
喧嘩をすると友達を噛んでしまう娘。どうすれば治る?<子育て心理カウンセリングルーム>
子育て中のママ・パパの悩みを臨床心理士・公認心理師に相談する『子育て心理カウンセリングルーム』。今回は、5歳の娘についてのお悩みです。「友達との喧嘩が言い合いで終わらない」というその訳は……。

娘が友達を噛んでしまう
長女が幼稚園で友達と喧嘩をした際、言い合いだけでなく、相手の身体を噛んでしまうことがあります。
どうすれば治るのでしょうか。
(39歳・男性・不動産/営業職)
■家族構成:自分39歳、妻39歳、長女5歳、長男3歳
■お困り度:★★★★★★★★☆☆

長女さんがお友達の身体を噛んでしまうことがあるとのこと、長女さんに対しても噛まれた相手のお子さんに対しても、きっととてもご心配なことと思います。噛むことで何らかの感情や考えを表現しているのだと思われますが、その表現の仕方は適切ではないことはきちんと教えていかなければならないですよね。
大切なのはその教え方ですが、噛んでしまいそうになったら可能な限りその行動を止めること、噛んでしまった場合はどうして嚙みたくなってしまったのか、その気持ちを否定せずに聞いたうえで、その気持ちは噛まずに言葉で教えてほしいこと、上手く言えないと感じたら大人のところに来てほしいことを伝えていくのが基本的な対応になるかと思います。
長女さんが噛んでしまうのは幼稚園でお友達と喧嘩をする場面ということなので、先生方がそのように対応してくださっていると推察しますが、ご心配なようでしたらどんな対応をしてもらっているか確認されると良いと思います。
長女さんが人を噛んでしまうのは幼稚園のお友達だけでしょうか。お家で長男さんや家族を噛むなど、幼稚園以外の場面でも同じような行動が見られることはありますか?もしあれば、ご家庭でも上記のような対応をしていくとよいでしょう。
噛みついてしまうのが主に幼稚園でのお友達に対してであれば、同じ年頃の子の集団の中では、長女さんが不安や困難を感じる状況が多いことが要因になっている可能性もあるように思います。同じ5歳であっても個人差がとても大きいお年頃なので、おしゃべりが得意な子や体格や自己主張に優れている子など、何らかの要因で長女さんが圧倒されてしまったり上手く自分の気持ちを伝えたりすることが難しいと感じる相手や状況があり、そのようなときに噛むという表現手段を取ってしまうのかもしれません。
そうであれば、長女さんの成長とともに噛むことも減っていくかと思います。それまでの間は、長女さんが自信をなくしてしまわないよう、長女さんの存在自体を受け止め尊重するような対応を続け、噛まなくてもしんどい状況を乗り切る方法はたくさんあることを伝えつつ、気持ちを適切に表現する方法を一緒に考えてあげられると良いですね。
(文:臨床心理士 たかだちかこ/うららか相談室)