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2023年03月01日 15:49 更新

水浅葱(みずあさぎ)とは?~日本の伝統色 Japanese Traditional Colors~

【水浅葱(みずあさぎ)】とは、緑がかった明るく薄い青色のことです。日本の伝統色である【水浅葱】にどのような由来があって、どのように愛されてきたのか、親子でいっしょに学べるよう、やさしい言葉で解説します。海外の方に英語で説明できるよう、英語での解説も紹介しています。

【水浅葱】とは?

紺の浴衣に水浅葱色の帯

水浅葱とは、緑がかった明るく薄い青色です。

色の名前 水浅葱
読み方  みずあさぎ mizuzsagi 
英語 pale blue
WEBカラーコード #93d2d3
CMYK C=45/M=0/Y=20/K=0
RGB R=147/G=210/B=211
※色は環境等により見え方が異なります。各種カラーコードは絶対のものではなく、あくまで参考値です。

【水浅葱】の意味と由来は?

【水浅葱(みずあさぎ)】は、【浅葱(あさぎ】の薄い色のことで、緑がかった明るく薄い青色です。藍染めの色のなかで、かなり薄い色になります。

藍染めのときに染料をためておく瓶を「藍瓶(あいがめ)」といいます。この「藍瓶」に糸や布を何回か浸して絞るという作業を繰り返すことで、だんだんと色が濃くなり、【藍色】、さらには【紺色】に変化していきます。逆に、「藍瓶」に少し浸しただけの薄い色に【瓶覗(かめのぞき)】があります。【水浅葱】は、【瓶覗】よりほんの少しだけ濃い色、あるいは【瓶覗】と同じくらい薄い色とされています。

また、【水浅葱】は名前のとおり、江戸時代に流行した【浅葱】色のバリエーションのひとつ。ただし、【水浅葱】は大人気とはいえなかったようです。江戸時代の川柳『誹風柳多留(はいふうやなぎだる)』には、「おやぶんは 水浅葱まで 着た男」という川柳があり、【水浅葱】は罪人が着せられる色として表現されています。

【水浅葱】に合う色は?


水 浅 葱
 みず あさぎ 


紺  色
 こん  いろ 



水 浅 葱
 みず あさぎ 


薄 紅
 うすくれない 

【水浅葱】に合う色のひとつに【紺色】があります。同じ藍染め同士の濃淡の配色となり、相性は抜群です。

【水浅葱】は薄い色なので、濃い色と組み合わせることで、さわやかさを感じさせる配色になります。同じ系統色としては、鉄の焼肌のような暗い青緑色の【鉄色(てついろ・くろがねいろ)】や緑みの暗い青色の【納戸色(なんどいろ)】などとの配色も、落ち着いた中にも若々しさを感じさせる組み合わせです。

また、黄みがかった紅色の【甚三紅(じんざもみ)】やややくすんだ紅色の【薄紅(うすくれない)】などの暖色との配色もよく映えます。

A traditional Japanese color "水浅葱 Mizu-asagi" is...

A traditional Japanese color "水浅葱 Mizu-asagi" is a light color of "浅葱 Asagi," a bright, pale blue with greenish tints. It is a very light color among indigo dyeing colors.

A bottle in which dye is stored during indigo dyeing is called an "藍瓶 aigaime". By repeatedly soaking thread or cloth in this "藍瓶 aigaime" and wringing it out several times, the color gradually becomes darker and darker "藍 Ai" or even "紺 Kon". On the other hand, the light color produced when the cloth is only slightly soaked in an "藍瓶 aigaime" is called "瓶覗 Kame-nozoki". The color of "水浅葱 Mizu-asagi" is considered to be just a little darker than "瓶覗 Kame-nozoki" or as light as "瓶覗 Kame-nozoki".

As the name suggests, "水浅葱 Mizu-asagi" is a variation of the "浅葱 Asagi" color that was popular during the Edo period (1603-1868). However, "水浅葱 Mizu-asagi" did not seem to be very popular. In the Edo period willow "Hai-fu-yanagidaru," there is a willow poem entitled "Oyabun wa mizu-asagi ni katakatta otoko," which describes "水浅葱 Mizu-asagi" as a color that sinners are made to wear.

まとめ

【水浅葱】は、藍染めのなかでもかなり薄く淡い青色。【浅葱】はとくに江戸時代に流行した色で、【水浅葱】のほかにも、【花浅葱(はなあさぎ)】【錆浅葱(さびあさぎ)】【鴇浅葱(ときあさぎ)】【薄浅葱(うすあさぎ)】などの派生色が誕生しています。

(マイナビ子育て編集部)

参考文献
・『色名がわかる辞典』(講談社)
・『366日 日本の美しい色』(三才ブックス)
・『くらしを彩る 日本の伝統色事典』(マイナビ)

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