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2021年12月21日 14:22 更新

【医師監修】出産予定日を計算|妊娠期間と初期・中期・後期の様子

妊娠すると、いつ赤ちゃんに会えるのか楽しみになり、生まれてくる時期が気になるものです。妊娠期間はどのくらいの長さなのでしょうか。出産予定日の算出方法や妊娠期間ごとの様子や注意点などを解説します。

妊娠期間ってどのくらい?

妊娠期間について思いを巡らせる女性
Lazy dummy

妊娠期間について、昔から日本では「十月十日(とつきとおか)」と言われてきました。これを勘違いして「では1月1日に妊娠したら10月10日にうまれるの?」と思ってしまうかもしれませんが、そうではありません。

では、妊娠期間はどのくらいの長さなのでしょうか?

仮の出産(分娩)予定日は、初診の時に生理をもとに計算する

基礎体温と月経周期のグラフ

WHOの定義では妊娠期間のスタート(満0日)は最終月経(生理)の始まった日としています。妊娠期間は、最終月経開始日を0週0日として、40週/280日間となります。(妊娠の暦では1ヶ月=4週=28日で考えます)この計算から40週0日が仮の出産予定日となります。

初診の時に言われる出産予定日は、最終月経開始日から計算した一時的なものです。たまたま排卵が遅れていたり、月経が不順で排卵日がわからなかったりして、この計算とは合わない場合もよくあります。そのような場合には、数週間後の赤ちゃんの大きさで予定日を修正します。妊娠12週までには、出産予定日が確定します。

出産予定日の決め方

妊娠週数を正しく把握すること、出産の予定日を知ることは、妊娠の経過や赤ちゃんの発育を診断する上でもとても重要です。例えば、予定帝王切開や誘発分娩をいつの時期にするかの決定には、妊娠週数の情報が不可欠です。

妊娠へのプロセスが始まるのは受精した瞬間です。排卵した卵子が、卵管で精子と出会い受精して、さらに子宮に受精卵が動いて着床することによって妊娠します。よって、排卵日が正確にわかれば、出産予定日は決まります。

しかし、体外受精などでない限り、いつ受精・着床したかを正確に特定することは難しいので、いくつかの方法から総合的に予定日が決められます。

最終生理から仮の予定日の出し方・計算ツールはこちら!

出産予定日を決定する上でとりあえず用いるのが、「最終月経(生理)がいつであったか」の情報です。

月経が28日周期で来ている場合には、月経開始日の2週間後に排卵していると推定されます。よって、最終月経開始日を0週0日と数え、40週=280日目を出産予定日とします(妊娠の暦では1ヶ月=4週=28日で考えます)。

つまり……
『出産予定日=最終月経開始日+280日』
ということになります。

最終月経(生理)から出産予定日を計算(月経周期が28日とした場合)

最終月経(生理)開始日を入力

最終月経(生理)開始日を妊娠0週0日として、出産予定日は妊娠40週0日となります。この計算式では最終月経(生理)開始日から280日後の年月日を表示しています。なお、この結果はあくまで推定で、医師による検査の結果などで出産予定日が修正されることもあります。妊娠検査薬で陽性反応が出た場合などは、早めに産婦人科を受診しましょう。

※計算結果(計算方法)についての説明を表示する

排卵日から計算ツールはこちら!

基礎体温や病院での超音波検査などによって推定排卵日がわかっている場合には、排卵日を妊娠2週0日として計算します。

排卵日から計算する場合は……
『出産予定日=排卵推定日+266日』

排卵日・セックスをした日から出産予定日を計算

排卵日もしくはセックスした日を入力

基礎体温などから推定した排卵日を妊娠2週0日として、出産予定日は妊娠40週0日となります。この計算式では排卵日から266日後の年月日を表示しています。「セックスをした日」による結果に関しては、「排卵日にセックスをして受精した」と仮定して算出しています。なお、この結果はあくまで推定で、医師による検査の結果などで出産予定日が修正されることもあります。妊娠検査薬で陽性反応が出た場合などは、早めに産婦人科を受診しましょう。

※計算結果(計算方法)についての説明を表示する

なお、排卵推定日は基礎体温が低温相から高温相に切り替わるタイミングとなります。普段から月経(生理)開始日や基礎体温を記録するといいですね。

さらに医師による計測で予定日を算出

最終月経(生理)などから推定される予定日がズレていないかどうかは、産科で行われるエコー検査で、妊娠8~10週頃の赤ちゃんの頭殿長(CRL:頭からお尻までの長さ)を計って確認します。

よって、月経が不順な人や、最終月経開始日を忘れてしまった人であっても、出産予定日がわからない、ということにはなりません。

妊娠期間を過ぎることはないの?

