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2026年01月22日 11:11 更新

工学ってなに? え、それも⁉ 東大【エンジニアフェスティバル】で親子が見つけた“意外すぎる答え”(東京・文京区)

先日のマイクラ取材に続き、東京大学で小中学生向けに開催された「工学」イベントへ。工学という言葉は聞いたことがあるけれど、息子には説明できず、どこか縁遠い存在に感じていました。だからこそ息子に知ってほしい、筆者自身もちゃんと学びたい──そんな思いで参加すると、実は超身近で暮らしに直結する驚きが次々と広がっていました!

【小中学生集まれ! エンジニアフェスティバル in 東大】とは?

2025年12月6日(土)と7日(日)に、東京大学の本郷キャンパスで【小中学生集まれ! エンジニアフェスティバル in 東大】が開催されました。

このイベントは、小中学生が普段あまり触れる機会の少ない「工学」を、楽しくわかりやすく体験できる無料フェスティバル。

東京大学工学部の公認親睦団体「丁友会」主催のもと、学生・教員・企業が協力して、工学体験プログラムを実施。毎回応募が殺到する人気イベントのため、事前申込・抽選制となり、今回は各日2,000人、合計4,000人の参加枠が設けられました。

街づくりも工学だった! 親子で挑戦した「再開発すごろく」には気づきがいっぱい

最初に参加したのは、都市工学科・都市計画コースの『私と都市の工差点』です。

都市工学科・都市計画コースは、都市や地域の課題を多角的に分析し、計画やデザイン、政策を通じて「暮らしやすい街づくり」を学ぶ専門コース。
その学生さんが考案したプログラムは一見難しそうに見えましたが、すごろくも用意されていて、親子で気軽に楽しめそうだと思い挑戦しました。

最近耳にする機会の多い「再開発」というワード。その概要や進め方を、すごろく形式で遊びながら学べる内容となっていました。

再開発とは、都市の課題を解決し、暮らしやすさや安全性を高めるための有効な手段のこと。たとえば老朽化した木造住宅が密集していた地域に高層マンションを建て、元の住民の住居を用意することに加えて、追加で床面積を確保して新たな住民やお店に入居してもらい、賃料を得ることで開発費を補う─そんな仕組みもあるのだとか。

再開発とは、単に“街並みを新しくすること”だと思っていた筆者でしたが、実際はいろんな仕組みや工夫があって驚きました。さらに、こうした街づくりが工学部で学ぶテーマのひとつだと知って、「工学って意外と身近なんだ!」と感じました。

東大生がイチからつくり上げたすごろくには、難しい言葉が並んでいましたが、それも学びにつながる良い刺激に。学生さんの説明を頼りに息子はニュアンスをつかみながら進め、最後には筆者に勝って満面の笑みを見せていました。

体験を終えたあと、息子が「あ、あれも再開発かな?」とポツリ。体験の内容がしっかり心に刻まれていたことに驚かされ、思わずうれしくなりました。

クルマ好き息子の目が輝いた! 本田技研工業の「水素ミニカー」体験

「走らせるだけじゃない! 新しいクルマを考えるのも工学なんだ!!」──。そんな気づきをくれたのが、本田技研工業の『水素でクルマを走らせよう!』。当日は先着順での申し込みにドキドキしましたが、朝早めに並んだ努力が実り、無事に参加枠を確保できました!

席に案内されると、目の前に体験用の水素カーが。

息子はもうワクワクが止まらず、開始を待ちきれない様子でした。
体験は「二酸化炭素を出すのは、なぜダメなの?」という問いからスタート。

ガソリン車と地球温暖化の関係は理解していたものの、ガソリンのもととなる化石燃料が古代の動植物から生まれた限りある資源だと知り、「そっかー、なくなるんだ!」と親子でしっかり認識。「なんだかんだ掘ればあるんでしょ?」と密かに思っていた分、その気づきのインパクトは大きかったです。
だからこそ地球上に豊富にある“水”を活かし、走行時に二酸化炭素を排出しない燃料電池車「水素カー」に、次世代を変える可能性を強く感じました。

ついに実験のステップへ。水素カーに備え付けられていたシリンジを取り外し、水素を充填していきます。

水素スプレー缶を手に取ると、「え、本当に中身があるの?」と思うほど軽い。

シリンジを車体にセットし、いざ走行開始すると……

おぉ、走り出しました‼

その姿を見つめる息子の目はキラキラと輝いていて、まるで未来をのぞいているみたい。その後も「水素充填→走行」を何度も繰り返し、最後までずっと楽しそうに夢中になっていました。

超本格的なタイヤ交換! これぞ、工学を肌で感じるリアル体験

本田技研工業の水素カー体験が「未来の技術に触れる体験」だったのに対し、「今を支える工学のリアルを味わう体験」となったのが、東京大学工学部モーター同好会の『触って体験!自動車の仕組み』です。

モーター同好会が実際のレース車両で行うタイヤ交換を体験できると聞き、胸を躍らせながら会場へ。

「子ども向けだから軽くサポート程度かな?」と密かに思っていたら……待っていたのはまさかの超本格的な挑戦でした!

使用する工具も全部本物で驚き!

