母子手帳の書き方は? 受け取ったらすぐ記入すべき欄はどこ?表紙の名前や中身の記載方法
妊娠の経過や子どもの成長記録を残し、妊婦健診や乳幼児健診を受けるためにも必要な母子手帳。自分ですぐに書いたほうがいい欄、健診のときに医療機関などで書いてもらう欄、子どもが産まれたら書いていく欄があります。将来にわたって残していく記録なので、間違えないように記入したいですね。書き方を解説します。
母子手帳の書き方
医療機関を受診し、妊娠が確定したら、住んでいる地域の窓口に妊娠届出書を提出しましょう。健康保健センター、母子包括支援センターなど、市町村によって窓口が異なりますので、役所のホームページや電話で確認してみてください。
妊娠届出書を提出すると、母子手帳が交付されます。同時に妊婦健診の補助票やマタニティマークなどももらえますので、届出は必ずおこないましょう。
母子手帳は、自治体によってデザインは多少異なりますが、内容はほぼ同じです。なかには、医療機関が記入する欄と保護者(あなた自身)が記入する欄があります。
厚生労働省の推奨する省令様式に従って、記入方法について説明していきます。
1. 表紙の「保護者の氏名」誰をどう書く?
表紙には「保護者の名前」を記入します。
あなたの名前だけを書いても、あなたとパートナーの名前を両方書いてもOKです。順番にも、決まりはありません。最近では、ママとパパ、それぞれの名前を書く欄があるタイプの母子手帳も登場しています。
入籍前の場合、「今の姓を書くべき? 結婚後の姓を書くべき?」と迷ってしまうかもしれません。今、健康保険証で使用している名前を書いておいて大丈夫。母子手帳は大切な手帳ですが、記録のためのものなので、あとから記入したり、修正したりしてOKなんです。
「保護者の名前」は、窓口で記入された状態で渡されることもあるようです。母子手帳を受け取るときに「妊娠届出書」というものを提出しますが、入籍して姓が変わることが確実な場合は、そのことを窓口で伝えておくといいですよ。後から記入または修正できるように、配慮してもらえることが多いでしょう。
2. 表紙の「子の名前」どう書く?
表紙には産まれてくる子どもの名前を書く欄があります。ほとんどの場合、まだ名前は決まってませんよね。空欄で大丈夫。名前が決まってから記入しましょう。
名前のほかに、「第〇子」か、生年月日、性別を書く欄があることも多いです。産まれてから書くので問題ありません。
3. 「保護者の情報」どう書く?
母子手帳をめくっていくと、「保護者の情報」を書く欄があります。ここは、あなた自身が、なるべく早く記入しましょう。「この欄は手帳を受け取ったらすぐに自分で記入してください」という注意書きがあります。
なにかあったときにはすぐ連絡がつくように、携帯電話の番号、住所などを忘れずに記入しておきましょう。変更があったら、その都度書き直してください。修正液を使っても問題ありません。
4. 「妊婦の健康状態等」誰がどう書く?
母子手帳の「妊婦の健康状態等」の欄は、あなた自身が記入します。
日ごろの健康状態や、職場などの環境についても項目があります。妊娠中、急に体調が悪くなったとき、母子手帳に記載された情報は治療の助けになります。外見から妊娠がわかりにくい初期、中期の場合は、とくに大事な情報源です。基本事項を記入し、通勤や外出のときに母子手帳を持ち歩くようにしましょう。
5. 「妊婦の職業と環境」誰がどう書く?
母子手帳の「妊婦の職業と環境」の欄も、あなた自身が記入します。
健康状態と同じように、妊娠中、急に体調が悪くなったとき、この欄に記載された情報が治療の助けになります。
パート、アルバイト、主婦の人は、「職業欄になんて書けばいいの?」と悩むかもしれませんね。決まりがあるわけではないので、「パート」「アルバイト」「主婦」などと書いて大丈夫。
妊娠中は、いつ何があるかわかりません。仕事を辞める、転職する予定がある場合でも、いったん現時点の情報を書きこんで、変更があったら、その都度追加で書きこむようにしましょう。
6. 「妊婦自身の記録」誰がどう書く?
「妊婦自身の記録」欄も、あなた自身が記入します。
週数ごとにあ体調などをくわしく記入できます。不安に感じる点やそのときの体調、素直な気持ちなどを書き留めておきましょう。自身の体調管理や妊婦健診で「何か質問や不安に思うことはありませんか?」と聞かれたときに役立つほか、後から振り返ったときに感慨深く思い出すはずです。
何を書けばいいかわからない人は、下の「母子手帳に記録しておきたいこと」を参考にしてくださいね。
7. 「妊娠中の経過」誰がどう書く?
