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2021年05月28日 20:30 更新

ダイエットにはお茶が最強? 効果が期待できるおすすめのお茶は

「お茶を飲むだけで痩せる」って本当? 確かに、お茶はダイエット中におすすめの飲み物ですが、お茶を飲むだけでは体重は減りません。この記事ではダイエッターが知っておきたいお茶の種類と飲み方のポイントについて詳しく解説します。

お茶でダイエットできる?

テーブルでお茶を飲む女性

お茶でダイエットに成功しましたか?


◆アンケート情報 調査時期:2021年4月17日 調査対象:マイナビニュース会員、既婚女性 調査数:150名
調査方法:インターネットログイン式アンケート
※記事内で紹介している回答は、食品などを利用したダイエット経験があると回答した人114名の結果から抜粋したものです。
※マイナビニュース会員とは、Tポイントが貯まるアンケートやキャンペーンの参加、メールマガジンの購読などができる「マイナビニュース」の会員サービスです。(https://news.mynavi.jp/lp/2018/present/present/register_campaign/

※ここで紹介したダイエット方法と結果は、個人の体験によるものです。記載の方法を推奨したり、結果を保証するものではありません。効果的な減量方法や結果の出方は個人により異なります。

まずは、「お茶」でダイエットができるのかどうかについて解説します。

お茶だけで痩せる、は間違い

ダイエットの基本は食事と運動。体重が減るかどうかは、食物や飲み物から「摂取したエネルギー」と運動などで「消費したエネルギー」のバランスで決まります。

摂取エネルギーと消費エネルギーが均衡ならば体重は維持されます。摂取エネルギーが消費エネルギーを上回れば体重が増え、逆に消費エネルギーが摂取エネルギーを上回れば体重が減ります。つまり、食事と運動の量のバランスを考えずにお茶を飲むだけでは、体重は減りません

お茶はダイエットのサポート的存在

ただし、食事のかわりにお茶を飲んで食事量を減らし、痩せようとするのは危険。極端に食事摂取量を制限するダイエットは、一時的には体重の減量が期待できますが、筋肉が落ちることで基礎代謝量が減ればかえって太りやすくなり、リバウンドの危険が高まります。

また、極端な食事制限をすると、ストレスがたまる、必須栄養素の摂取不足、食物繊維不足による便秘、カルシウムやビタミンD不足による骨粗鬆症、鉄分不足による貧血、生理(月経)異常など、健康を損なうリスクも高まります[*1]。ストレスから結局はドカ食いを起こし、それがリバウンドにつながることも。

種類によってはダイエットに役立つ成分を豊富に含むものもあるので、食事のかわりとしてではなく「ダイエットのサポート役」として、お茶を賢く利用していきましょう

お茶がダイエットをサポートする理由

腹筋をする女性

なぜ、お茶がダイエットをサポートしてくれるのかについて説明します。

お茶は基本的にノンカロリー

紅茶やコーヒーは砂糖、ミルクを入れる飲み方もありますが、日本茶や中国茶は基本的にストレートで飲みます。その場合、お茶のエネルギーはほとんどありません

日本茶・中国茶のエネルギー量(浸出液100g当たり)[*2]

 玉露 5kcal
 せん茶 2kcal
 番茶 0kcal
 ほうじ茶 0kcal
 玄米茶 0kcal  
 ウーロン茶 0kcal

水分をしっかりとれて便秘予防に役立つ

便秘の原因の1つに考えられるのが「水分の摂取不足」です。水分は便を軟らかくして排便を容易にする働きがあります[*3]。

カロリーを気にせずに飲めるお茶は水分摂取にピッタリ。日ごろから水分を十分摂っておくことは、便秘の予防にも役立ちます。

お茶ごとに違うプラスの成分がダイエットをサポート

カロリーはほぼゼロのお茶ですが、種類によってはビタミン、ミネラルやポリフェノールなど、さまざまな健康に役立つ成分を豊富に含んでいるものもあります。

最近では、世界中で飲まれてきたバラエティ豊かなお茶を気軽に楽しめるようになりました。このあと、ダイエットに役立ちそうなお茶ごとに、成分や特徴について解説します。

ダイエットにおすすめのお茶は? 種類別の特徴と期待される効果

「ダイエットをサポートしてくれるお茶を飲みたい」。そんな人のために、ダイエットに役立ちそうなお茶を厳選し、種類別の特徴と期待される効果について紹介します。

緑茶

緑茶

「緑茶」には、苦みや渋みのもととなる成分であるポリフェノールの一種「カテキン」が含まれています。

緑茶に含まれる「カテキン」のパワー

緑茶には、おもに「エピカテキン」「エピガロカテキン」「エピカテキンガレート」「エピガロカテキンガレート」という4種類のカテキンが含まれており、エピカテキン以外は緑茶に特徴的なカテキンです[*4, 5]。