十字架のような形をした工具でタイヤのネジをていねいに外していくのが、交換作業の第一歩です。
難関だったのは、タイヤを持ち上げて外す場面。

軽自動車用とはいえ、その重さ12~13kg。学生さんの力を借りながら何とかクリアしました。
タイヤを外したあとは、今度はタイヤの装着に挑戦。

ネジを締める力は車種ごとにメーカーが規定しており、その基準通りに誰でも均一な力で締められる特別な工具を使用しました。

予想以上に大変な作業でしたが、息子にとっては“クルマの構造を体で理解する”貴重な体験になったようです。

えっ、飛行機がエイの形に⁉ ジェットエンジンが紐解く空のヒミツ

最近、飛行機に興味を持ち始めた息子が楽しめそうだと思い参加したのは、東京大学航空宇宙工学専攻・姫野武洋教授による講演『ジェットエンジンのなかみとしくみ』

まず投げかけられたのが、なぜ飛行機は空を飛べるのでしょうか?という質問。

姫野教授が示した答えは、風船をふくらませて手を離すというシンプルな実験によるものでした。空気が外へ押し出されると、その反作用で風船がシュルシュルッと飛んでいく。これが「作用反作用」の仕組みであり、ロケットも同じ原理で宇宙へ飛び立つのだそうです。
飛行機のジェットエンジンにも、この仕組みが応用されているんですって。エンジンが後ろへ強い空気を押し出すことで機体は前に進み、翼が受ける上向きの力「揚力(ようりょく)」と組み合わさって空を飛ぶことができるのだとか。

さらに教授は大きな扇風機を取り出し、風を背後から袋で受け止める実験を披露。

背後から袋で風をキャッチすると、袋がふくらみ、扇風機が前へ押し出されるように動きました。これは「作用反作用」のしくみそのもの。子どもたちも大人も「わあ!」と声をあげ、飛行機が空を飛ぶヒミツを身近に感じることができました。
実際のジェットエンジンには大きなファンがあり、その奥にガスタービンが隠れています。

ファンが空気をたくさん取り込み、ガスタービンが燃料を燃やして熱い風を生み出し、飛行機を前へ進ませる力になるのだそうです。

最後に紹介されたのは、環境にやさしい未来の空を目指す航空機の挑戦について。

燃費改善とCO₂削減を目指す設計は進化の途上にあり、翼と胴体が一体化した“エイ型”の機体を、大手航空機メーカーからスタートアップ企業までが提案しているのだとか。その斬新な姿に、息子も思わず「すごい!」と目を輝かせていました。

カミナリ実験ショーで見つけた「工学ってなに?」の答え

身近だけれど、まだまだ不思議が多いカミナリ。その実験が見られると聞いて「面白そう!」と参加したのが、メタバース工学部実験班による『わくわく実験ショー』です。

カミナリを再現した実験装置

カミナリを一言で表すと、「めちゃめちゃすごい静電気」なんだそう。雨雲の中では小さな氷の粒がぶつかり合って静電気がたまり、限界を超えると地面に向かって一気に流れます。そのときに空気が「電気を帯びた特別な気体=プラズマ」に変わって、ピカッと光ったり、ゴロゴロ音を出したりします。
実はこれがカミナリの正体なんですって。なるほど~!

見えにくい後方席だったので、息子は立ち上がり、カミナリを再現した実験ショーに食い入るように見入っていました。

当日はカミナリに触れる体験も用意されていたのですが、息子はビビッて断念(笑)。もちろん安全に体験できるように出力は調整されていたので、筆者だけでも体験しておけばよかったと悔やまれます。

さて、朝からいくつかのプログラムを体験してきましたが、ここでようやく「工学ってなに?」の答えに出会えました。

自然のしくみを解き明かす学問といえば「科学」。いっぽう「工学」は、その知識を暮らしにどう役立てるかを考える知恵。
たとえば、雷のしくみを調べるのが科学。そこから得た知識を安全な生活や新しい技術につなげるのが工学。親子で「なるほど!」と顔を見合わせた瞬間、工学がぐっと身近に感じられました。

これぞイメージどおりの工学! 世界大会を制したバスケロボットを見学

さて工学と聞いて、真っ先に思い浮かべるメカニックな世界ではないでしょうか? そのイメージ通りだったのが、東京大学のロボコンサークルRoboTechの『世界一のバスケロボットを体感してみよう!』でした。

2025年度の国内大会・世界大会で優勝した2台のロボットが展示され、学生さんによる解説を聞きながら、その迫力を間近で体感できました。

この2台のロボットは、センサーとプログラムで状況を判断し、人の操作と自律動作を織り交ぜて動く"ハイブリッド型"の競技ロボット。遠距離からのシュートやパスを担当するロボット、ジャンプしてダンクシュートを決めるロボットなど、それぞれが役割を分担し、連携して得点を競います。

同じ会場には、UTAT(東京大学航空宇宙技術研究会) の作成した缶サイズの模擬人工衛星「カンサット」も展示されていました。

航空宇宙学の基礎である機械設計・電子回路・プログラミング・通信・制御を総合的に学べることから、カンサットは航空宇宙分野を目指す学生の登竜門となっているそうです。

バスケットロボットとの共通点は、「指示したプログラムに従って、自律制御で動く」という点。

その仕組みを小さな缶サイズで実現しているカンサット、本当に驚くべき存在です!
東大生が手掛けたロボットやカンサットに触れ、そのすごい技術力を肌で実感できた忘れられないひとときでした。

まとめ

街づくり、クルマ、飛行機、カミナリ……。エンジニアフェスティバルで出会ったのは、工学が思った以上に身近だという驚きの連続でした。

本郷キャンパス内の工学部校舎

息子も「工学とは何か」を理解し、筆者自身も説明できるようになったのは大きな収穫。縁遠く感じていた「工学」だけれど、もしかしたら息子の将来の選択肢になるかもしれない、そんな可能性も感じられる体験となりました。

さらに現役東大生と交流するなかで、彼らの知能・技術・発想力などに触れ、親子で「やっぱりすごいね」と実感できたのも貴重な時間でした。
まだまだ参加したいプログラムがたくさんありましたが、時間切れで断念。来年も開催されるなら、ぜひ親子で参加したいです!

(文・撮影:あゆーや/アソンデミエータ)

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