2歳のおやつは何がいい?市販品でもOK?おすすめのおやつと注意したいもの【管理栄養士監修】
小さな子どもは日々成長していくので、それに合わせて食べ物もどう選んでいけばよいか、迷うものですよね。おやつもその1つでしょう。1歳のときと同じように2歳になっても与えるべきなのか、どんなものがよいのか、市販品でもよいのかなど、疑問も多いと思います。そこで、2歳児のおやつについてのポイントや注意点をお伝えします。
2歳児におやつが必要な理由
離乳食の完了期(1歳~1歳半頃)には基本的におやつをあげるとされますが、その後、2歳になったらどうすればよいかを迷う方もいるかもしれません。結論からお伝えしますと、2歳児にとってもおやつは必要です。そのポイントを確認していきましょう。
おやつとは補食のこと
子どもにとってのおやつとは、3回の食事だけでは摂りきれない栄養を補うという大切な意味があります。2歳児はまだまだ胃の容量が小さいことや、集中力が長く続かないことから、一度にたくさん食べることができません。そのため、通常の食事の間におやつ(間食)を2回プラスする必要があるのです。「1日3回の食事」ではなく、おやつを含め「1日5回の食事」だと考えて栄養を摂っていくといいでしょう。
なお、おやつというとお菓子などを想定されてしまうことがあるので、「補食」と呼ぶこともありますが、ほとんど同じ意味だと考えて問題ありません。
2歳児のおやつのポイント
おやつは補食なので、第二の食事といえます。したがって「食事としてとらえる」ということがポイントです。
大人のおやつは、食事とは別に嗜好品として1日200kcalを目安に摂ってよいことになっていますが、子どもの場合は、おやつも食事と同じ食品群から選ぶのが基本となります。ビタミンやミネラルを多めに摂っていきたい時期でもあるので、お菓子のようなものにせず、なるべく主食(穀類)、主菜(肉・魚)、副菜(野菜類)、果物、乳製品類のうちのどれかに属するものにするようにしましょう[*1]。
2歳児のおやつの量
おやつの量は特に決まっていませんが、3回の食事で食べる量を超えないようにしましょう。「おやつ2食分<3回の食事で食べる1食分」になるようにしたいので、1回のおやつは食事の1/3くらいを目安にするといいですね。
どうしてもおやつは簡単なものになりやすく、3回の食事と比べて摂れる栄養素にも偏りがでるため、おやつと食事の量が逆転してしまうと、栄養バランスが整いにくくなります。
2歳児のおやつはどんなものがいい?
では、具体的に2歳児のおやつにはどんなものを選ぶといいでしょうか。
おすすめは食材そのもの
おやつを選ぶ基準としては「食材そのもの」や「使っている食材がわかりやすいもの」がいいでしょう。おやつでどんな栄養を補えたかを考えやすいですよ。たとえば、果物と牛乳などがおすすめです。
●すぐに食べられるもの
牛乳、ヨーグルト、チーズ、パン
●皮をむいたり小さく切る必要があるが常備しやすいもの
バナナ、りんご 、梨、みかん、ぶどう*
*ぶどうやミニトマト、球形のチーズなどは必ず4つに切りましょう
このほかにも炊いたご飯があれば、おにぎりなどもよいですね。
市販のおやつは使える?何を選ぶ?
