですね。

カジサック そうですね。子どもって、生まれたときはゼロの状態で、見るもの・接するものは親しかないわけじゃないですか。そんなときに汚い言葉を使っていると、それもそのままスポンジのように吸収してしまうかもしれない。だから、「ありがとう」という言葉をあえて大きな声で赤ちゃんのときからずっと言い続けて、1歳、2歳になっても続けて、気づくと子どもが「ありがとう」を自然に使うようになるんですよね。

ーー実を結んだ瞬間に立ち会えるのは、とてもステキですね。

カジサック ありがたいですよね。

カジサックさん

ーーお子さまとも仲が良いですが、ヨメサックさんととても仲睦まじいですよね。円満の秘訣はありますか?

カジサック 喧嘩も普通にしますが、「喧嘩をしても、とにかく長引かせないこと」を目標にしています。その日のうちに話し合おう、と。でも、そこで終われない深い喧嘩もあるんですよね。「もう今日中にはムリだ」となったら、「2人とも落ち着いて冷静になるまで時間を置こう」と言い、2日間なら2日間、きっちり頭を冷やしてから2人で話し合うようにしています。

ーーそうすることで、「喧嘩」ではなく「話し合い」になるのですね。

カジサック そうですね。

ーー普段からコニュニケーションを取っているからこそできることなのかな、とも思います。

カジサック そうですね。プラス、相手へのリスペクトは必要だと思います。お互いにリスペクトがなくなると、どうしても上下関係などが出てくると思うので。

ーーヨメサックさんのどんなところをリスペクトしていますか?

カジサック リスペクトだらけです! 若いときに僕と結婚してくれて、21歳で1人目の子どもを生んでくれて、そこからずーっと赤ちゃんがいる状態なんです。長男が幼稚園に行ったころは右も左もわからん若手ママで、周りから「若いママだね」という目で見られていたと思ったら、気がついたらもう十何年の大ベテランですからね。

「仲の良い家族」と言われるけど、ありのままだからプレッシャーはない

ーーごきょうだい、ずっと同じ幼稚園に行っているんですね!

カジサック そうなんですよ。だから、そういうストーリーを振り返るとね……読者モデルをやっていて、僕と出会っていなかったらまた違った華やかな道を歩んでいたんちゃうかな、とか考えるんですよね。僕と一緒にいることを決めてくれて、自分の時間をなくして子どもたちに捧げていて……と思うと、もうリスペクトしかないです。

ーーこれまでのおふたりの歩みを思うと、だからこその仲睦まじさなんだと実感します。最後に、この記事を読んでいるパパ、ママにメッセージをお願いします!

カジサック 子育てってひょっとしたらゴールなんかないんちゃうかな、という感じですよね。長い道のりの中、しんどいときもあると思います。僕たちも動画上では「仲良しこよしでいい家族」と言われたりしますが、揉めることもあれば、子育てが上手くいかんこともあります。

ーー「仲が良い」と強調されすぎて、プレッシャーを感じることはないですか?

カジサック それはないんですよね。最初のころから無理なく嘘なく伝えているので、「仲良くしないといけない」というプレッシャーはゼロなんです。もちろん、ガツン! と叱っているところは使っていませんが、普段の考え方や姿をありのまま使っています。

カジサック みなさんも、どうか自分を責めすぎずに、しんどいときはいろんなことを一回無視して、しっかりと休んでいいんじゃないかなと思います。

ーー無視する、というのは楽になりますね。

カジサック 何も考えずにいる時間は必要です。お父さん、お母さんのどちらかに任せたり、自分の親や、親友など、もし子どもを見てもらえる人がいるならば、そういう存在に頼ってフリーな時間を作ることが、すごく大切なんじゃないでしょうか。

ーーありがとうございました!

カジサックさん/YouTuber、お笑いタレント

梶原雄太さん。1980年8月7日生まれ、大阪府出身。NSC大阪校22期生で、1999年9月に西野亮廣さんとコンビ「キングコング」を結成。直後から大ブレイクしテレビ界を席巻。2018年、芸人の中でもいち早くYouTuber宣言をし、公式チャンネル『カジサック』を開設。現時点で登録者数246万人を誇る、芸人YouTuberの第一人者。

(取材・文:有山千春 撮影:松野葉子 編集:マイナビ子育て編集部)

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