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2022年08月25日 17:09 更新

イカの食べ過ぎのリスクとは?コレステロールは大丈夫?適量の考え方を解説【管理栄養士監修】

刺身にしても、煮たり焼いたりしても、おいしく食べられるイカ。好きな人も多いかと思いますが、食べ過ぎたらどうなるのかと心配になることもあるかもしれませんね。何かリスクはあるのでしょうか? イカに含まれる栄養素の特徴やアレルギーのリスク、アニサキスへの注意も一緒にみてみましょう。

イカに含まれる栄養素や成分

塩丸いか

まずはイカにどのような栄養があるのか、その特徴を解説します。

低カロリー|ダイエットにも嬉しい

イカは100gあたり75~80kcal程度と、ほかの魚よりカロリーは低めです[*1]。また、しっかり噛む必要がある食材なので、自然と噛む回数が増え、食べたときの満足感が生まれやすいでしょう。ダイエット中に食べる場合、嬉しいですね。

塩分|他の魚より多め

イカは生の状態で100gあたり0.5g程度の塩分(食塩相当量)が含まれます[*1]。これはほかの魚と比べると少し多めです。イカは刺身などでしょうゆをつけて食べたりしますが、塩分の摂り過ぎにならないよう、注意が必要です。

塩分摂取はだいたい1食あたり2.5g未満にしたいので、イカを食べるときは特に、味噌汁やスープを多く摂り過ぎないようにしたり、調味料を使いすぎないように注意できるといいですね。イカは塩分を含むと理解しているだけでも意識や行動が変わりそうです。

タウリン|肝臓の働きを助ける

健康ドリンクなどによく配合されているタウリン。コレステロールの吸収を抑えたり、心臓や肝臓の機能を高めるなどのはたらきがあるといわれています[*2]。

イカはこのタウリンを成分として含んでいます。具体的にイカにどのくらい含まれているかはわかりませんが[*1]、一般的にはイカ・タコやエビ、貝類など、魚介類に多く含まれるとされています[*2]。ただし、成分としてのタウリンの効果を、イカを食べることで得られると期待するのは難しいでしょう。

加えて、タウリンは体内でも作られるため、不足する心配もあまりありません。タウリンを摂りたいからといってイカをたくさん食べると、栄養の偏りが生じてしまいます。タウリンを摂ることにこだわらず、そうした成分が含まれるんだという程度に考えておきましょう。

プリン体|高尿酸血症の場合は注意

イカのから揚げ

スルメイカには100gあたり186.8mg、ヤリイカには160.5mgのプリン体が含まれます[*3]。比較的多い方だと言えるでしょう。

プリン体は尿酸のもとになる成分なので、高尿酸血症や通風の主な原因と思うかもしれませんが、プリン体を摂取したから発症するというわけではなく、それよりも肥満やアルコール摂取がリスクとなります[*4]。プリン体だけがきっかけとは言いにくいでしょう。プリン体だけを気にするのではなく、暴飲暴食に注意することが予防のために大切なことです。

なお、すでに高尿酸血症を発症していて、なおかつ、医師からプリン体摂取を控えるように言われている場合は、重症化を防ぐためにプリン体の摂取量に気を付ける必要があります。

イカを食べ過ぎたらどうなるの?

イカ 一夜干し

イカは過剰症のリスクのある栄養素が多い食材ではないため、高尿酸血症などの病気がなければ、特に食べる量を気にしすぎる必要はありません。念のため気を付けたらよいことをお伝えします。

腹痛などを起こすことも

イカは噛み切りにくい食材ですが、あまり噛まないでまるごと飲み込むようにしてしまうと、消化不良で腹痛を起こすこともあるかもしれません。咀嚼が消化を助けるという面があるため、しっかり噛んで食べるようにしましょう。

イカは1日に何gまで食べてもいい?

いかそうめん

1日にイカを何gまで食べていいのかという決まりはありません。どのくらいまで食べていいかという疑問に思ったら、他のものもバランスよく食べているかに注目しましょう。

健康な人であれば、一般的な食材を一度にたくさん食べたからといって、すぐに健康被害がおきることはほとんどありません。大切なのはその頻度と、偏らずに他の食材も食べているかどうかです。ある食品を食べ過ぎたなと思ったら、しばらく控えてみるのもいいでしょう。

