
2022年04月04日 07:28 更新
仕事も家事育児も100%は無理! 夫婦で共有したい「ファミリーキャリア」のススメ『ワーママはるのライフシフト習慣術』Vol.3
ライフシフトとは「人生の向きや位置を変え、人生に変化を起こす」こと。100年あると言われる人生、女性はどのように生きていけばよいのでしょう。社会の荒波で溺れぬように、ワーママ的泳ぎ方を徹底解説した『ワーママはるのライフシフト習慣術』(フォレスト出版)から、気になるトピックスを厳選してお届けします。
目次
仕事も100%、家事も100%なんて、誰もできない。だから…【1】

夫婦は共同経営者であるー「ファミリーキャリア」のススメ
お互いの人生やリソースにフリーライド(※)して成り立つキャリアは、健全な夫婦関係を築けません。短期的には乗り切れても、長期で考えたときに必ずどちらかに不満が残ります。
※「タダ乗り」という意味で、最近では働き方にも使われます。例えば、保育園から子どもが発熱をしたと連絡があった場合、日本の現状では仕事を切り上げてお迎えに行くのは妻側が多いです。妻側の企業は常に「子持ちの女性社員は、子どもの体調不良になると抜けてしまう」ということを念頭に入れて、仕事のシフトや業務内容を組む必要が出てきます。夫側の企業は、急な社員の休みによる損失を伴うケースがほぼありません。
夫側の企業は、妻側の企業の人事制度や福利厚生にフリーライドしていることになります。
そこで大事になってくるのは、お互いのキャリアを短期目線で見ない、長期目線で共有することです。その前提として、家事も育児も仕事もすべてを100%、どれも100点満点にこなすのは無理であると、2人で認識することです。
この本を読まれているような共働き世代のワーキングマザーは、幼少期から努力してきた方が多いでしょう。困難も努力したり工夫したりして乗り越えてきたがんばり屋さんが多いはずです。
しかし、妻、母、会社員の三足のわらじを履き始めると、1日24時間しかない中で、どれも満足いくまでやることは無理だと気がつきます。それでも「私が頑張れば」と努力をしてしまう。
会社には毎日8時間近くも拘束されている。夫は多忙。核家族化で頼れるのは夫婦だけ。そんな生活になると、どうやったって仕事も家事育児も完璧にこなすのは無理になります。
すると、どうなるのか? パートナーに対して腹が立ったり、会社に対してなんとなく申し訳なさや不満を感じてしまうようになります。
そんな負のサイクルを脱するために、ぜひおすすめしたい考え方があります。
それは、夫婦は「共同経営者」であり、夫と妻で「家族会社」を経営しているという発想です。
そこで長期の経営目標として、お互いのキャリア構築のタイミングを長期事業計画として立てていくことをおすすめします。
例えば、「子どもが小さいうちは大変だとわかっているけど、年齢的にどうしても 仕事のアクセルを緩めたくない」と夫が言うのであれば、「じゃあ、あなたが(夫が)アクセルを踏むのは今のタイミングね」と家族として支える話をします。次に、「私がアクセルを踏むのは、子どもが小学校に上がったタイミングにしたい」など、お互いのキャリアビジョンを話し合うのです。
短期の目線で見てしまうと、「家事育児をやっているか、やってないか」「夫ばっかりが好きなように仕事している、していない」といった、今の話にフォーカスしがちになります。
しかし、長期目線でお互いのキャリアのアクセルの踏みどころを、夫婦で調整し合って、家族を運営していくほうが、健全なキャリア形成が行なえるのです。
実際、わが家も長男が小学校1年生ぐらいまでは、私がアクセルを踏み切れないキ ャリア形成をしてきました。子育てのために今のポジションから降りたり、転勤を断ったりもしています。結果的には、私はその間にさまざまな複数の副業をして、他に仕事の目処が立ったので、キャリアチェンジしています。今はチェンジした分、チャレンジにアクセルを踏むときが増えたので、その間の子育ては夫に任せています。これからは私がアクセルを踏む順番だと、夫に話しています。
