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2021年12月15日 10:00 更新

【助産師解説】授乳をするとお腹が空くのはなぜ?ご飯・おやつはどのくらい食べていい?

母乳育児に空腹はつきもの。そう思うくらい、やたらとお腹が空くと感じるママも多いことと思います。ここでは、母乳育児をするママがお腹が空いて仕方ない理由と、栄養バランスがよく手軽に食べられるメニューを考えるコツをご紹介します。

授乳中は、なぜお腹が空くの?

授乳をしていて「さっき食事したばっかりなのに、なんでこんなにお腹が空くの?」と不思議に思うママはたくさんいます。それもそのはず。授乳中にお腹が空くのには理由があったのです。

授乳だけで1日で400kcal前後は消費される

母乳は100mlあたりおよそ61kcal[*1]で、脂肪酸をはじめ赤ちゃんの成長に必要な栄養が含まれています。

月齢で異なり個人差もありますが、赤ちゃんが1日に飲む量は、生後7ヶ月ぐらいまでの平均で1日614〜780gというデータがあります[*2]。つまり、1日に375〜475kcal程度は授乳だけで消費されるということでしょう。実際、日本人の栄養摂取基準[*3]では、授乳中に普段より350kcal多く摂取するように勧められています。

母乳はママの体に蓄えられている栄養と水分からできるため、母乳育児をしているママはカロリーや栄養・水分を消費しやすい状態です。こうした事情をふまえると、いくら食べてもお腹が空くと感じるのは自然なことといえるでしょう。

授乳中、足すとしたらどのぐらいの食事?

そんなお腹が空く授乳中ですが、多めにカロリーを摂っていいとはいえ、ケーキをパクパク、ジュースをゴクゴク……というわけにはいきません。ではどんなものをどの程度プラスすればいいのでしょうか。

ご飯など炭水化物を中心に満遍なく食べる

授乳中は妊娠していないときの食事に、以下のものをプラスする程度がいいとされています[*4]。

■授乳中にプラスする例

・主食:おにぎり1個(もしくは食パン1枚など)
・副菜:野菜サラダ1皿(もしくはほうれん草のおひたし、煮豆など)
・主菜:目玉焼き1皿(もしくは冷奴、納豆など)
・牛乳,乳製品:ヨーグルト1パック(もしくはチーズ1かけ、牛乳コップ半分など)
・果物:みかん1個(もしくはリンゴ半分、柿1個など)

これは1例ですが、なるべくバランスよく食事にプラスして食べていきましょう。

授乳中のおやつは200kcalを目安に

妊娠中同様、授乳中も栄養バランスのよい食事をすることが重要視されていますが、授乳のことを考えて積極的に取り入れたい/反対に避けたい成分は基本的にありません。

おやつに関しても、授乳中も食べてOKです。3食とは別におやつとして「補食」を加えてカバーするといいでしょう。ただし、ついつい食べすぎておやつは200kcal以内を目安にできるといいですね[*5]。

カフェインについても1日にコーヒー1〜2杯程度など、摂り過ぎなければ問題ないとされています。適度な飲食はストレス解消にもなりますので、息抜きをしながら適度にお腹を満たすようにしましょう。

授乳中に食べたいおすすめ食事4選

赤ちゃんのお世話をしながら毎食の献立を考えて準備するのは、とても大変ですよね。食事の準備は毎日のことですから、作りやすさと食べごたえを兼ね備えたメニューを中心にすると、ママの負担も少なくなるのではないでしょうか。ちょっと物足りないと感じたときには、サラダなどのサイドメニューで補うのもいいと思います。

1. 手軽に作って食べられる丼物

野菜とお肉とご飯が取れる中華丼
丼物は、炭水化物とタンパク質を一緒に摂りやすいだけでなく、比較的簡単に作って食べることのできるメニューです。炭水化物の量がどうしても多くなりがちな点には注意が必要ですが、サラダや具沢山お味噌汁などをつけて野菜を摂ることで全体のバランスを取りやすくなります。

2. 水分補給も一緒にできるスープ類

授乳中にもいいミネストローネ
食材の栄養素を余すことなく食べられるうえ水分も一緒に摂れるスープは、水分不足に陥りやすい母乳育児のママにうってつけのメニューでしょう。味噌汁を豚汁にするといったように少し工夫すると、メインメニューだけでは不足しやすいタンパク質をはじめとした栄養素をより多く摂れるようになります。

3. 具沢山にした定番の炭水化物メニュー

野菜たっぷり焼きそば
焼きそば、お好み焼き、カレーライスなど家庭で人気のメニューもおすすめです。具沢山にすることで炭水化物・タンパク質・野菜類を一緒に摂りやすくなり、メニューや使用する具材によっては冷凍可能です。

4. 手軽に準備&食べられる作り置き

味噌玉
普段の食事を少し工夫するだけでも、赤ちゃんのお世話や家事のすきま時間にカロリーと栄養を補給しやすくなります。
たとえば、スープ類は一度に大量に仕込みやすいため、具沢山のスープを作って小分けにして保存することができます。お湯を注ぐだけで食べられる味噌玉もあると、お腹が空いた時の補食にしやすいです。
ほかにも、一口大のおにぎり、ゆで卵、チーズなどのように、片手が空いていれば食べられる物を用意しておくのもいいでしょう。

まとめ

授乳期間中は通常よりもカロリーを消費しやすいため、母乳育児をしているとどうしてもお腹が空きがちです。お腹が空いたと感じたら、軽い食事などで空腹を満たすようにしましょう。
お腹が空いたらサッと食べられるメニューがあると便利なので、レパートリーをいくつか持っておくといいでしょう。冷凍可能なおかずなどを作って冷凍しておく、一口で食べられる食品を用意するなど、ママがやりやすい方法でお腹を満たすようにしましょう。

(文:本河美佳/監修:坂田陽子 先生)

参考文献
[*1] 日本食品標準成分表2020年版(八訂)人乳
[*2]米山京子「母乳栄養児の発育と母乳からの栄養素摂取量」小児保険研究57(1):p49-57,1998
[*3] 日本人の食事摂取基準(2020年版)授乳婦
[*4]妊産婦のための食事バランスガイド


※この記事は、マイナビ子育て編集部の企画編集により制作し、監修を経た上で掲載しました

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます

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