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2021年09月18日 16:05 更新

妊婦なのに辛いラーメンを無性に食べたくなる!赤ちゃんへの影響は?【管理栄養士監修】

妊娠中は食の好みが変化して、無性に辛いものが食べたくなる方も多いのではないでしょうか。辛いラーメンは塩分や油分に加えて香辛料の刺激も気になるところです。赤ちゃんへの影響や食べるときの注意点をまとめました。

辛いラーメンを食べるとおなかの赤ちゃんに影響はある?

辛いラーメンを食べると赤ちゃんに影響はあるのでしょうか。

イラスト1

おなかの赤ちゃんへの直接的な影響はない

辛いラーメンを食べても、おなかの赤ちゃんへの直接的な影響はないといわれています。どんな料理も食べすぎはよくないですが、辛いラーメンを食べても赤ちゃんに直接的な影響がないので栄養バランスや回数を考えて食べる分には大丈夫です。

辛いラーメンは妊婦の身体に影響を及ぼす可能性がある?

イラスト1

おなかの赤ちゃんに直接的な影響はありませんが、お母さんの身体には負担がかかる可能性があります。

胃痛や胃もたれ

黄体ホルモンのプロゲステロンの影響もあり、胃腸の働きが悪くなることによって胃痛や胃もたれが起こりやすくなります。主な辛み成分であるカプサイシンは舌の感覚神経を刺激して辛みを感じます。少量のカプサイシンは口や食道、胃などが適度に刺激されて食欲増進に効果がありますが、大量のカプサイシンが体内に入ると粘膜が傷つきやすくなって胃腸が荒れたり、咳が出たり、息切れすることもあります[*1]。
また、辛いラーメンは刺激だけでなく油分や塩分も多いので胃腸への負担が大きいです。ゆで卵やお野菜をトッピングするなどして、辛みをやわらげたり胃への負担を優しくしてあがられるといいですね。

妊娠中のキムチについて、詳しくは以下の記事を参考にしてください。
▶︎妊婦はキムチに注意すべき?辛いものの食べ方と注意点

血圧の上昇

ラーメンは一般的に塩分も多く、血圧の上昇の原因になる場合があります。スープは残すなど、塩分の摂りすぎに注意するとよいですね。

むくみ

むくんだ妊婦

ホルモンバランスや大きくなったお腹などの影響で妊娠中はむくみやすくなっていますが、辛いラーメンの塩分も摂りすぎるとむくみの原因になります。
ラーメンを食べた後はカリウムを多く含む食品(切り干し大根やアボカド、ほうれん草、バナナ、大豆、わかめなど)を摂ることで、体内の塩分の排泄を促し、むくみをやわらげるようにしましょう。

下痢や便秘

辛いラーメンに含まれる香辛料を摂りすぎると、胃腸を刺激して下痢を引き起こすことがあります。また、胃腸の調子が乱れると便秘の原因にもなるので注意が必要です。

体重増加

辛いラーメンなどの刺激物は食欲増進効果もあるので、ついつい食べすぎてしまうこともあります。また、油分も多いためカロリーが高いのも体重増加につながるので、食べすぎや頻繁に食べるなどは控えた方がよいですね。

妊娠中に辛いラーメンを食べたくなるのはなぜ?

ラーメンを食べようとする妊婦

ところで、それまでは特に「辛いもの大好き!」「ラーメン大好き!」というわけでもなかった人まで、妊娠したら辛いラーメンが無性に食べたくなることがあるのでしょうか。

妊娠によるホルモン変化の影響で味覚が変わる

妊娠中はホルモンのバランスが大きく変化するので、体調の変化に加えて味覚の変化も起こることもあるようです。つわりになっていつも食べられるものが苦手になった、嫌いなものが急に食べたくなったなどという話もよく耳にしますよね。単に気分で食べたくなるわけではなく、ホルモンの影響といわれると自分ではなかなか調節できないですよね。

ストレス発散で辛いものを食べたくなる人も

ホルモンバランスの変化は自律神経の乱れを起こすので、ストレスを感じやすくなります。日々変化していく自分の身体の変化や、環境の変化によって気分の浮き沈みなどが起こりやすいのもそのためです。ストレス発散方法の一つとして、甘いものを食べる人がいるのと同様に、辛いラーメンを食べる人もいるようです。

妊婦が辛いラーメンを食べるときの注意点

妊娠中もいくつかのポイントに注意すれば辛いラーメンを楽しめます。

辛いラーメン注意点

食べすぎはNG

辛いものを食べ慣れている人もいらっしゃると思いますが、妊娠中は食べすぎに注意しましょう。ホルモンバランスの関係で、妊娠前は食べても大丈夫だった量も胃腸の負担になる場合があります。辛いラーメンばかりでは栄養も偏ってしまうので、前後の食事で調整しつつ、楽しめるとよいですね。

スープは残す

辛いラーメンに限らず、一般的にラーメンは塩分が高くなっています。日本人の食事摂取基準(2020年版)によると、妊婦の食塩摂取目標量は非妊娠時同様6.5g未満[*2]で、1食あたりに換算すると約2g程度です。なるべくスープを飲まないようにして少しでも塩分の摂取量を減らせるとよいですね。

妊娠中のラーメンについて、詳しくは以下の記事を参考にしてください。
▶︎妊婦の食事にラーメンはあり?注意点とおすすめの食べ方

ライスは付けない

ラーメンライス

「ラーメンにライスは定番、セットじゃないと食べた気がしない!」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、ラーメンのカロリーにプラスしてライスのカロリーも摂取してしまうと、エネルギー過多になってしまいます。また、ライスと一緒にスープも飲んでしまうことが多いので、塩分過多にもなりやすいです。

激辛は控える

激辛は刺激が強いので、胃痛や腸の負担になる場合があります。妊娠前から激辛を食べていた人でも、妊娠中はホルモンバランスの影響で胃腸に負担がかかりやすいので、控えた方がよいでしょう。

深夜に食べない

夜遅く、小腹が空いたときに食べたくなるのがラーメンですよね。しかし、深夜に食べるのはむくみや体重増加の原因など妊婦さんにとってデメリットも多いのでお勧めしません。
また、深夜に食べてしまうと、朝食をしっかり食べられないこともあるでしょう。妊娠中は1日3食バランスよく食べてもらいたいので、食べるなら日中の身体を動かせる時間帯の方がよいでしょう。

まとめ

辛そうなラーメン
妊娠中に辛いラーメンを食べても赤ちゃんに直接影響はありません。ストレス発散に好きなものを食べたいときもありますよね。ただ、激辛や辛いものをたくさん摂り過ぎてしまうと、胃腸に負担がかかるなどお母さんの身体にとって良くないこともあります。お母さんとおなかの赤ちゃんが元気に過ごすためにも、辛いラーメンを食べるときは野菜や卵をプラスして栄養バランスを整えたり、前後の食事で調整して楽しんでいきたいですね。

(文:宗政祥子 先生、監修:川口由美子 先生)

※画像はイメージです

参考文献
[*1] カプサイシンに関する情報:農林水産省 (maff.go.jp)
[*2]日本人の食事摂取基準2020年版
  • 本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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