「おやつは市販品でもいいの?」と疑問を持つ方もいるでしょう。もちろん、市販品を使ってかまいません。ヨーグルト、チーズ、パンなどのほか、最近ではコンビニエンスストアでカットフルーツなども売られているので、シロップ漬けでなければ、そのようなものを活用するのもいいでしょう。
しかし、「市販品のおやつ」というと、お菓子を第一にイメージする方が多いかもしれません。市販の「お菓子」でおすすめできるのは「砂糖、塩、油の多すぎないもの」です。たとえば、
・甘さひかえめのビスケット
・やわらかいせんべい
・ヨーグルト、甘さ控えめのゼリー
などがいいかもしれませんね。
鉄やカルシウムなどのミネラル補給ができるものなども必要に応じて使うとよいでしょう。
ただし、ここに挙げたようなものであっても市販のお菓子は頻度や量を少なめにし、お菓子だけではなく、牛乳や果物などの食材と組み合わせるようにしてくださいね。
簡単!手作りおやつレシピ|きな粉マカロニ
■材料
・マカロニ 10g
・きな粉 小さじ1
・砂糖 小さじ1
■作り方
① マカロニを鍋で時間どおり茹でる
② きなこと砂糖を混ぜる
③ 茹で上がったマカロニの水気を切り、②をふりかけてなじませる
2歳児のおやつに向かないもの
おやつに向かないものは、「味が濃すぎるもの」「たくさん欲しがってしまうもの」「喉に詰まってしまうようなもの」です。「○○は食べてOK」「○○はダメ」と単純に線引きできるものではなく、おやつに向かない単べ物でも、たまに食べることはあってもよいかもしれませんし、反対に「○○は大丈夫!」と思って、そればかり食べ過ぎてしまってはよくありません。お伝えした3点を指標として考えてみてください。
味が濃いもの・たくさん欲しがるもの
「味が濃いもの」「たくさん欲しがってしまうもの」として、生クリームを使ったケーキを例に考えてみましょう。
生クリームにはたくさん砂糖が使われています。さらにケーキの生地にも砂糖が入っているため、ケーキを食べるとかなりたくさんの砂糖を摂取することになります。その反面、ミネラルを含むような食材はほとんど使われていません。また、ふわふわしていて食べやすく、甘みが強くておいしいことから、ついたくさん食べてしまいがちでもあります。
子どもにケーキを与えてはだめということではありませんが、小さめのケーキを選んだり、誕生日やクリスマスだけにするなど、頻度を限るようにしましょう。ケーキを欲しがった場合は、「欲しいね。おいしいもんね。誕生日になったら買おうね! 楽しみだね」などと話し、特別なものであることを教えておくといいですね。
同様にアイスクリームも注意したいものです。冷たいアイスクリームは甘さを感じにくいため、たくさんの砂糖が使われています。また、冷たすぎる食べ物は消化機能を低下させてしまう可能性があり、ごはんがしっかり食べられなくなったり、腹痛を起こすこともあります。夏の特別なときに大人の分を何口か分ける程度ならいいかもしれませんが、まだ小さな子どもにはなるべく避けるようにしたいですね。
喉に詰まりやすいもの
喉に詰まってしまうようなものにも気を付けてください。与えない方がよいものと、与えるときに注意が必要なものがあります。
まず、与えない方がよいものとして、市販のお菓子としては、飴、こんにゃく入りゼリー、団子などがあります。これらは弾力があって噛みにくいことから喉に詰まってしまう可能性があるため、与えないようにしましょう。また、ピーナッツなどの硬い豆も気管に入ってしまう恐れがある食べ物です。6歳になるまではあげないようにしてください[*2]。
与えるときに注意が必要なものとしては、ぶどうやミニトマト、球形のチーズなどのつるっとした丸い食べ物があります。そのままの形で与えると喉に詰まりやすいため、4つに切るなどの対応が必要です。
イヤイヤ期でお菓子を欲しがる場合
2歳ごろになると、「いや!」「食べたい!」といった自己主張が出てきたりすることもあります。ごはんじゃなくてお菓子を食べたいと主張してくることもあるでしょう。そのようなときには、「いやじゃないでしょ」というように、お子さんの言うことを否定するのではなく、次のように答えてみてください。
「いやだよね。でも昨日食べたから今日は食べられないよね。残念だね。いやだけど仕方ないね。でも今度の日曜日に食べられるね! 楽しみだね! 日曜日に食べよう!」
このように、今は食べられないけど次の機会に食べられることを話したり、食べたい気持ちは理解していることを話すのがポイントです。ママ・パパも食べることができなくて残念がっていること、子どもと同じ気持ちであることを伝える習慣をつけられるといいですね。
まとめ
2歳のおやつについて何か決まりがあるわけではありませんが、基本的には食材そのものを選ぶようにしましょう。ヨーグルト、チーズ、パンなどは赤ちゃんにそのままあげることができるのでとてもおすすめです。おやつは食事の一環なのでお菓子とは異なります。お菓子をあげたい場合は、甘さが少なめのものを心がけ、量や頻度にも注意してくださいね。
(文・監修:川口由美子 先生)
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