保育園から急な呼び出し!! 子どもにも職場にも罪悪感で引き裂かれそうなワーママへ #岩橋ひかりのキャリアの引き算
ワーママの頭の中は、育児や家事や仕事……すべてが同時のマルチタスク。日々そんな状態で、みなさん疲れてしまっていませんか? キャリアコンサルタントの岩橋ひかりさんが、忙しいワーママたちに「引き算」の考え方や岩橋さんが実践している方法をお伝えしていく連載です。
今回のテーマ「子どもにも職場にも罪悪感を感じてしまうワーママたちへ」
今年も寒い冬がやってきました。
冬といえば、クリスマスやお正月などの楽しいイベントが盛りだくさんな一方で、風邪にインフルエンザに胃腸炎など、病気が流行りやすい、ワーママにとって悩ましい季節でもあります。
保育園に貼り出された「○歳クラス、インフルエンザ1名」の紙に戦々恐々。
我が子は切り抜けられますように、どうか登園自粛だけにはなりませんように、と、祈るような思いで、師走の忙しさに包まれた職場に向かった経験のある方も少なくないのでは?
また、大きな声では言えないけれど、我が子の若干の体調不良をうすうす察しながらも、「今日だけは何とか保育園で頑張って……」と、そうっと保育園に預けて小走りで出社、保育園からの呼び出し電話にヒヤヒヤしながら仕事したことがある方も、きっと1人や2人じゃないはず。いけないことだとしても、そうせざるを得ない切羽詰まった状況があり、ママたちは引き裂かれる思いになっています。
病気の子どもに寄り添ってあげられない罪悪感だけでなく、急な早退や欠勤で職場の上司や同僚に対しても後ろめたさを感じてしまう方も多いことでしょう。しかし、何かある度に罪悪感に苛まれていては、長いワーママ生活が辛く苦しいものになってしまいますよね。
今回のコラムでは、保育園からの呼び出し地獄に打ち勝つ考え方をお届けいたします。
子どもは病気するもの。保育園からの呼び出しはいつか必ず起こるもの。
前段に書いた、インフルエンザの貼り紙に戦々恐々としたのも、鼻水垂らす我が子をそうっと保育園に預けて小走りに出社したのも、全部私の経験談。
特に、時短で働いていた長男の乳児時代。
ワーママ初心者だったこともあり、それまでのように自由に残業が出来ない時間制約がある中での働き方にも試行錯誤しつつ、保育園からの呼び出し電話に怯えながら働いていました。
業務に没頭していると、「岩橋さ〜ん、保育園から電話!」の声が鳴り響き、撃沈。慌てて同僚に業務の引き継ぎをして、机の上もぐちゃぐちゃのままに保育園にダッシュする、そんな苦い経験を重ねてきました。
しかし、さすがに、常に呼び出し電話に怯えながら仕事するのは、精神衛生上良くないと痛感した当時の私。私なりに仕事の進め方を工夫するようになりました。
私なりに工夫したワーママ仕事術の基本は、「日常的に備えること」
とても当たり前なことではありますが、いつ保育園から呼び出しがあるか分からないので、保育園からの呼び出しはいつか必ず起こるもの。その前提で業務を進めるように、仕事の仕方を変えました。
もし、今、急に保育園から電話がかかってきても、すぐにお迎えに行けるのか?
すぐにお迎えに行けるようにするにはどうしたら良いのか?
そんな視点で仕事の進め方を改善。今自分が抱えている仕事の状況は常にシェア、自分が担当している仕事もすぐに共有できるようにしました。
具体的には、毎日、朝と帰りに仕事のTODOや優先順位、進捗状況を書いたメールをチームの上司、同僚宛に送信。時には子どもの体調の状況や保育園の感染症流行状況も追伸で追記することも。
そして、業務で使用する資料やデータも、個人のデスクやフォルダには置かず、共有フォルダや自分以外の誰かがアクセスできる場所に保管。自分だけしか出来ない状況を徹底的に排除しました。
また、もし、絶対に外せない仕事と事前に分かっている場合は、夫にその旨を先に共有し、その時期は絶対に私はお迎えに行けないと宣言するようにもしました。
当時の私の場合、新卒採用の説明会や、面接などは、絶対に穴を空けられない重要なスケジュール。保育園からの呼び出しがあろうと、子どもが病気であろうと何があっても仕事を最優先する日と死守するようにしました。
当時は、ワーママ仕事術の情報はほとんど無く、試行錯誤しながら改善を重ねておりました。今、振り返ってみれば、大したハックでもありませんし、病児シッターを活用するなど、夫以外の誰かを頼る策もあっただろうにと思いますが、当時なりのベストを尽くす努力はしていたのかなと。
それまでは、保育園から呼び出し電話がかかってきてからドタバタ、周囲にも多大な迷惑を掛けながら対処していましたが、以降は、急な呼び出し電話にも動じることなく、同僚への業務負荷も最低限で済むように考慮した上で、保育園に向かえるようになりました。
今は、時代も変わり、リモートワークも普及しましたし、ベビーシッターなど子育てをアウトソースできるサービスも増えているので、保育園からの呼び出しに対応する他の選択肢ももっと増えていると思います。また一方で、別の悩みも増えているのかもしれません。
時代は変遷しますが、この先も長く続くワーママ生活、いちいち罪悪感を感じていては、やってられません。
そのために、必要な備えを常に用意しておくこと。地震への備えのように、日常的に備えておくのが吉です。
そして、罪悪感を感じにくくするために、何よりも一番効果的なのは、自分が働く目的を明確に持っておくこと。自分が何のために仕事しているのかがはっきりしていれば、保育園からの呼び出しにいちいち心が揺らぐことも減りますし、子どももそのうちに母親の仕事を理解し、応援してくれるようになります。
仕事を楽しんでいる姿を子どもに見せるのは、何よりものキャリア教育でもあります。
罪悪感や後ろめたさを感じたら、働き方を見直すタイミングに直面しているサイン。ぜひご自身の働き方や、働く目的を見直してみてくださいね!