ライフ ライフ
2024年11月23日 16:00 更新

子どもの中学受験を控え、今後の家計に不安が。専業主婦の妻にも働いてもらいたいけど……<子育て心理カウンセリングルーム>

子育て中のママ・パパの悩みを臨床心理士・公認心理師に相談する『子育て心理カウンセリングルーム』。今回は、子どもの受験を控えた家計についてのお悩みです。「専業主婦の妻にも働いてもらいたいが、その気はなさそうで……」というその困りごととは。

カウンセリングルームロゴ

子どもが私立中学に!? 家計のために、専業主婦の妻に働いてもらいたいが……

妻が働いていないのですが、今後、子どもが私立中学の受験を検討していて、これから教育費が益々かかる状況になります。
私一人の収入で今のところは何とかなっていますが、今後どうなるのかがわからず、老後資金などを考えると妻には働いてほしいと思っています。
それとなく聞いてみるのですが、働く気がないようです。家計のためになんとか働いてもらいたいのですが、どうすればいいのか悩ましいです。
(47歳・男性・印刷・紙パルプ/技術職)

■家族構成:自分47歳、妻47歳、長男10歳
■お困り度:★★★★★★★★☆☆

※写真はイメージです

お子さんが10歳とのことで、受験や私立中学への学費などこれから一気にお金がかかってきますね。

まず、パートナーにはそれとなく聞いてみただけとのことですから、相談者さんの収入だけでは厳しい現状がパートナーにきちんと伝わっていない可能性がありますね。
お子さんの私立受験についてはご夫婦ともに賛成しているようですから、パートナーも今よりも出費が増えることはわかっていると思います。では、ご夫婦の考えのどこでズレが生まれているのかを考える必要がありますね。

また、ご夫婦でお金のことはクリアに話し合いができているでしょうか? 今収入がどのくらいあり、受験にいくらかかり私学の学費がいくらかかるのか、老後のためにいくら貯めていきたいか…。そうしたことをご夫婦で深く話し合えていないことによって、パートナーが収入を増やす必要性を理解されていない可能性はないでしょうか?

次に、お金が足りなくなることはパートナーも理解していても、相談者さんは『妻が働くことで世帯収入を増やす必要がある』と考えていて、パートナーの方は、『娯楽費や外食費などを削って節約して、教育費を捻出していきたい』と考えている可能性もありますね。このように教育費の捻出方法に対する考え方にズレがある場合も、ご夫婦できちんと話し合う必要が出てきますね。

このように、ご夫婦でお金の問題に関するズレがないよう話し合うことがまず必要かと思います。その上で相談者さんがパートナーに働いてほしいという期待を伝える際は、人間が社会的役割を変化させる時に生じるストレスに理解を示すことが大切です。

専業主婦という役割をずっとこなされていたパートナーが兼業主婦に変化することは、良い職場であったりやりがいのある仕事だったとしても、ご本人にとってはストレスとなるものです。そこで、パートナーに安心して働いているもらうために、パートナーの不安をなるべく減らせるような提案をすることも良いと思います。

パートナーがこれまで家事に充てたり自由に過ごしていた時間が減るというマイナス面を補うため、相談者さんが家事を具体的に分担する提案をしたり、週末にパートナーの 1人時間を作る提案をするのも良いでしょう。また、パートナーが働いた分の一部はパートナーの自由に使えるお金とすることで、これまでの専業主婦時代よりパートナーにとってメリットが生まれるようにすることもできるでしょう。

新しい役割に変化する時は誰しも、不安な部分や嫌な部分の方が目についてしまい、踏み出すことに躊躇してしまうものです。パートナーにとって、働くことのプラスの側面を見出せるように意識しつつ話し合いを進めてみてくださいね。

(文:臨床心理士 亀井紗代子/うららか相談室)

PICK UP -PR-

関連記事 RELATED ARTICLE

新着記事 LATEST ARTICLE

PICK UP -PR-