※「タダ乗り」という意味で、最近では働き方にも使われます。例えば、保育園から子どもが発熱をしたと連絡があった場合、日本の現状では仕事を切り上げてお迎えに行くのは妻側が多いです。妻側の企業は常に「子持ちの女性社員は、子どもの体調不良になると抜けてしまう」ということを念頭に入れて、仕事のシフトや業務内容を組む必要が出てきます。夫側の企業は、急な社員の休みによる損失を伴うケースがほぼありません。
夫側の企業は、妻側の企業の人事制度や福利厚生にフリーライドしていることになります。
そこで大事になってくるのは、お互いのキャリアを短期目線で見ない、長期目線で共有することです。その前提として、家事も育児も仕事もすべてを100%、どれも100点満点にこなすのは無理であると、2人で認識することです。
この本を読まれているような共働き世代のワーキングマザーは、幼少期から努力してきた方が多いでしょう。困難も努力したり工夫したりして乗り越えてきたがんばり屋さんが多いはずです。
しかし、妻、母、会社員の三足のわらじを履き始めると、1日24時間しかない中で、どれも満足いくまでやることは無理だと気がつきます。それでも「私が頑張れば」と努力をしてしまう。
会社には毎日8時間近くも拘束されている。夫は多忙。核家族化で頼れるのは夫婦だけ。そんな生活になると、どうやったって仕事も家事育児も完璧にこなすのは無理になります。
すると、どうなるのか? パートナーに対して腹が立ったり、会社に対してなんとなく申し訳なさや不満を感じてしまうようになります。
そんな負のサイクルを脱するために、ぜひおすすめしたい考え方があります。
それは、夫婦は「共同経営者」であり、夫と妻で「家族会社」を経営しているという発想です。
そこで長期の経営目標として、お互いのキャリア構築のタイミングを長期事業計画として立てていくことをおすすめします。
例えば、「子どもが小さいうちは大変だとわかっているけど、年齢的にどうしても 仕事のアクセルを緩めたくない」と夫が言うのであれば、「じゃあ、あなたが(夫が)アクセルを踏むのは今のタイミングね」と家族として支える話をします。次に、「私がアクセルを踏むのは、子どもが小学校に上がったタイミングにしたい」など、お互いのキャリアビジョンを話し合うのです。
短期の目線で見てしまうと、「家事育児をやっているか、やってないか」「夫ばっかりが好きなように仕事している、していない」といった、今の話にフォーカスしがちになります。
しかし、長期目線でお互いのキャリアのアクセルの踏みどころを、夫婦で調整し合って、家族を運営していくほうが、健全なキャリア形成が行なえるのです。
実際、わが家も長男が小学校1年生ぐらいまでは、私がアクセルを踏み切れないキ ャリア形成をしてきました。子育てのために今のポジションから降りたり、転勤を断ったりもしています。結果的には、私はその間にさまざまな複数の副業をして、他に仕事の目処が立ったので、キャリアチェンジしています。今はチェンジした分、チャレンジにアクセルを踏むときが増えたので、その間の子育ては夫に任せています。これからは私がアクセルを踏む順番だと、夫に話しています。
夫婦でお互いのキャリアビジョンを知る
「そんなにうまくいかないよ! 夫が『先に俺がアクセルを踏む』と決めていても、
数年経ったら『もっと忙しくなっちゃったから、ごめん』って言われるのでは」と心配している方もいるでしょう。
でもよく考えてみてください。
夫婦は「家族の共同プロジェクト」を回すパートナーです。共同経営者なのに、妻のキャリアを形成できない上に、フリーライドする夫が、あなたにとってベストなパートナーでしょうか?