これらのカテキンには「抗酸化作用」や「コレステロールを下げる作用」「血糖の上昇を穏やかにする作用」に加え「体重や体脂肪を減少させる作用」が期待されています[*4, 6-8]。なお、この作用により、「体脂肪が気になる人に適する」「コレステロールが気になる方に適する」という表示が許可された特定保健用食品(トクホ)の緑茶も市販されています。

緑茶は「ビタミンC」も豊富

また、緑茶は「ビタミンC」を多く含んでいます。ビタミンCは、皮膚や骨などを構成するコラーゲンの生成に欠かせません。また、皮膚でのメラニン色素の生成を抑えて日焼けを防ぐ作用や、ストレスや病気などに対して体の抵抗力を高める働きもあります [*9]。

特に、玉露(浸出液100g当たり)には19mgと、せん茶6mgの約3倍のビタミンCが含まれています。なお、レモン1個分(果汁36g程度)に含まれるビタミンCは20mg[*2, 10]。レモンと同じくらいのビタミンCが含まれているとは驚きですよね。

ただ、同じお茶でも烏龍茶や紅茶にはビタミンCが含まれていません[*2]。ビタミンCをしっかりと摂りたい人には緑茶がおすすめです。

プーアール茶

プーアール茶

「プーアール茶」は中国茶の一種です。製法により「生茶」と「熟茶」の2つに大別されます。

従来製法で作られる生茶は、倉庫内で自然に数年~数十年発酵させたもの。一方、1970年代より製造が始まったとされる熟茶は、生茶に比べて微生物発酵の過程が著しく短縮されたことで安定した品質で大量生産が可能です。中国国外に輸出されるプーアール茶のほとんどが熟茶といわれています。

減量や脂肪を減らすのに役立つ可能性がある

プーアール茶は、体重や中性脂肪の減少などに役立つ可能性があると言われています[*11]。ただし、プーアール茶にこうした効果があったと報告している研究は多くなく、しかも動物や試験管での実験だったりすることから、プーアール茶を飲むことでそうした効果が得られるかどうかはまだよくわかっていないようです。

なお、プーアール茶そのものではなく成分を高濃度で含む抽出物を使用した研究では、軽度肥満の人が食事ごとに12週間摂取したところ、対照群と比較して、体重とBMI、内臓脂肪面積が低下したという報告もあります[*12]。

杜仲茶

「杜仲茶」とは、「杜仲」という落葉高木の葉を原料としたお茶。日本薬局方(医薬品の規格基準書)では、トチュウの樹皮が生薬として掲載され、降圧、強壮、鎮静などに利用されています。

脂肪を減らす可能性がある?

杜仲には、抗酸化、抗炎症、抗アレルギー、抗菌、老化防止、神経保護などさまざまな作用があるのではないかと言われていますが、くわしいことはまだよくわかってません。

抗肥満作用があるのではないかとも言われていますが、動物実験では葉の抽出物を与えることで脂肪の蓄積が減ったというものもあれば、4週間以上与えたが脂肪蓄積への効果は見られなかったという報告もあって、やはりまだよくわかっていないようです[*13]

ルイボスティー

ルイボスティー

「ルイボス」は、南アフリカに自生するマメ科の低木で、古くから南アフリカの先住民に発酵茶として利用されてきました。茶葉を発酵させると橙紅色になることから、現地では「紅茶」と呼ばれ、植物自体の名前が「赤い (=ROY) 灌木 (=BOSS)」となったといわれており、カフェインを含まないことが特徴です。カフェインの摂り過ぎに注意したいときも、ルイボスティーはカフェインレスなので心置きなく飲めます

もしかしたら体重管理に役立つかも!?

試験管での実験では、ルイボスの成分によって脂肪の生成が妨げられたことが確認されていますが[*14]、ルイボスティーを飲むことが脂肪を減らすのに役立つかどうかまではまだよくわかっていません。

なお、ルイボスティーは、強い抗酸化作用を持つポリフェノールの一種であるルチンなどのフラボノイドを含んでいます。

マテ茶

「マテ茶」は南米で生産されている飲料で、モチノキ科の潅木(かんぼく)の葉や枝を乾燥し、粉砕、精製したものに熱湯を加えて飲むお茶です。

マテ茶も動物実験や試験管、抽出物では肥満抑制に役立つ可能性があると報告されていますが、お茶として飲んで減量に役立つかどうかはまだよくわかっていません[*15]。

なお、マテ茶は、成分としてカフェインなどのほか、タンニンを豊富に含みます。また、鉄、カルシウム、マンガン、ナトリウム、カリウム、亜鉛、銅といったミネラルやフラボノイド類、フェノール酸類、キサンチン類が含まれるとされています。

ダイエット中のお茶の飲み方のポイント

急須からお茶をそそぐ

ダイエット中のお茶の飲み方についてポイントをお伝えします。

飲む量に注意! 飲みすぎは逆効果

体に良さそうだからとそればかり摂るとかえって逆効果になることは多いものです。とくに、緑茶、プーアール茶、マテ茶にはカフェインが含まれることには注意が必要です。

カフェインの摂り過ぎに注意が必要

カフェインには頭が冴え眠気を覚ますという便利な効果もありますが、過剰に摂取すると「めまい、心拍数の増加、興奮、不安、震え、不眠、下痢、吐き気、嘔吐」などの症状を引き起こすこともあります。

