
断乳ケアをしなかった場合、問題はある?ケアの目的と必要のないケース|助産師解説
断乳をした後、特に何もしなくても問題がないまま授乳を終えたママが「断乳ケアをしないと○○になるんだって!」なんて話を耳にすると不安になりますよね。今回は断乳ケアをしなかった場合について、助産師の坂田陽子先生に解説いただきます。
断乳ケアをしなかった……大丈夫?
断乳の際、セルフでケアしたり、母乳外来や出張助産院などを利用して断乳ケアをしてもらう人もいます。しかし、中には「特に何もしなかった」というケースも。断乳ケアをしなかったからといって後々何か問題になることはあるのでしょうか?
断乳ケアしなくてもトラブルが起きない人もいる
断乳の際も事前に授乳回数を減らしておくとトラブルが起きにくいのですが(後ほどくわしく解説します)、そもそもの授乳回数が少ない場合は、特に断乳後のケアをしなくても張りを感じないケースも珍しくありません。
断乳というよりも卒乳のイメージに近いかもしれませんが、実際にあったケースでは
「もともと朝夕の2回しか授乳してなかった」
「1歳半ぐらいでガクンと授乳回数が減り、寝かしつけの時だけ授乳していた」
などもともと授乳頻度が少ないママは、授乳をやめた後もおっぱいが張らなかったようです。
「ケアしないと乳がんになる」「次の子の時、母乳が出なくなる」はウソ!
断乳後、ケアをしないことで乳腺炎になるリスクはありますが、それ以外でまことしやかに脅しのようなことが言われているようで、ママからも相談を受けることがあります。
代表的な例として
「断乳ケアをしないと将来乳がんになる」
「断乳ケアをしなかった人は、次の出産をした時に母乳が出なくて困ることになる」
などがありますが、これは科学的根拠のない情報です。
今おっぱいに乳腺炎などの問題が起きていないのであれば、「断乳ケアをしなかった、どうしよう……」と不安になることはありません。乳房内に残った乳汁はママの体に吸収されて排出されるので、「次の子の授乳の時に古い母乳が出る⁉️」なんてこともありませんよ。
断乳ケアはなぜ必要?
断乳した際になぜケアが必要なのかについて知っておきましょう。
断乳ケアの目的は「胸の張りの緩和」
母乳は出すこと(授乳)で作られるので、断乳するときは母乳をある程度の期間乳房内に溜めることで、母乳が作り出されないようにします。
しかし、授乳せず母乳が乳房内にとどまってしまうと、胸の張りを感じるようになります。ひどくなるとおっぱいが赤っぽく腫れ、しこりができたり、痛みや熱感といった症状が出る乳腺炎のリスクも生じます。
断乳ケアは、授乳を行わない状況の中、おっぱいの張りを緩和しつつ乳腺炎にならないようにするために行うのです。
乳腺炎の症状については、以下の記事で詳しく解説しています。
断乳ケアの方法、どうやるの?

それでは断乳ケアの流れを見てみましょう。
ステップ1. 断乳1ヶ月前〜|少しずつ断乳回数を減らす
断乳する日を事前に決められる場合は、その1ヶ月ほど前から数日おきに1回ずつ授乳回数を減らしていきます。
これは頻回にしていた授乳をいきなりやめるよりも、なるべくなだらかにやめたほうが断乳後の張りや痛みといったおっぱいトラブルが少ないからです。
ステップ2. 断乳当日〜3日目|楽になる程度に搾乳する
断乳当日から3日後ぐらいは、母乳の産生がおさまらないため一番つらい時期です。楽になる程度に搾乳をして張りを緩和し、3日目に一度搾り切りましょう。
ちなみに、母乳は3日間(72時間)排出しないでいると、母乳を作り出す機能が妊娠前に戻っていき、作られなくなるとされています。なので、それまでのこの3日間が断乳で一番つらいというわけです。
ステップ3. 断乳4日目〜1週間|張りを感じたら圧抜きする
辛さのピークを超えたら、張りを感じた時だけ圧抜きをするといいでしょう。
断乳中の圧抜きについては、以下の記事で詳しく解説しています。
▶︎断乳の圧抜きマニュアル
ステップ4. 断乳1週間〜1ヶ月後|つらさを感じなくなったら完了
時間を追うごとに張る感覚もなくなって、断乳から1ヶ月も経つと絞っても母乳がにじむ程度になるでしょう。張りや痛みがなく、何もしなくてもつらさを感じなくなれば、断乳完了です。
断乳のケア方法について、詳しくはこちらの記事をご覧ください。
断乳ケアは母乳外来などでプロにお願いしたほうがいい?

母乳外来など専門家に頼ったほうがいいケースはあるのでしょうか?
自分でできるのであればセルフでOK
先程解説したような方法が自分でできるのであれば、セルフケアで問題ありません。
ただし、「痛みが出た」「乳腺炎になったっぽい」などのトラブルが起きたら母乳外来が出張助産院などで専門家に診てもらったほうがいいでしょう。
ちなみに、私も断乳を予定しているママから断乳ケアの依頼を受けることがあります。その場合は、授乳回数を減らすなどの方法をオンラインで伝えた上で「ステップ2」の3日目に伺って搾乳を行います。
まとめ

断乳ケアは授乳をやめた後の張りの緩和のために行います。乳腺炎などのトラブルもなく、ママ自身がつらくないようであれば、必ず行わなければいけないものではありませんよ。また、断乳ケアをしなかったからといって、その後病気にかかったり授乳できなくなるようなこともありません。
(構成:マイナビ子育て編集部、文:坂田陽子先生)
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