「正期産」(せいきさん)という言葉を聞いたことはあるでしょうか。正期産とは、37週以降42週未満の時期の出産を指しています。これは、早産などと比較して母子にとってのリスクが少ないと考えられ、最も良好な出産時期です。

一方、妊娠42週以降の出産を「過期産」(かきさん)と言い、全分娩の1%程度にみられると言われています。42週を過ぎても分娩に至らない場合は、羊水の減少や混濁、巨大児等のリスクも生じるために、注意深く対応が検討されます。

なお、流産、早産についても、きちんとした定義があります。

流産:妊娠22週未満までに妊娠が中断してしまうこと。中でも12週未満を「早期流産」、12週以降から22週未満を「後期流産」と呼ぶ。
早産:妊娠22週以降から37週未満までの出産。

「妊娠成立」とは

妊娠が成立した男女のイメージ
Lazy dummy

そもそも「妊娠の成立」とはどのようなことを言うのでしょうか?

受精=子宮内妊娠成立ではない

精子と卵子が出会い、結合することを「受精」と言いますが、この段階では妊娠が成立していません。

受精卵(受精した卵子)が子宮内膜に根を下ろす「着床」という状態になってはじめて、妊娠したということができます。 なお、受精から着床まではおよそ6日、着床の完了まで含めるとトータルで12日前後かかります。

妊娠検査薬陽性=正常妊娠確定ではない

妊娠検査薬などで陽性反応が出るのは、早期から使えるものでも妊娠4週前後(月経開始予定日前後)となります。これは、妊娠に伴って増加するホルモン「hCG」の尿中濃度が検出可能な数値まで上がるためです。

ただし、妊娠検査薬で陽性が出たからといって、子宮内の妊娠が確定するわけではありません。妊娠検査薬で陽性反応が出たら、産科に行って子宮内に胎嚢があるかを確認しましょう。一定の妊娠週数が過ぎた段階で、胎嚢や胎児心拍などが確認できない場合は、異所性妊娠(子宮外妊娠)や、流産、胞状奇胎などの正常ではない状態と判断されます。

妊娠初期、中期、後期っていつのこと?

妊娠期間は食の好みが変化することも。お腹の大きな女性
Lazy dummy

短いようで長い妊娠期間中には体調や体形も大きく変わります。どんなことに気をつけて過ごすべきかをまとめました。

妊娠初期・中期・後期っていつ?

妊娠期間の区分は以下のようになっています。

・妊娠初期:妊娠0〜13週まで(妊娠1、2、3ヶ月と4ヶ月の半ば)
・妊娠中期:妊娠14~27週まで(妊娠4ヶ月の半ばから5、6、7ヶ月)
・妊娠後期:妊娠28週以降(妊娠8、9、10ヶ月)

つわりもある⁉ 妊娠初期

妊娠が成立して、激しくホルモンが変化するこの時期は、徐々に妊娠特有の症状が現れます。その代表的なものが「つわり」で、気持ちの悪さや吐き気など消化器の不快な症状を感じる妊婦さんが多いです(全体の50~80%)。つわりは、妊娠5〜6週頃から出現するとされています。

「お腹の赤ちゃんのために何かしてあげなくては!」と焦る気持ちもわかりますが、体調が悪いときは無理をせず、過ごしてください。特に、つわりのときは「食べたいものを食べたいときに食べられるだけ」で問題ありません。中期に入るころにはつわりが治まってくる人も多いので、しばしの辛抱です。

安定期ってホント? 妊娠中期

妊娠4ヶ月の終わり、妊娠中期に入るころには胎盤が完成し、体調も落ち着いてくる人も多いでしょう。俗に「安定期」とも言われるため、ついついアクティブに動きたくなってしまうものですが、激しいスポーツは避けましょう。ハッキリと禁止されている運動は、柔道、空手、ボクシングなどのぶつかり合うもの、スキューバダイビングなどの酸素濃度が落ちるものなどです。

また、この頃は胎動を感じ始めるので、お腹の赤ちゃんをより身近に感じることでしょう。

もうすぐ出産! 妊娠後期

妊娠後期になると一層お腹が大きくなり、胃が圧迫されてムカムカしたり、腰痛やむくみを感じたりする人も少なくありません。医師や助産師に対処法を相談しながら、残りの妊娠期間を乗り切ってください。

また、出血のために急に入院になったり、早産になったりする人もいます。出産の準備などは慌てることのないように、計画的に進めておきましょう。

まとめ

妊娠期間は、約9ヶ月間です。妊娠して間もない頃は体型の変化もないため、妊娠の自覚があまりないこともあります。生理が来なかったら妊娠検査薬を使用して、陽性であれば産科を受診しましょう。妊娠期間中は様々な体の変化に見舞われます。無理をすることなく、心を楽にして、充実した妊娠期間を過ごしてください。

(文:武田寿正/監修:太田寛先生)

※画像はイメージです

参考文献
「病気がみえる Vol.10 産科」(メディックメディア)

※この記事は、マイナビ子育て編集部の企画編集により制作し、医師の監修を経た上で掲載しました

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます

  • 本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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