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2021年10月31日 07:30 更新

【医師監修】つわりが辛い!いつまで続くの?<体験談>乗り越え方と仕事・家事への対処法

多くの妊婦さんが経験するつわりですが、現れる症状も落ち着くまでの期間も個人差が大きく、対処法が人によってさまざまなのが難しいところです。辛い症状や仕事、家事にどう対処していけばいいのか、辛いつわりが辛い時期に試して欲しい乗り越え方のヒントを紹介します。

<みんなの体験談>つわりはどんなふうに辛かった?

つわりの女性

毎日吐き気に悩まされたり、食欲がわかなかったり、とにかくだるかったり……つわりにはさまざまな症状があります。先輩ママのつわりはどんなふうだったのか、教えてもらいました。

とにかく気持ち悪い…

食べづわり

においに敏感に

食べ物の好みの変化

眠気

その他

朝?昼?夜?つわりがひどくなる時間帯は?

時計
Lazy dummy

朝ひどかった

昼間がひどかった

夕方~夜がひどかった

一日中辛かった……

つわりがひどくなる状況はあった?

※マイナビ子育て調べ  調査期間:2020年10月5日~2021年10月20日 調査人数:121人(21歳~40歳以上の女性)の回答から抜粋 ※ここで紹介した方法と結果は、個人の体験によるものです。記載の方法を推奨したり、結果を保証するものではありません。

いつまで続く?つわりの辛い時期

疑問がある女性のイメージ

つわりの辛い症状に悩まされている妊婦さんは、「これが一体いつまで続くの!?」と不安を感じてしまうことも多いはず。「つわり いつまで」と検索した経験も一度や二度ではないでしょう。妊婦さんを悩ませるつわりは、いつまで続くのでしょうか。

妊娠 8~10週ごろがピーク

つわりは、早い人では「妊娠5~6週(生理予定日の約1週間後)」ごろから始まり、8~10週ごろにピークを迎えることが多いといわれています。

つわりの症状としてよく知られているのは、「吐き気」「おう吐」といった消化器系の症状ですが、そのほかにも「よだれが増える」「だるさが続く」「眠くなる」「頭痛がする」「食欲不振になる」「嗜好の変化が生じる」など、さまざまなものがあります 。

始まってまもない時期にはそこまででもなかったこれらの症状が少しずつ強まり、本格化するのが妊娠8~10週ごろで、この時期に「つわりのピーク」を迎える人が多いようです。

12~16週ごろには治まってくる人が多い

ピークを迎えたつわりの症状はその後、妊娠12週ごろから徐々に楽になり始め、16週ごろ(妊娠5カ月の初め)までには自然に治まっていくことが多いといわれます。

気づかないくらい少しずつ症状が軽くなっていった場合は、「いつの間にかつわりがなくなっていた」という人もいるでしょう。

ただし、もちろんこれも個人差が大きく、つわりが長引いてしまったり、ひどくなっていくケースもあります。かなり辛い場合は我慢せず、産婦人科で相談するようにしましょう。

<みんなの体験談>いつ始まっていつごろまであった?

※マイナビ子育て調べ  調査期間:2020年10月5日~2021年10月20日 調査人数:121人(21歳~40歳以上の女性)の回答から抜粋 ※ここで紹介した方法と結果は、個人の体験によるものです。記載の方法を推奨したり、結果を保証するものではありません。

つわりが辛いのはなぜ?ひどくなる人の特徴

疑問がある妊婦さんのイメージ
Lazy dummy

つわりで辛い症状がある人もいれば、ほとんどなかったという人もいますが、こうした差はなぜ起こるのでしょうか。また、つわりがひどくなる人にはどんな傾向があるのでしょう。

つわりの原因ははっきりしていない

つわりの原因を把握することができれば、つわりがひどくなる人の傾向をつかむことができるかもしれません。でも、つわりが起こる原因は、まだはっきりとわかっていません。ただ、以下のような要因がいくつも重なって起こるのではないかと考えられています。

・妊娠すると分泌量が増加する「hCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)」「甲状腺ホルモン」「エストロゲンやプロゲステロンといった女性ホルモン」など、さまざまなホルモン分泌の変化
・出産までの母子の体調やその後の生活への不安などによる心理的ストレス[*1]の影響
・ビタミン 不足 など

例えば同じ場所にいても「寒い」と感じる人と「ちょうどよい」と感じる人がいるように、さきほどあげたような要因によって体に生じる変化の影響を強く受ける人と、そうでもない人がいます。元々こうした変化の影響を受けやすい人では、つわりがひどくなるのかもしれません。