私は離婚を勧めているのではありません。ただそれを、あなたがきっと(渋々でも)「(夫の選択に)イエス」と言うであろうと、きっとパートナーはわかっていて話をしているのではないかと思います。
その場合は、別の夫婦間問題が裏に隠れている可能性が高いので、最初の「お互いのキャリアに対してどう思っているか」、そのために「長期目線でどう役割を担っていくか」の話し合いを長めにしてみることをおすすめします。
余談ですが、私がかつて在籍していた外資系企業の社長(今は、代わってしまいま したが)は、子どもが3人いて、奥さまも企業人でした。いわゆるエリート中のエリートで、海外転勤も何カ国目のエリートです。その社長ですら、誰の助けも借りずに「家事育児」を夫婦だけで100%やるのは無理だと言っていました。
「妻がキャリアのアクセルを踏んでいるときは、僕がキャリア形成を少し緩やかにして、子ども3人の送迎をしたり勉強を見たりしていたよ。逆に、僕が欧州でキャリア形成をしているときは、妻が子どもを見ていた。こんなふうに夫婦の長いキャリアを見て、キャリアのアクセルを踏む場所を、お互いで調整し合って乗り切っていけばいいんじゃないか」
と社員の前で話していた姿が、私の心に今でも残っています。
でもよく考えてみてください。
夫婦は「家族の共同プロジェクト」を回すパートナーです。共同経営者なのに、妻のキャリアを形成できない上に、フリーライドする夫が、あなたにとってベストなパートナーでしょうか?
私は離婚を勧めているのではありません。ただそれを、あなたがきっと(渋々でも)「(夫の選択に)イエス」と言うであろうと、きっとパートナーはわかっていて話をしているのではないかと思います。
その場合は、別の夫婦間問題が裏に隠れている可能性が高いので、最初の「お互いのキャリアに対してどう思っているか」、そのために「長期目線でどう役割を担っていくか」の話し合いを長めにしてみることをおすすめします。
余談ですが、私がかつて在籍していた外資系企業の社長(今は、代わってしまいま したが)は、子どもが3人いて、奥さまも企業人でした。いわゆるエリート中のエリートで、海外転勤も何カ国目のエリートです。その社長ですら、誰の助けも借りずに「家事育児」を夫婦だけで100%やるのは無理だと言っていました。
「妻がキャリアのアクセルを踏んでいるときは、僕がキャリア形成を少し緩やかにして、子ども3人の送迎をしたり勉強を見たりしていたよ。逆に、僕が欧州でキャリア形成をしているときは、妻が子どもを見ていた。こんなふうに夫婦の長いキャリアを見て、キャリアのアクセルを踏む場所を、お互いで調整し合って乗り切っていけばいいんじゃないか」
と社員の前で話していた姿が、私の心に今でも残っています。
尾石 晴(ワーママはる) 『ワーママはるのライフシフト習慣術』(フォレスト出版)より一部抜粋/マイナビ子育て編集部)
→『ワーママはるのライフシフト習慣術』
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・ワーママのリアル! みんなの働き方・収入・タイムスケジュールと仕事への満足度を調査
・【漫画】休まないのは身体に悪い『ワーママビジョン』Vol.1
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『ワーママはるのライフシフト習慣術』では、ほかにもワーママに役立つ仕事術や家事育児のコツなどが紹介されています。ぜひ、書籍でもお楽しみください。
書籍『ワーママはるのライフシフト習慣術』について

音声メディア「Voicy」再生回数1500万回以上!
注目のトップパーソナリティが伝授する、自分らしい人生に変わる思考&実践法が
1冊の本になりました。
ライフシフトとは、
「人生の向きや位置を変え、人生に変化を起こす」という意味。
人生100年時代には、
「教育⇒仕事⇒引退」の3ステージの時代から、ステージの移行を数多く経験する
「マルチステージ」の人生が到来することを意味します。
その変化に対して、女性はどのような人生戦略を立てていけばよいのでしょう。
家庭もキャリアも賢くしたたかに、楽しく続けるための人生戦略を実現する1冊となっています。