離乳食・食器の消毒|必要なの?消毒すべきものと消毒方法【管理栄養士監修】
哺乳瓶を使うたびに消毒していると「離乳食が始まったら食器も全部消毒しなきゃダメなの?」と疑問が浮かぶと思います。今回は、離乳食で食器の消毒が必要なのか、また洗い方のポイントや消毒方法などについてみていきましょう。
離乳食の食器は消毒するの?
いままで哺乳瓶などを消毒していたりすると「食器はどうしたらいいの?」と心配になりますよね。離乳食に使う食器の消毒や、使用した器具の消毒は必要なのでしょうか。
毎回食器を消毒する必要はない
生後間もない赤ちゃんの免疫力は弱いため、哺乳瓶などは洗剤で洗った後、薬品消毒や熱湯消毒をしますよね。免疫機能が十分でない赤ちゃんを守るために消毒は必要です。
しかし、離乳食の始まる5~6ヶ月ごろになると、生まれたときにお母さんからもらってきた免疫が減ってきますが、手や床にあるおもちゃなどをなめたりすることにより雑菌に触れる機会が増え、徐々に抵抗力もついていきます。
衛生面を考えて清潔にすることは必要ですが、毎回食器を消毒する必要はありません。
哺乳瓶やおしゃぶりの消毒について、詳しくは以下の記事を参考にしてください。
▶︎哺乳瓶の消毒は必要なの? いつまでやればいいの?
▶︎おしゃぶりに消毒はいつまで必要?
洗剤で洗い、十分にすすげば問題なし
離乳食の食器は、洗剤で洗って十分にすすげば問題はありません。
洗剤は赤ちゃん専用の食器や哺乳瓶用洗剤もありますが、普通の洗剤でも洗剤残りがないようしっかりすすいであげれば使用することができます。食べ終えてから時間が経ってしまうと汚れが落ちにくくなったり雑菌が繁殖することがあるので、可能な限り早めに洗うようにできるといいですね。
生肉・生魚で使用した器具や油分の多い鍋などを洗うこともあるので、スポンジは赤ちゃん専用のものを用意できると安心です。難しいようであれば熱湯消毒をしたり、しっかりすすいでから使うようにし、使い終わったら乾燥させて雑菌の繁殖を防ぐようにしましょう。こまめに新しいものに交換するのもいいですね。
離乳食の作りの中で、どんな時に消毒が必要?
離乳食で使った食器はきちんと洗うことができれば消毒は必要ないことがお分かりいただけたかと思います。では、離乳食を調理する中で消毒が必要になる場面とはどのような時なのでしょうか。
調理器具は消毒すると安心
食器の消毒の必要はありませんが、包丁やまな板などの調理器具は、生肉や生魚などを使用することもあるので、食中毒予防のためにも熱湯消毒や薬品での消毒をすると安心です。
特に梅雨時や夏など、気になる季節には消毒してみるといいでしょう。また使用前に、まな板、包丁、スポンジなど使用するものをまとめてシンクに並べ、熱湯を回しかけるのも効果的です。
ザルやキッチンバサミ、ストローマグなど、洗いづらく洗い残しが気になるものは、残りカスから雑菌が繁殖することもあるので、たわしや専用のブラシを使って洗い、定期的に消毒をするといいですね。
離乳食の調理器具・食器の消毒方法
食器については消毒の必要はありませんが、調理器具については特に衛生的に不安があるときには消毒をしてみましょう。
消毒方法は大きく分けて高温で消毒するものと薬品を使用して行うものの2種類があります。
①煮沸での消毒
大きめの鍋にたっぷりの湯を沸かして5分程煮沸消毒します。終わったら取り出し、乾燥させます。水分が残っていると雑菌が繁殖することがあるので、ペーパーや清潔な布巾でふき取ってからしまいましょう。煮沸後はとても熱いのでやけどには気を付けましょう。素材によって熱に弱く煮沸消毒ができない場合もあるので、確認してから行いましょう。
電子レンジを使う方法も
電子レンジで消毒できる専用の容器もあります。専用容器に水と食器を入れて電子レンジで温めるだけで、熱と高温のスチームによって消毒されます。レンジに入れてしまえば時間にも余裕ができるので、準備も片付けも楽になりますね。
②薬品での消毒
薬品での消毒は、規定量に希釈して使用するものや直接噴霧するものなど種類があります。薬品を使用する場合には、食器や器具の素材によって使用可能か確認しましょう。
漂白剤は規定量に希釈し、一定時間漬け込む方法です。消毒後は流水で十分にすすぎます。
アルコール消毒はまな板や包丁などの調理器具の消毒に便利です。きれいに洗って乾かした後にさっと吹きかけます。濡れたままの状態で噴霧すると消毒効果が期待できません。赤ちゃんの食器に直接かけても大丈夫なものもあるので、用途に合わせたものを選びましょう。
哺乳瓶用の消毒液を引き続き使ってもよいですね。
まとめ
離乳食が始まったころは、不安になることもたくさんあると思います。赤ちゃんも少しずつ抵抗力がついてきますので、食事の度に消毒しなければいけないということはないです。調理器具は大人と兼用する場合が多いので、生ものを扱った後など食中毒予防の観点から消毒をするといいかもしれません。清潔を心掛け、安心して食事を楽しめるといいですね。
(文:宗政祥子 先生、監修:川口由美子 先生)
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