診察月日の項目がある「妊娠中の経過」は、妊婦健診を受けたときに医療機関側で記載する欄です。今は空欄のままにしておきましょう。
妊婦健診では、毎回体重や血圧を測り、結果がここに記入されていきます。
8. 「両親学級の受講記録」誰がどう書く?
両親学級、パパママ学級など、自治体によって呼び方は違いますが、子育てを支援するために、赤ちゃんとの接し方、お世話の仕方を学べるチャンス。育児の不安を少しでも軽くするため、パパの意識改革のために、参加するということも多いようです。
参加したら、母子手帳に記録を残しておきましょう。あなた自身が書いてもいいですし、たまにはパパに記入してもらうのも、よい記念になりますね。
9. 「保護者の記録」誰がどう書く?
「保護者の記録」は、出産後、あなた自身が赤ちゃんの様子を記録する欄です。はい、いいえで答える簡単な質問のほか、自由に書き込めるスペースがあります。
赤ちゃんの成長の記録として、日々の発見を記入してみましょう。乳幼児健診のとき、医師へ質問したい内容の覚え書きもおすすめです。
なお、「健康診査」の欄は、乳幼児健診のときに、医療機関などが記入します。
母子手帳に記録しておきたい項目
母子手帳は、妊娠中から出産後まで長く使用する手帳です。子どもが大きくなってからも、大事な記録として残ります。母子手帳を使って「赤ちゃんのころについて調べよう」という学習をおこなう小学校もあります。また、大人になってから、本人に手渡すこともあるでしょう。
妊娠中は、体調・健康に関する情報のほかに、どんなことを記録しておくといいのでしょうか。
ママの気持ち
「心拍確認! うれしくて思わず涙が出た」「初めて胎動を感じた。思っていたより力強くてびっくり」など、ママの素直な気持ちを記録しておきましょう。
妊娠中、出産後は激動の毎日。今は鮮やかなその気持ちも、後からはなかなか思い出せなかったり、信じられないほど懐かしく感じたりするものですよ。
疑問に思うこと
妊娠中、産後の健診のときには、母子手帳を必ず持参する必要があります。医師に聞いておきたい疑問を記録しておくと、聞きもれを防げます。
聞きたいことがたくさんある場合や、「こんなことを聞いてもいいのかな」と不安に思う場合は、とりあえず思いついた疑問を付箋に書いて貼っておくのがおすすめです。これなら、健診までに解決した疑問は削除できますし、整理もしやすいです。
出産後も役立つ記入のポイント
母子手帳の記録は、子どものための情報でもあります。出産後も役立つ記入のポイントについてまとめました。
① 乳幼児健診以外の健康記録
市区町村による赤ちゃんの健康診断の回数やタイミングは、自治体によって多少違いますが、3歳までに8回ほど受けることになるのが一般的。健診の結果は、医療機関など、健診を実施する施設側が記入してくれます。
それ以外に医療機関を受診したり、身体測定をしたりといった記録も、ぜひ積極的に母子手帳に書きこんでみましょう。子どもの成長を通してみることができる、大切な記録になるはずです。
② 予防接種に関する記録
予防接種の記録は、子どもが将来、留学や海外旅行をする際に必要になる可能性のある、大切なものです。入園・入学のための手続きでも、予防接種の履歴を提出する必要がある場合があり、確認することの多い欄です。
接種の記録は、接種した医療機関が記入します。接種日やワクチンのロット番号などを記入してもらうため、予防接種の際は母子手帳を忘れないようにしましょう。
ママは、予防接種のあとの副反応などを記録しておくと、後から参考になります。「薬剤や食品などのアレルギー記入欄」には医師も書き込むことがありますので、なるべく簡潔に書くようにして、スペースはあけておきましょう。
③ 歯に関する記録
健康診査の欄には、歯の記録についても記入する部分があります。身体の健康と同時に、歯の健康も大切なことです。小さいころから歯医者さんに慣れておくと、あとあと助かります。定期的に歯科検診もおこない、母子手帳に記載をお願いすることをおすすめします。
母子手帳には、妊娠前のママの歯についての記録欄もあります。出産後は歯医者さんへ行くことも難しくなりますので、出産前に治療をおこない、記録しておくといいですね。
まとめ
母子手帳は、出産後何年かしてから見直すことがある大事な手帳です。また、次の妊娠があった場合もたいへん参考になりますので、負担にならない程度に気づいたことを記入しておきましょう。妊娠中は、ママと赤ちゃんを守る医療情報になります。もしもの場合に備えて、外出時も携帯することをおすすめします。
また、母子手帳のフリースペースは、カラフルに彩ったり、シールや写真を貼ったり、自由に使うことができます。最終的に思い出として手元に残してもよいですし、成人した子どもにプレゼントしてあげることもできますから、負担にならない範囲で作りこんでみるのもいいですね。