「プロでもドキドキするんだ!」小学生息子が“リアルな空気”に心動かされたお仕事体験イベントとは?(東京・多摩市)
2025年2月に初開催され、大反響を呼んだ「JAF」主催の小学生向け職業体験イベントが、再び帰ってきました! 前回の参加から少し成長した息子と、今回もワクワクしながら会場へ。6つの企業・団体による体験プログラムが用意され、前回とはひと味違うお仕事の世界が広がっていました。さて、そんな中で息子が選んだのは……?
大好評につき再び開催! 【おしごと体験イベント ハッケン!わくわくこども基地】
2025年10月19日(日)、東京都多摩市のJAF中央研修センターで、小学生とその保護者を対象とした【おしごと体験イベント ハッケン!わくわくこども基地】の第2回目が開催されました。
ロードサービスを提供する一般社団法人 日本自動車連盟(JAF)をはじめ、6つの企業・団体が集まり、子どもたちに社会とのつながりを感じてもらう“お仕事体験”の場をご用意。今回は一部参加企業が入れ替わり、新たな顔ぶれで、未来を担う子どもたちの成長を応援しました。
初回は定員の約3倍の応募があり、イベント満足度の平均が4.68と高評価を獲得(※47名が回答、5段階評価)。その反響を受けて、より多くの子どもたちに届けたいという思いから2回目の開催が実現しました。
参加費は無料。事前申し込み制で、6つの企業・団体が提供する8種類のお仕事の中から、気になるものを選んで応募するしくみです。
参加企業/内容
■ダイハツ東京販売株式会社:クルマの魅力を伝えよう! キッズセールスチャレンジ
■多摩中央警察署:①指紋採取体験 ②似顔絵捜査官体験
■多摩信用金庫:やってみよう! たましんのお仕事体験
■JCOM株式会社:安⼼安全アナウンサー体験
■ヨネックス株式会社:実践! ジュニアフィッター体験〜靴選びと履き⽅のプロをめざして
■JAF東京支部:①⾊々な⾓度からモータースポーツの仕事を体験しよう! ②なりきり! JAFロードサービス隊員! ⼦どもロードサービス検定
“やってみたい”を後押し! 事前ワークで育てたワクワクを胸に、いざ本番へ
お仕事体験といえば、当日に企業のことを知って体験するのが一般的。でもこのイベントの魅力は、体験が“当日だけ”ではないことなんです。
事前に届く「学習ブック」には、体験する企業について調べるワークがあり、子どもたちの興味や関心を広げるきっかけに。
2回目の参加となった息子は、「あ、これね」と言いながら、慣れた手つきで体験する企業欄を記入。
親子で話しながら進めていくうちに、「こんなものもつくっているんだ!」「どれぐらいの種類があるんだろう?」と息子の興味が広がり、「当日、聞いてみよう!」とワクワクが一気に加速しました。
そして迎えた体験当日。空はどんよりとしていたものの、息子をはじめ、集合場所のホールに入ってくる子どもたちの瞳はキラキラ!
開会式が始まると、子どもたちの背中からは「これから始まる体験へのワクワク感」がにじみでていました。
モータースポーツの舞台裏へ! 息子、JAFブースで初めてのお仕事に挑戦
息子が最初に向かったのは、JAFのブース。ロードサービスの印象が強いJAFですが、実はFIA(国際自動車連盟)公認の団体として、国内モータースポーツ(※)の運営やルールづくりにも携わっているんです。
※モータースポーツ:エンジンなどの動力を使った乗り物の競技の総称で、代表的なものにレースやラリーがある。
そんなJAFならではの活動を活かし、「色々な角度からモータースポーツの仕事を体験しよう!」というプログラムが用意されていました。
その中のひとつが、レース中に使われる“旗の色”を学ぶコーナー。
モータースポーツでは、赤は「レース中断」、黄は「危険あり、速度を落として」、緑は「安全・通常走行OK」、チェッカーは「レースの終了」など、旗の色によってドライバーに状況を伝える重要な役割があります。
息子は真剣な表情で説明を聞き、最後は理解度を試すクイズにチャレンジ。なんと全問正解!
