アヤメの花言葉|アヤメの概要や特徴、花言葉、名前の由来を解説
アヤメ(あやめ)は、6枚の花びらのうち3枚が上に残りの3枚が下に向いた、独特の花姿が特徴的。その形も神秘的ですが、花姿以外にもアヤメに関する神秘的な神話が残されており、神話にちなんだ花言葉もつけられています。ここでは、アヤメの概要や特徴、花言葉、名前の由来などを詳しく解説します。
アヤメ(あやめ)の花言葉
アヤメ全般につけられている花言葉は、「よい便り」「吉報」「希望」。
この花言葉は、ギリシャ神話にもとづいてつけられています。
ギリシャ神話に出てくる神々の王であるゼウス。ゼウスからの求愛に困っている侍女イリスを見かねたゼウスの妻・ヘラは、イリスに神の酒を振りかけて虹の女神に変え、神々への使者としました。
そのときにこぼれ落ちた酒がアヤメとなり、アヤメの花言葉「よい便り」や「吉報」も、虹をわたり届けられるメッセージからつけられました。
アヤメの色別の花言葉
アヤメは紫色の花がよく知られていますが、白や黄色のアヤメもあります。以下で色別の花言葉を紹介します。
紫のアヤメの花言葉
紫色のアヤメの花言葉は、アヤメ全般の花言葉と同じく「よい便り」。
アヤメというと紫がメジャーなので、花言葉もアヤメ全般の花言葉がそのまま用いられているのでしょう。
白のアヤメの花言葉
白のアヤメには、「あなたを大切にします」という花言葉がつけられています。
真っ白でひらひらとした花びらはまるでウエディングドレスのよう。花言葉も、まさにウエディングにぴったりですね。
黄色のアヤメの花言葉
黄色のアヤメには、「幸せ」「幸せをつかむ」といったポジティブな花言葉がつけられている一方で、「復讐」「消息」といった不穏な花言葉もあります。
黄色の花はネガティブな花言葉がついていることが多く、アヤメも例外ではないようです。
アヤメの種類別の花言葉
一般的にアヤメはアヤメ科アヤメ属全般の花を指すことが多いですが、アヤメの中にも種類があり、種類別の花言葉もつけられています。
ハナショウブ(花菖蒲)の花言葉
ハナショウブはアヤメ科アヤメ属の多年草で、花の根本に黄色く細長い模様があるのが特徴です。
ハナショウブの花言葉は「うれしい知らせ」「よい便り」。
アヤメ全般と同じような花言葉がつけられていますね。このほか、「優雅」「あなたを信じる」の花言葉もあります。
カキツバタの花言葉
カキツバタもアヤメ科アヤメ属に属する植物で、湿地帯に生息しています。紫色の花びらの中央に、白の模様があるのが特徴です。
カキツバタの花言葉は「幸せは必ずくる」「幸せはあなたのもの」。
とてもポジティブで、贈られてうれしい花言葉ですね。
ジャーマンアイリスの花言葉
ジャーマンアイリスは虹のように多彩な花色が特徴で、レインボーフラワーとも呼ばれます。
ジャーマンアイリスの花言葉は「使者」「恋のメッセージ」。
アヤメ全般の花言葉の項で紹介したギリシャ神話にちなんでつけられた花言葉です。
アヤメの花言葉に怖いものはある?
ポジティブな花言葉が多いアヤメですが、黄色のアヤメにだけは「復讐」という穏やかでない花言葉がつけられています。
黄色は明るく元気なイメージですが、花言葉ではネガティブな言葉がつけられることが多いのです。
アヤメをプレゼントで贈るなら、黄色は避けたほうがよいでしょう。
アヤメの特徴
アヤメは山や野に自生するアヤメ科アヤメ属の植物で、開花期は5月。開花期になると、剣形の葉の間から伸びた茎の先に6枚の花びらのついた鮮やかな花を咲かせます。
6枚の花のうち、3枚は上を向き、残り3枚は下を向いた独特の花姿が特徴。ショウブやカキツバタと花の姿がそっくりで、これらの花を総称してアヤメと呼ぶのが一般的です。
アヤメの基礎知識
・分類…アヤメ科アヤメ属
・原産地…日本を含む東北アジア(アヤメ)、ヨーロッパ(ジャーマンアイリス)
・別名…ジャーマンアイリス…ドイツアヤメ、レインボーフラワー
・開花期…5月~6月
・出回り期…10月~5月
アヤメの名前の由来
アヤメの名前の由来には諸説あるようです。たとえば、以下のような説が存在します。
・花の中央の黄色い部分が網目のようだということから。
・剣形の細長い葉が縦に並んでいる様子が模様のようで、織物や木目などに現れた模様を意味する「文目(あやめ)」からつけられた。
・奈良時代に中国から渡来した朝廷勤めの女性たちが「あやめ」と呼ばれており、彼女たちが端午の節句で用いた植物をあやめと呼ぶようになった。
これらのほかにもいくつかの説があるようですが、どれが正しいのかはっきりとはわかっていないようです。
アヤメの誕生花
誕生花とは、生年月日にちなんだ花のこと。ギリシア・ローマの神話に由来するとされています。
アヤメが誕生花となる生年月日は以下のとおりです。
アヤメの有名なことわざ
アヤメにまつわる有名なことわざに「いずれアヤメかカキツバタ」があります。「どれもすばらしく選ぶのに迷う」という意味のこのことわざの由来となったのが、「源平盛衰記」の恋物語。
源頼政が鳥羽院に仕える菖蒲前(あやめのまえ)という娘に恋心を抱いていることを知った鳥羽院は、頼政を試すため、背格好のよく似た娘を3人並べ、選ばせようとしました。
遠くからしか菖蒲前を見たことがなかった頼政は戸惑い、「五月雨に沼の石垣水こえて 何かあやめ引ぞわづらふ(想いがあふれ、あやめがどれなのか、引き抜くことさえ思いわづらいます)」と詠んだところ、鳥羽院はこれに深く感動し、菖蒲前を頼政に賜ったということです。
まとめ
アヤメひとつとっても、色別や種類別など、こんなにも多くの花言葉があるとは驚きですね。贈る人への関係性や贈る目的に合わせて、適切な花言葉のアヤメを選びましょう。黄色のアヤメだけはネガティブな花言葉がついているので注意してください。