勝手にライバル視して張り合ってくるママ友が苦手。避けてるのに、向こうから寄ってきて……<子育て心理カウンセリングルーム>
子育て中のママ・パパの悩みを臨床心理士・公認心理師に相談する『子育て心理カウンセリングルーム』。今回は、ママ友との人間関係についてのお悩みです。「保育園のママ友が何かと張り合ってきて、もううんざり」というその訳は……。
持ち物、服装、子どもの習い事まで……。何かと張り合ってくるママ友にうんざり
保育園のママ友関係で悩んでいます。
そのママ友は私の5歳長女・4歳次男と年齢が同じなのですが、何かと張り合ってくるのです。持っている物から服装、習い事や子どもの成長具合まで……。
なるべく合わないように時間をずらしてはいるのですが、ずらした時間がわかると時間を合わせてまで、話しかけてくるので困っています。
転園するわけにもいかないので、どういう心持ちでいたらいいのか教えてください。
(39歳・女性・小売店/販売職・サービス系)
■相談者の家族構成:自分39歳、夫47歳、長男18歳、長女5歳、次男4歳
■お困り度:★★★★★★☆☆☆☆
いつもいつも張り合ってこられると疲れてしまいますね。避けようとしても合わせてこられては本当に対応に困ってしまうと思います。どのような心持ちでいたらいいかのヒントになることをお伝えできればと思います。
このママ友はあなたから見るとどのような人に映りますか。
負けず嫌いでプライドの高い人でしょうか。
自分大好きなかまってちゃんでしょうか。
こうして何かと張り合ってくる人たち、常に他人に対してマウントを取ってくる人たちは、自分の能力や存在を周囲にアピールし注目されたいという自己顕示欲や周囲の人に認められたいという承認欲求が強い人たちだと考えられます。
しかし一方で、実は自分に自信がなく、劣等感が強いという一面を持っていたりします。
人は誰しも自分には価値があると思いたいものですが、こうした人々は自信がないために努力して自身の価値を高めたり、自尊心を保つことが苦手だったりします。そのため、人との比較において自分を大きく見せ、相手を格下げすることで相対的に自分を優位にし、自身の価値を確かめているのだと考えられます。
彼女が一生懸命張り合ってくるということは、あなたにそれだけ魅力があるということだと思います。そしてあなたに認められたいという気持ちも強いのでしょう。なぜなら、自分より下だと思う人に対してわざわざアピールする必要はないからです。
相手に対して劣等感があったり、自分の価値を確認する上で相手の存在が脅威になるからこそ自分を大きく見せる必要が出てくるのです。
こうして見ていくと、彼女は彼女なりに必死に自分のプライドを守ろうとしているだけのようにも思えますが、あなたがそれに付き合う必要はありません。
もちろん関わらずに済むのであればそれが一番ですが、それが難しいこともあるようなので、そんな時は聞き流すのが良いでしょう。大きなリアクションをする必要もなく、「あなたは本当に私のことが気になってしょうがないのね」とか「お、今日も頑張ってアピールしてるね〜」と心の中で言いながら、「へー、そうなんだ〜」「そうだよね〜」と返せばいいのです。
また、自分の情報を伝えるのは張り合うための材料を提供することになるので、自身の話はなるべくしないように、聞かれても「どうですかね〜」とかわしたり、濁したりして表面的な付き合いで済むようにできると良いかもしれません。
あるいは他の保護者や先生がいればその人たちと話してやり過ごしたり、「あ、今日はちょっと急いでるんで!」となるべく早く会話を切り上げたりと、逃げる方法も色々試してみてください。
(文:臨床心理士 おおくぼ まりこ/うららか相談室)