「赤や黄、チェッカーは知ってたけど、緑もあるんだ!」と驚きながら、旗の意味を知ることでレースの裏側にある“安全を守る仕事”の存在に気づいたようでした。
お次は、「モータースポーツのライセンス発行」体験へ。
クイズに答えてライセンスをゲットするこの体験では、“速さ”だけじゃなく、ルールを理解して守ることがドライバーにとって大事なんだ、ということが自然と伝わってきます。
実はこのライセンス、息子は以前にも取得したことがあるんです。それでも今回改めて手にしたときは、やっぱりうれしかったよう。ちょっと誇らしげな表情で、筆者に見せてくれました。
最後は、リアルなレーシングシミュレーターを使ってのドライバー体験! 息子も家で遊んでいる、おなじみのドライビングゲーム「グランツーリスモ」に挑戦します。
いつもとは違う車やコースにワクワクしながら、ハンドルを握る姿がとても楽しそうでした。
ゲームを終えたあと、スタッフの方から聞いたお話が印象に残っています。
モータースポーツは、一見するとドライバーの個人競技に見えますが、実際にはメカニックやエンジニア、オフィシャルなど、たくさんの人が支えるチーム競技。だからこそ、車を丁寧に扱うことが仲間への思いやりにつながる──そんな深いメッセージが、息子の心にもそっと刻まれたように感じました。
緊張感Max! 「J:COM」のアナウンサー体験で見つけた“伝える心”とは?
次なる息子の挑戦は、「安心安全アナウンサー体験」。地域密着型の放送・通信事業を行う「J:COM」が用意したプログラムで、大災害が起きたときに命を守る情報を伝える、そんな責任ある役割に子どもたちが挑戦します。
ブースに入ると、そこにはまるで本物さながらのスタジオセットが!
その光景に、息子の胸も期待で高鳴っているようでした。
指導してくれるのは、J:COMでアナウンサーも務める櫻井芳子さん。
プロから直接学べる貴重な機会に、親子でワクワクが止まりません。
体験の始まりは、大地震が起きたときを想定したときの“アナウンス原稿”づくりから。
用意されたのは、読み上げに約50秒かかる本格的な内容の原稿です。いくつか空欄がもうけられていて、自分の名前や住んでいる市、最寄り駅など、身近な情報を書き込んでオリジナルの原稿に仕上げていきます。
「もし、これから避難するときは、〇〇を持っていると安心です。なぜならば〇〇〇だからです」──。そんな原稿の一文に、ちょっとだけ悩んだ息子。でもすぐに「懐中電灯」「停電している可能性があるから」と、自分の言葉で書き込んでいました。
原稿が完成したら、いよいよ読みの練習。
学校での音読とは違い、アナウンサーには「原稿送り」という技術が必要なんだそう。原稿をなめらかに読み進めるために、どのタイミングで次のページをめくるかという技です。なるほど……これはなかなか奥が深い!
練習を重ねて、いよいよ本番。ついにマイクの前に座る瞬間がやってきました。
息子が席に着いた途端、表情がキリリと引き締まり、気持ちをぐっと集中させたよう。その姿からは、張り詰めた緊張感がビシビシ伝わってきて、見守るこちらまで思わず息をのむような瞬間でした。
原稿にずっと目を落としたままではなく、ときどきカメラをしっかりと見つめながら読み上げる姿は、なかなか堂々としたもの。
声のボリュームはいつもの半分ぐらいでしたが、そのひたむきな姿に、ちょっと胸が熱くなりました。
体験後の質問タイムでは、思い切って櫻井さんに実演をお願いしたところ、なんと快諾!
プロのアナウンサーの、あまりにもなめらかな話し方に思わず拍手! 声の響きや間の取り方、すべてが洗練されていて、ただただ聞き入ってしまいました。
実はプロのアナウンサーでも、原稿の順番が違っているなど、思わぬハプニングに焦ってしまうことはよくあるそうです。間違えて読んでしまうときもあるけれど、大切なのはその後の対応。
体験中に原稿を読み間違えてしまったお子さんが、落ち着いて言い直す場面がありました。その姿に、櫻井さんが「それが大事なんです」としっかり声をかけていました。「間違えても、伝え直せばいい」それこそが、命を守る放送の第一歩。そんな大切なことを、親子で実感をもって学べた貴重な体験になりました。
足にぴったりを見つけるプロの技とは? ヨネックスのシューフィッター体験
最後に息子が挑戦したのは、スポーツ用品メーカー・ヨネックスによる「シューフィッター体験」。
靴選びのプロの仕事にふれられるプログラムで、その名も「実践!ジュニアフィッター体験〜靴選びと履き方のプロをめざして」です。
もちろん息子は「そんな仕事があるなんて知らなかった!」とビックリ。普段の生活ではなかなか出会えないお仕事だからこそ、どんな発見があるのか、親子でワクワクしながら参加しました。
この体験では、子どもたちがシューフィッター役に挑戦し、保護者はお客さま役として参加します。
やりとりのセリフを覚えたら、いよいよ接客スタート!
