子供の心に傷を残す「失敗したとき」親が発してはいけない3つの言葉
子供への期待が大きければ大きいほど、失敗したときの落胆はあるもの。また、同じ年齢の子が上手にできていると、急かしたくなりますね。その一つが「おむつはずし・トイレの練習」。うまくいかないと焦りを見せる親御さんも少なくありませんが、そんなとき子供に決して「かけてはいけない言葉」があります。
4歳でもおむつが外れてない子っている?
30年ほど前までは「1歳の夏にはおむつが取れているのが当たり前!」と言われていましたが、近年はそうではありません。おむつ外れの時期も、トイレトレーニングを始める時期も年々遅くなっている傾向にあります。
幼稚園に入園する満3歳の時点でおむつが取れていないなんて恥ずかしい…と思う親御さんも減ってきていることや、共働きで3歳未満から保育園に通わせているため特にきっかけがなく、4歳でもおむつが外れていない子もいます。
おむつが外れず幼稚園に入園?!
幼稚園で年少児クラス(満3歳児クラス)を担任したとき、入園する時点で20人中5人ほどはまだおむつが外れていない状態でした。
当時勤めていた幼稚園はおむつ禁止で、おむつが取れていなくてもパンツで登園するようお願いしていました。漏らしてしまってもOK、濡れた感覚を不快に感じてくれたら大成功、という考えでした(もちろん、漏らしても叱ることはありません)。
このような方針だったため、多くの子は入園して1ヶ月以内にトイレでおしっこをすることができるようになっていました。
これは逆効果! 思わず言いがちな3つのNGな声掛け
子どもは、大人が思うよりずっと繊細で、何気ない言葉に深く傷ついてしまうことも。保育のプロとして、これはしないで!という例をご紹介します。
NG例1|「なんで失敗するの?」
4歳だと、お漏らし=失敗と理解している子も多いでしょう。失敗して落ち込んでいるときに、慰めてほしい相手に叱られたら、拠り所がなくなってしまいます。そうなると、失敗したくないという気持ちがプレッシャーになり、自分自身を追い詰めてしまいます。
■こうしてみよう!のヒント
「漏らしちゃったね、でも大丈夫」とお漏らしをした事実を認識させつつも、失敗しても大丈夫ということを伝え、プレッシャーをかけないようにしましょう。余裕があれば、「漏らしたときは、雑巾で拭こうね」と、失敗したあとの対処の仕方を教えてもいいですね。自分でリカバリーできる方法を知ることで、子どもの気持ちはラクになります。
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NG例2|「失敗するなら、もうやめ!」
4歳だともう立派にプライドがあります。そのプライドを利用して、「トイレでできないならおむつを履きなさい」ということでやる気をもたせようとしているのかもしれませんが、これはNG。こうすることで、子どもは自信をなくし、トイレですることに、より苦手意識を感じるようになってしまいます。それだけでなく、自己肯定感の低下にも繋がります。
■こうしてみよう!のヒント
一度パンツにしたら、おむつに戻してしまうのがいけないのではありません。お漏らしが続いて片付けがしんどいときもありますよね。いっそのことおむつに戻したい…と思ったら、「もし、トイレでするのが嫌だったら、おむつを履いてもいいよ、どうする?」と聞いてあげましょう。尋ねることで、パンツがいいから頑張る子もいますし、精神的に不安になっているときであれば一度おむつに戻したいという子もいるかと思います。無理やりおむつに戻すのではなく、子どもの気持ちに寄り添ってあげましょう。
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NG例3|「他の子はできるのにね」
当たり前かもしれませんが、「〇〇ちゃんはできている」「クラスでできないのは〇〇ちゃんとあなただけ」など、他の子と比べるのは絶対にやめてください。
■こうしてみよう!のヒント
もし比べるのであれば、過去のお子さんの姿です。ただし「昨日できていたのに…」と比べることをマイナスに使ってはいけません。あくまでも「昨日より今日はできているよ!」とポジティブな比較をして、お子さんが進歩を実感できるような言葉がけをしましょう。
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そのほか、4歳の意思表示レベルや子どものやる気を引き出す親の行動などについては、以下の記事の中で詳しく解説しています。
▶︎4歳になってもおむつが外れない!保育士が教える効果的な4つの行動・NGな3つの言葉【教えて保育士さん】(文:mamaco / 元保育士・幼稚園教諭)
※本記事は上記の記事を一部抜粋したものです
※画像はイメージです
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