「ママ友」と「友達」の違いって? 高齢出産の私、ママとの距離感に悩む毎日……<子育て心理カウンセリングルーム>
子育て中のママ・パパの悩みを臨床心理士・公認心理師に相談する『子育て心理カウンセリングルーム』。今回は、ママ友についてのお悩みです。「子どもを産んでから、友達の作り方がわからなくなった」というその困りごととは。
高齢出産の私。ママ友に少し引け目を感じてしまい、距離の取り方がわからない……
子どもが生まれてきてから友達の作り方がわからなくなってしまいました。
子ども関係なしに仲良くなったつもりでいても、相手は子どもありきで付き合うママ友と思っている様子だったり。
昔からの友達はわずかにいますが、遠方です。
ママ友を作ろうと思っても、意識しすぎて距離感がわからず、敬語からタメ口にするタイミングなども考えすぎて周りに一線引くようになってしまいました。しかも私は46歳で他のお母さんに比べて高齢なので、少し引け目を感じます。
(46歳・女性・小売店/事務系専門職)
■家族構成:自分46歳、夫46歳、長女8歳、長男1歳
■お困り度:★★★★★★★★☆☆
お子さんが生まれる前はお友達を作ることに悩まれてはいなかったようですが、お子さんが生まれてから、お子さん関係のママさん達とどうやって友達になるかというところで悩むようになったということですね。
お子さんが生まれる前のお友達作りというのは、趣味や話が合うとか、学校のクラスや職場内などで共に過ごす時間を重ねる中で少しずつ気が合うようになっていくとか、そういうところから仲良くなっていくことが多いのではないかと思います。
でもママ友というのは、子供達が同じクラスだったり仲良しだったりという共通項をもとに集まる人間関係ですから、本当に気が合うのか、趣味や話題が合うか、といったところはわからないですよね。そういう関係故に、相手のママさんがどのようなタイプでどのような距離感の付き合い方を望んでいるのか、というのも把握しにくいところがあるかと思います。相談者さんも、どこまで踏み込んでよいのかわからず一線を引くようになってしまわれたとのことですね。
相談者さんの求める友達というのは、子供という共通項を抜きにしても、お互いが気が合ったり趣味が合ったり会話を純粋に楽しめたりする間柄でしょうか。お友達に求めるイメージを改めて考えてみてください。
空気感が合って居心地の良い人?
たまに会って盛り上がって会話が弾むような人?
日常の些細なことを共有し合えるような人?
一概に友達と言っても、人によって友達のイメージ、友達に求めるものは違うように思います。まず、質問者様が今望んでおられる友達というのはどんなイメージなのかに目を向けてみるのはいかがでしょうか。
ママ同士であっても1人の人間同士です。子供同士のママという枠を一回とっぱらって、1人の人間として、この方と友達になりたいな、仲良くなりたいな、という思いに耳を澄ませてみてはいかがですか。
敬語同士の会話であっても、年齢が異なっていても大丈夫です。この人とまた話したいなとか、この人とは居心地が良いな、というイメージが沸いた方に、是非勇気を出して少し歩み寄ってみてほしいなと思います。自分から話しかけること、連絡先を聞くこと、踏み込んだお話をしてみること、どれもとても勇気のいることですが、焦らずゆっくりと関係を深めていけたらよいですね。
また、敬語からタメ語に変えるタイミングというところですが、その方と話す時に一番心地よいなと感じられる話し方が一番よいのではないかと思います。敬語だから友達になりきれていないとか、タメ語だから距離が近いとは限らないように思います。敬語でも心を開きあって楽しく会話できるような関係もあるはずです。
質問者様が本当に心を開いて自分らしく会話を楽しめるようなお友達が見つかることを祈っています。
(文:臨床心理士亀井紗代子/うららか相談室)