1日の適量は100gくらい

それでは、だいたいどのくらい食べるのが普通といえるのかを考えてみましょう。イカは1日100gくらいが適量です。これは食事バランスガイドを参考に割り出しています。

食事バランスガイドでは、肉、魚、大豆製品、卵などの主菜はそれぞれ、たんぱく質を6gほど含む量を1つ分と定め、1日に3~5つとるようにとされています[*5]。イカはだいたい50gでたんぱく質6gのため、1日に100gくらい(2つ分)がほどよい量と言えるでしょう。残りの2~3つ分は卵や納豆などで補うとよいですね。

お寿司のイカなら10~12枚程度

イカの刺身

イカ100gと言われてもなかなか想像しにくいかもしれません。握り寿司で使われるイカの刺身は1枚がだいたい約8~10gなので、10~12枚分で100gほどになります。食感がしっかりしているので、かなり食べ応えがありそうですよね。量のイメージの参考にしてください。

コレステロールを制限している人|1日60gまで

イカはコレステロールが多めです。たとえば剣先イカは100gあたりコレステロールを350mg含んでいます[*1]。

健康であればそれほど気にする必要はありませんが、脂質異常がみられる場合は、重症化予防の目的から1日200mg未満にとどめることが望ましいとされています[*6]。脂質異常のためにコレステロールの摂取量を抑える指示がある場合は、イカを毎日食べるようなことを避けましょう。1日だけででなく日々の積み重ねで摂取量を考えることが大切ですが、目安量としては1日60gほどと考えてください。

イカだけでなく、卵やレバーなど他のコレステロールが多い食品や、揚げ物の食べ過ぎにも注意しましょう。

その他の魚介などの食べ過ぎはこちらをチェック!

イカのアレルギーに注意

イカは食物アレルギーの原因となることが少なくない食材です。加えてイカアレルギーは1種類ではなく、アニサキスアレルギーというタイプもあり、注意する必要があります。

イカはアレルギー表示推奨品目の1つ

イカはアレルギー表示推奨の21品目のうちの1つです。これはアレルギー発症例数や重篤度が高い、アレルギー表示義務特定原材料7品目に準じるものになります[*7]。簡単に言うと、イカはアレルギーになる人が少なくないということですね。イカを食べて何か異変を感じたら病院を受診しましょう。

エビやタコアレルギーがある場合も注意

シーフードサラダ

イカのアレルギーのもとになるたんぱく質は、エビやタコのアレルゲンと構造が似ています。そのため、エビアレルギーとイカアレルギーは別のものですが、エビアレルギーの人の一部はイカでもアレルギー症状がでる可能性があります。タコも同様です。

なお、イカやエビ、タコのアレルゲンは熱に強いため、生でも加熱したものでも同様に注意が必要です[*8]。ひとくくりにこれらを除去する必要はありませんが[*8]、お子さんなどで、はじめて食べるものがあれば注意できるといいでしょう。

アニサキスアレルギーの可能性も

イカには寄生虫のアニサキスが入り込んでいることもあります。刺身などで生きているアニサキスを間違えて食べしまうと、アニサキスに胃や腸を噛まれることによるアニサキス症が起こりますが、それとは異なるものとして、すでに死んでいるアニサキスを摂取した場合にアニサキスアレルギーを起こすことがあります。

このアニサキスアレルギーは子どもに起きることはほとんどなく、中高年に多くみられるのが特徴です。アニサキスが死んでもアレルゲンは残るため、寄生していたイカや魚などを食べて起きることがあります[*8]。アレルゲンは加熱にも強いことから、アニサキスアレルギーの場合には広く魚介類を避けなければなりません。

診断も難しいものですが、成人の魚アレルギーはアニサキスアレルギーではないかともいわれているほどなので[*8]、今までイカが食べられたのに、食後~12時間後にじんましんや消化器症状がでた場合は、疑ってみてもいいかもしれません。

まとめ

イカをたくさん食べたからといって健康被害がでるようなものではありません。しかしながら、イカの栄養の効果を期待してイカばかり食べると、全体の食事バランスが悪くなることに注意しましょう。生のイカにはアニサキスなどの危険もあったりもしますが、それを理由にイカなどの魚介類全般を避けてしまうと、栄養が摂れなくなってしまいます。アニサキスアレルギーの発症を予防するのは難しいですが、しっかり加熱することでアニサキス症は防げます。アニサキスが心配な場合は十分に加熱して食べるようにするといいですね。

(文・監修:川口由美子 先生)

※画像はイメージです

「カロリー」という表記について
本来は「エネルギー」と呼びますが、本記事では一般的になじみのある「カロリー」と表記しています。

※この記事は、マイナビ子育て編集部の企画編集により制作し、管理栄養士の監修を経た上で掲載しました

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます

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