なお、つわりは50~80%の妊婦さんが経験すると言われています[*2]。

はじめての妊娠ではつわりのある人が多い

つわりには「初めて妊娠・出産を経験する初産婦は起こしやすい」という傾向もあります 。

その理由もよくわかっていませんが、つわりは「妊娠によって起こる急激な心身の変化に、女性自身の体調が適合するまでの間に起こる体調不良」ともいわれているため、初めての妊娠のほうが、そうした変化への適合をより必要とするからかもしれません。

重症化する人は妊娠2回目以上の人が多い

つわりを起こしやすいのは初産婦ですが、いったんつわりが起こると重症化しやすいのは「経産婦」だといわれています [*3]。

つわりが重症化すると「妊娠悪阻(にんしんおそ)」と呼ばれる状態になり、治療の必要が出てきます。妊娠悪阻を発症するのは全妊婦さんのうち、「0.5~2%程度」といわれています[*4]。

つわりと妊娠悪阻を区別する明確な基準はありませんが、

・脱水の兆候がある
・おう吐をひっきりなしに繰り返している
・5%以上の体重減少がある
・尿中にケトン体が検出される

といった兆候が見られる場合、全身の状態を確認したうえで妊娠悪阻の可能性を考慮し、点滴などの治療を行います。

対処が遅れると「ウェルニッケ脳症(※)」を発症し、意識障害などを起こす可能性もあるので、 辛いときは我慢せず産婦人科を受診しましょう。
※ビタミンB1の不足により脳の奥のほうで出血が起こること

赤ちゃんの性別や双子も関係する?

そのほか赤ちゃんの数や性別も、つわりに影響することがあるようです。

例えば双子を妊娠した場合、早産、妊娠高血圧症候群など、さまざまな合併症のリスクが高まりますが、つわりも単胎妊娠に比べて起こりやすくなることがわかっています。

また、赤ちゃんの性別が「女の子」の場合は、男の子に比べてつわりを経験することが多く、さらに症状も重くなる傾向にあるという結果が、日本で行われた91,666人のママを対象にした調査で報告されています[*5]。

<症状別>辛いつわりの乗り越え方のコツ

水を飲む女性
Lazy dummy

辛いつわりですが、対処の仕方によって症状を軽減できることもあります。症状別のコツを知って工夫しながら、辛い時期を乗り切っていきましょう。

なお、医学的にはつわりは妊娠により起こる吐き気やおう吐などの症状を指しますが、一般的にひどい眠気など、胃腸の不快な症状以外もつわりに含めることがあるので、ここではその対策も紹介します。

吐きづわりで辛いとき

吐き気に悩まされる「吐きづわり」は、思うように食事ができないのが辛いですね。吐きづわりの対策としては、何でもよいので食べられそうなもの、口にできそうなものを少しずつでも食べたり、飲んだりすることを心がけてください。たとえ後から吐いてしまうとしても、できるだけ食べ物や飲み物を口にすることが大切です。

食事ができないと「栄養バランスが崩れて、赤ちゃんの健康に影響を及ぼすのでは」と心配になってしまうかもしれませんが、一時的なことなので気にしなくて大丈夫。食事の栄養面は、つわりの症状が落ち着いた後から考えていけば大丈夫です。

ただし、ひっきりなしにおう吐を繰り返し、水も飲めないという場合は、脱水症状の心配があるため、健診を待たずに産婦人科を受診しましょう。

食べづわりで辛いとき

空腹になると吐き気がしたり気持ちが悪くなったりするので、常に何かを口にしてしまうのが「食べづわり」の特徴です。

常に何かを食べるので、1日の総摂取カロリーが気になるところですが、つわりの間はカロリーや体重増加よりも、体調を整えることのほうが重要です。このときは気にせずに、食べられるものを食べて、気持ちが悪くなるのを防ぎましょう。

食べづわりの場合、血糖値が下がると吐き気をもよおしてしまうので、食べたいと思ったときすぐに食べられるナッツやクッキー、グミなどを常備しておくのがおすすめです。

早朝の空腹時に気持ちが悪くなりやすいという人も多いため、寝るときは枕元に準備しておきましょう。また一度にたくさん食べるのではなく、少量を小分けにして食べるのもポイントです。

よだれつわりで辛いとき

「よだれつわり」になると「唾液がたくさん出るが、苦いなどまずく感じてなかなか飲み込めない」「唾液を飲み込むと気持ちが悪くなってしまう」などの症状が現れます。日中、自宅にいるときなど、すぐに唾液が吐き出せる状況ならよいのですが、外出時、仕事中、寝る時など、通常のつわりと同様、場所を選ばず起こるのが、よだれつわりの非常にやっかいなところです。

よだれつわりの対策としては、

・よだれを吐き出す用に中身が見えないペットボトルを持ち歩く
・ティッシュで拭いたりして、よだれをこまめに処理する
・食事を小分けにする
・少量の水分を頻繁に飲む
・氷をなめる

