シランの花言葉は?怖い意味もあるの?ガーデニングで人気!美しくも切ない物語など解説
古くから園芸植物として親しまれているシラン(紫蘭)。名前は知らずとも、鉢植えなどで見かけたことがある方も多いのではないでしょうか。ここでは、シランの概要や特徴、花言葉、名前の由来などを詳しく解説します。
シランの花言葉
丈夫で育てやすいことから、ガーデニングで人気のシラン。華やかな花姿で、初夏の庭先を彩ります。
そんなシランにつけられている花言葉は「美しい姿」「あなたを忘れない」「変わらぬ愛」。
半開きで下を向いて咲くことが多く、その姿が控えめにうつむく女性の奥ゆかしい様子を連想させることから、「美しい姿」という花言葉がつけられたようです。
一方「あなたを忘れない」「変わらぬ愛」の花言葉の由来には、ギリシャ神話の中のヒュアキントスという美少年の話が関係しています。
ある日、ヒュアキントスと太陽の神アポロンは円盤を投げて遊んでいました。そこに現れた西風の神ゼピュロスは、その仲睦まじい姿を見て嫉妬します。そして、邪魔をしようと風を吹かせいたずらをしたのです。ところが、その風によって円盤はヒュアキントスの額に当たり、彼は死んでしまいました。その時に流れたヒュアキントスの血から咲いた花がヒヤシンスと言われています。
英名で「ヒヤシンス・オーキッド(Hyacinth orchid)」とも呼ばれるシラン。
愛する人を亡くしてしまったゼピュロスの切ない想いが花言葉となっているのですね。
シランの色別、種類別の花言葉
紫の蘭と書いて「紫蘭(シラン)」ですが、紫色のものだけでなく観賞用として各地で様々な新種が作られています。
花色は白やピンクなどで、シランと区別するためにそれぞれ「白花シラン」「口紅シラン」と呼ばれます。葉に斑の入った「覆輪シラン」という品種もあります。こちらは真っ白や、中心が紫色になった花を咲かせます。
他にも黄色や薄いオレンジの花を咲かせる「黄花シラン」や、薄いピンクに中心の黄色が可愛い「アマナ蘭」が中国や台湾では多く見られます。
色によって花のイメージは変わりますが、花言葉に区別はなくシランと同じようです。
シランの花言葉に怖いものはある?
「シラン 花言葉」と検索すると「怖い」という言葉が出てきます。
「死」や「呪い」などを連想する怖い花言葉はありませんが、先ほど紹介したギリシャ神話に由来するネガティブな花言葉もあるようです。
それは「不吉な予感」「薄れゆく愛」です。
西洋ではシランを「悲しい花」と位置付けているようなので、プレゼントとするには不向きかもしれません。
凛とした印象もあるシランですが、うつむきがちに咲く姿が切なく感じられますね。
シランの特徴
シランは、日本の関東以南、台湾、中国に自生するラン科の植物です。
暑さ寒さに強い丈夫な種であることから、育てやすく園芸初心者にもおすすめです。こぼれ種からでも育つ繁殖力の高い植物なのですが、野生種は準絶滅危惧種に指定されています。
草丈は30~50cmほどで、細長く先が尖った大きな葉が特徴的です。茎の付け根から先に向かって花柄をつけていき、そこに4cmほどの花を7、8輪咲かせます。花が咲き終わるとシードポッドと呼ばれる実が出来ます。乾燥すると自然と実が割れ、中に入っている種子が周りに散布されるようになっているのです。種子は非常に細かく粉のような形状をしているので、様々な場所に飛び散り種の保存を繰り返しています。
シランの基礎知識
・分類…ラン科 シラン属
・原産地…日本・台湾・中国
・別名…紅蘭(ベニラン)、白及(ビャクキュウ)
・開花期…5月~6月
シランの名前の由来
シランは漢字で紫蘭と書きます。
紫色の花を咲かせる蘭科の植物であることから、この名がついています。
英名の「urn orchid」「Hyacinth orchid」の「orchid」も蘭という意味です。
シランの誕生花
誕生花とは、生年月日にちなんだ花のこと。ギリシア・ローマの神話に由来するとされています。
シランが誕生花となる生年月日は以下のとおりです。
漢方薬として使われるシラン
シランは地下に玉葱のような形状の鱗茎(偽球茎)を連ねています。
偽球茎とは地上茎の一部が肥大化したもので、水や養分を貯蔵する働きを持ち、栄養繁殖の手段となります。
この偽球茎を加工し乾燥させたものが、生薬の白及(ビャッキュウ)です。
白及には収斂性の止血作用があり、日本ではあまり使用されませんが、中国では喀血や吐血などの止血に使われることがあるようです。
丈夫で育てやすいシラン
ランは育てるのが面倒というイメージがありますが、シランは暑さにも多少の寒さにも強くランの入門品と言われています。
日当たりや通気性がよく、水はけのいい場所に植えればすくすくと成長します。
丈夫なので多少の乾燥には耐えることができ、庭植えの場合は自然の雨に任せているだけでも十分。
開花期のアブラムシやナメクジの被害やウイルス性の病気には少し注意が必要ですが、難しいものではありません。
こぼれ種から育つことも多く、気づかないうちにあちこちから発芽していることもあるようですよ。
様々な色、形の中からお気に入りの品種を選んで、ガーデニングを楽しんでみてはいかがでしょうか。
まとめ
相手を深く想う素敵な花言葉は、美しいシランの花にぴったりでしたね。
ネガティブな花言葉もあるのでプレゼントには向かないのかもしれませんが、とても可愛らしい花です。是非、お家で育ててみてください。