最初に案内されたのは、足のサイズを測る専用の機械。測定方法は、ちょっとユニークで、“袋の中に裸足で足を入れる”スタイルなんです。
一見ふしぎなこの袋の下には、レーザーを内蔵した高性能な測定器が隠れていて、足を素早くスキャン。
長さや幅はもちろん、甲の高さや形まで細かく測定してくれる、まさに“靴選びの名アシスタント”です。息子も「この機械、すごいね」と目を輝かせて、親子で感心しきりのひとときでした。
さて測定結果を見て、思わず「えっ、22.5cmなの?」と声が出た筆者。
普段は23cmの靴を履いていますが、実際のサイズは少し小さめで、足幅も細めだと分かりました。
ここで靴選びのちょっと意外なコツが登場します! 足が痛くならない靴を選ぶには、「裸足のサイズ+1センチ」を目安に選ぶとちょうどいいんだそう。
そんな計算方法があるなんて驚きですよね。なので、裸足で22.5cmだった筆者がこの法則に当てはめると「23.5cm」がぴったり。まさかのサイズアップに、思わず「意外すぎる~」と声が出ちゃいました。
お次は、ズラリと並んだ靴の中から最適な一足をチョイス。
そして、その靴を履かせてくれる息子の姿にほっこり。
慣れない蝶むすびにも一生懸命チャレンジする様子が、なんとも微笑ましく感じられました。
現役シューフィッターの西濱さんによれば、「足が痛い」「靴が合わない」などの日常の悩みから、「こんなスポーツをしているんだけど、どんな靴がいいかな?」という専門的な相談まで、シューフィッターのもとには実にさまざまな声が寄せられるそうです。一人ひとりの足にていねいに向き合いながら、ぴったりの一足を提案していく──。そんなお話を親子で聞きながら、シューフィッターの仕事の奥深さに感心させられました。
お仕事体験で見つけた気づき、企業へ届ける手紙に
体験を終えた子どもたちは、再びホールに集まり、それぞれの体験を振り返りながら、企業の方にお手紙をしたためます。
そして、企業ごとに代表者が手紙を読み上げる発表の時間に。
前回の参加では恥ずかしくて手を挙げられなかった息子が、今回はJ:COMさんへのお手紙の場面で、迷わず挙手。
堂々と自分の想いを発表する姿に成長を感じました。
子どもたちのまっすぐな言葉に、企業の方がやさしく耳を傾けてくれる。そして、温かなコメントで応えてくれる。そんな心の通い合いに思わずほっこり。ここでしか味わえない、特別なひとときでした。
まとめ
お仕事体験って、いろんな場所でできるけれど、この【おしごと体験イベント ハッケン!わくわくこども基地】はちょっと特別。事前学習でワクワクが高まり、当日は本格的な体験、そして最後には企業の方へ感謝のお手紙を書く時間も。ひとつの企業をじっくり知る流れの中で、気づけば息子はその会社のファンに。
子どもの心が動く体験って、本当に素敵。しかも、それが無料でできちゃうなんて……ありがたすぎます‼
今後も開催される予定とのことなので、「うちの子にも体験させてみたい!」という方は、JAFの公式HPなどで最新情報をのぞいてみてください。JAF会員・非会員問わず参加できるのも、うれしいポイントですよ。
(文・撮影:あゆーや/アソンデミエータ)
この記事の著者・あゆーやさんも体験部活動中! マイナビ子育てが運営する会員限定・無料の親子体験コミュニティ「とっておき体験部!」ではただいま会員募集中♪ 親子のおでかけや体験について、部員限定のお得な情報やイベントにアクセスしてくださいね!くわしくは▶こちら