また、カフェインには耐性や習慣性、依存性が現れることがあるとされ、長期的な摂取によって高血圧リスクが高くなる可能性があったり、妊婦さんが高濃度のカフェインを摂取した場合には、胎児の発育を阻害し赤ちゃんが低体重となる可能性のあることも報告されています[*16]。

そのため、カフェインを含むお茶の過剰摂取には気をつけたいところです。カフェインによる影響は個人差が大きいので健康に支障がないとされる上限量は、国によって多少異なりますが、妊婦さん以外の成人の場合、カナダ保健省(HC)では「1日あたりのカフェイン摂取量を400 mgまで」にすることを勧めています[*17]。

なお、この記事で紹介したお茶に含まれるカフェイン量の目安を以下に紹介します(杜仲茶、ルイボスティーはカフェインを含まないとされています)。

お茶100ml当たりのカフェイン含有量の目安[*11, 18, 19]

煎茶 20 mg程度
玉露 160mg程度
抹茶 69mg程度
プーアール茶 13〜42 mg程度
マテ茶 13mg程度

ただし、カフェインの身体への影響は個人差が大きいので、分量や濃さは自分の体調を確認しながら調節してください。

なお、妊婦さんのカフェイン摂取について、くわしくは下記の記事を参照してください。

ホットで飲むと冷え防止に役立つ

冷たいもののとり過ぎは冷え症を招くことも。手足の冷えが辛い人は、温かいお茶を飲みましょう。

カフェイン入りのお茶は飲む時間に注意

カフェインには覚醒作用がありますが、健康な人が摂取した場合、半減するのに約4時間かかるといわれているので、就寝前3~4時間以内のカフェイン摂取は控えましょう[*20]。

なお、カフェインの作用は個人差が大きいとも言われているので、カフェインに敏感な人は就寝の5~6時間前から控えたほうがよいでしょう[*21]。

適量を継続して飲むことが大切

お茶と食事

カテキンに肥満に対して効果がみられたとする報告は、いずれも2、3ヶ月飲み続けているものでした[*6-8]。また、お茶は薬ではないので、効果が期待できるとしても、すぐに結果が現れるわけではありません

カフェインの大量摂取を避けるうえでも、お茶を飲むときは自分に合った適量にしましょう。また、健康への作用を期待するなら、できるだけ継続して飲むようにすると良いでしょう。

まとめ

お茶の準備

ダイエット中は飲み物からのカロリー摂取は控えたいもの。お茶はゼロカロリーでダイエット向きであるうえ、種類によっては健康効果が期待できる場合もあります。ダイエット中はストレスもたまりやすいでしょう。ひとつのお茶でなく、いろいろな種類で味わいの違いも楽しみながら、ダイエットに取り入れるとよいですね。

(文:木下ともえ)

※画像はイメージです

参考文献
[*1]厚生労働省:e-ヘルスネット「ダイエット」
[*2]日本食品標準成分表2020年版(八訂)第2章(データ)し好飲料類
[*3]厚生労働省:e‐ヘルスネット「便秘と食事」
[*4]長寿科学振興財団:健康長寿ネット「カテキンの種類と効果と摂取量」
[*5]日本カテキン学会:カテキンのいろは
[*6]Progress in Medicine. 2005; 25(7)1945-57
[*7]栄養-評価と治療. 2002; 19(3):365-76
[*8]Progress in Medicine. 2002; 22(9):2189-203
[*9]長寿科学振興財団:健康長寿ネット「ビタミンCの働きと1日の摂取量」
[*10]長寿科学振興財団:健康長寿ネット「緑茶の効能と美味しい入れ方」
[*11]healthline:Pu-erh Tea: Benefits, Dosage, Side Effects, and More
[*12]Kubota K. et al.: Improvements of mean body mass index and body weight in preobese and overweight Japanese adults with black Chinese tea (Pu-Erh) water extract, Nutr Res. 2011 Jun;31(6):421-8.
[*13]Hussain T. et al.: Health-Promoting Properties of Eucommia ulmoides: A Review, Evid Based Complement Alternat Med. 2016; 2016: 5202908.
[*14]Sanderson M et al.: Effects of fermented rooibos (Aspalathus linearis) on adipocyte differentiation, Phytomedicine . 2014 Jan 15;21(2):109-17.
[*15]日本マテ茶協会:マテ茶について
[*16]農林水産省:カフェインの過剰摂取について
[*17]厚生労働省: 食品に含まれるカフェインの過剰摂取についてQ&A ~カフェインの過剰摂取に注意しましょう~
[*18]内閣府「食品安全委員会 食品中のカフェイン」
[*19]Yerba Mate Culture:Yerba Mate Caffeine Content – All You Need to Know
[*20]ネスレ ネスレのなぜなにコーヒーvol.6
[*21]厚生労働省:e-ヘルスネット「快眠と生活習慣」

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます

  • 本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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