などして、よだれだけを飲み込む機会を減らすことがおすすめです。

また歯をこまめに磨いたり、マウスウォッシュで口をゆすいだり、ガムやあめなどを口に入れたりするのもよいでしょう。いろいろな方法を試して、唾液の不快感から気持ちをそらせる方法が見つかるとよいですね。

寝つわりで辛いとき

体がだるくなったり、我慢できないような眠気が生じたりする「寝つわり」では、「気絶したように一日中寝て過ごした」「たくさん寝たはずなのに、ずっと寝足りない感じがある」といった悩みを抱える人が少なくありません。

寝つわりの症状が出た場合は、無理をせず休息をとることが一番です。寝られるようであれば、割り切って寝てしまいましょう。とはいえ、仕事をしている妊婦さんの場合は、睡眠を取るのが難しいこともあるでしょう。そのときは、軽いストレッチをする、ガムを噛むなどして気分転換をしてみてください。コーヒーなどで眠気覚ましをする場合は、カフェインのとりすぎに気をつけましょう。

<みんなの体験談>つわり対処法は?

おにぎり
Lazy dummy

これなら食べられた!

周囲の人を頼る

気分転換や休憩をする

※マイナビ子育て調べ  調査期間:2020年10月5日~2021年10月20日 調査人数:121人(21歳~40歳以上の女性)の回答から抜粋 ※ここで紹介した方法と結果は、個人の体験によるものです。記載の方法を推奨したり、結果を保証するものではありません。

つわりが辛いときの仕事と家事はどうする?

働く女性のイメージ

つわりで辛いときは、仕事や家事を調整することも必要になってくるでしょう。

辛いときは無理をしない

とにもかくにも、辛いときに無理は禁物です。自分が動けなくなることで、仕事や家事が滞ってしまうことに罪悪感を覚える人もいるかもしれませんが、そこはあまり気にしないようにしましょう。無理をすることでかえって迷惑をかけてしまう可能性も考えられます。

つわりの症状がおこりやすい間は無理してどうにかしようとするよりも、リスクを避けるために調整したり、誰かに任せたりすることを優先してください。

仕事では「母健連絡カード」を活用して

「母性健康管理指導事項連絡カード」、通称「母健連絡カード」は、医師等から働く妊婦さんや産後の女性への指示を、事業主に適切に伝達するためのツールです。

妊娠中や産後は、その人の健康状態を診た医師から、通勤・勤務時間の調整や休憩時間の延長、作業の制限、休暇の必要などの指導を受けたりすることがあります。そのような場合、母健連絡カードを利用すると、医師からの指示を会社や事業主に伝えやすくなります。

母健連絡カードの利用にかかわらず、医師等からの指導があったとの申し出を女性側がした場合は、事業主側は指導内容に応じ、通 勤の緩和や勤務時間の短縮、作業内容の変更など、適切な措置を講じる必要が生じます。必要に応じて活用しましょう。

なお、母健連絡カードは法律で、様式が決まっています。下記、厚労省のWebサイトからダウンロードするか、母子手帳に記載されたものをコピーして使ってください。

パパにはしてほしいことをはっきり伝える

家事についてはパパや家族にできるだけ協力してもらいましょう。
特にお願いしておきたいのが、料理です。つわり中はにおいに敏感になり、調理中に気分が悪くなることも多いもの。そのため、その間は料理を家族に作ってもらったり、外食やお惣菜を利用しましょう。

またパパには、やってもらいたいことを具体的に、はっきり伝えることも意識しましょう。例えばゴミ捨てをお願いするなら「火曜と金曜は燃えるゴミの日なので、こことここにあるゴミ箱からゴミを集めて、まとめて出して。新しいゴミ袋はここに置いてあるので、忘れずにセットして」など、具体的に伝えておくと、パパはやるべきことが理解できるので、協力しやすくなるはずです。

また、パパのやった家事にやや不満なところがある場合は、感謝の気持ちを伝えたうえで、「こうやってもらえるともっと助かる」など、「私」を主語とした“I”メッセージにして話すと、伝わりやすくなるでしょう。

まとめ

窓辺の女性
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つわりの症状は、早くて妊娠5~6週ころから始まり、妊娠12週ころになると徐々に治まっていくといわれています。辛い症状に悩まされている間は、「このつらさが永遠に続くのではないか」と思ってしまうところですが、ほとんどの場合、終わりがきます。つわりのタイプ別に対策法をとる、仕事については母健連絡カードを活用するなどして、辛い時期を乗り切っていきましょう。ただし、かなり辛い場合は我慢せず、まずはかかりつけの産婦人科医に相談してください。この時期は何事もがんばりすぎず、つわりの症状を軽減することを優先してください。

(文:山本尚恵/監修:宋美玄 先生)

※画像はイメージです

※この記事は、マイナビウーマン子育て編集部の企画編集により制作し、医師の監修を経た上で掲載しました

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます

  • 本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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